maserati quattroporte
 すでに50年の歴史を積み重ねてきたマセラティ・クワトロポルテは、7代目となる最新型であっても、伝統的な色香は薄れることはない。年々その体躯は堂々としたサイズになるものの、凡庸なデザインに成り下がることはなく、それでいて意外なほど締まって見える。そしてなによりも、前後に長いロングノーズショットデッキのシルエットは、これが4ドアセダンであることなど意識の外に弾かれてしまいそうになるほどにセクシーなのだ。

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 フェンダーの隆起や、大径タイヤの直後に刻まれた伝統的なエアアウトレット、陰影を強調させたサイドパネル、そしてデーエンド。優れた造形家が、丁寧な筆さばきでカタチにしたことが、その塊を眺めていれば気づくことなのだ。

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 こうなればもはや、走りなどどうでもいいという気にさえなる。このセクシーなボディシェルに収まることがすべてであり、それ以外に何を望もうというのか。スタイルだけで人を惹き付けてしまうクルマなど、世界を見渡してみても希有な存在である。
 ともあれ、中身が凡庸であるわけもなく、ことさら刺激的だからマセラティなのだ。今回の試乗車は、今年の秋に追加された新グレードだ。シンプルに「クワトロポルテ」と名乗る。

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 搭載されるエンジンはV型6気筒3リッターツインターボである。最高出力は330ps/4750rpmに設定されており、500Nmの最大トルクはなんと1600rpmという低回転域で頂点に達する。車両重量は1970kgだ。
 クワトロポルテには、兄貴分が存在する。もっとも刺激的な「クワトロポルテ GT S」にはV型8気筒ツインターボエンジンを積み込まれる。最高出力は530psに達する超高速ツアラーである。
 次に控えるのが「クワトロポルテ S」。V型6気筒ツインターボであり410psを発揮、さらに同じエンジンを搭載するものの駆動方式をAWDとした「クワトロポルテ Q4」がラインナップする。今回試乗した「クワトロポルテ」は、いわばその弟分的立場であり、もっとも価格的にも抑えられているのだ。

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 1170万円(税込)というプライスタグは、伝統のクワトロポルテを身近な存在にしてくれる。憧れでしかなかったマセラティのフラッグシップが、にわかに現実の世界に舞い降りてきた。ディーラーに足を運びたくなった読者も多いに違いない。

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 フレンドリーになったのは、価格だけではない。環境性能も、EURO6に対応している。「スタート&ストップ機能」を標準で装備するなどして、燃費に貢献しているのだ。
 さらには、後続車の接近を報せる「ブラインド・スポット・アラーム」などを標準装備。環境性能と安全性能にただならぬこだわりをみせている。

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 正直にいって、マセラティというブランドには、環境性能や安全性能を期待するのが無粋かのような雰囲気がある。スタイリッシュなボディと、レーシングメーカーとして伝統的なスポーツフィールと、そしてその妖艶な雰囲気がマセラティの魅力なのだと僕も感じていた。だが、時代の要求はエコであり安全である。その流れに、マセラティも追従していることが新鮮に思われた。

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 ともあれ、クワトロポルテが凡庸なエコカーでありセーフィティ一辺倒のモデルであるわけもない。マラネロのフェラーリ工場で組み込んだエンジンは、低回転域から力強いトルクを発揮する。サウンドも刺激だし、加速感も勇ましい。

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 フットワークが軽快なのもマセラティの伝統にならう。本来はストレートを高速域で突き進むタイプのモデルだというのに、その気になればコーナーリングでも鮮やかな身のこなしでエイペックスをあとにするのだ。

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 圧倒的な刺激を求めるなら「クワトロポルテ GT S」に叶うわけではないが、クワトロポルテの魅力を比較的リーズナブルな投資で味わえるのは,このうえない魅力だと思った。

■マセラティジャパン 公式サイト
http://www.maserati.co.jp/maserati/jp/ja/index.html