青木タカオに訊く:2015年の良かったバイク&残念なバイク 2016年の二輪車業界に期待すること
2015年も間もなく終わり。もうすぐ2016年がやってくる。というわけで、我々Autoblog編集部では、お馴染みのモーター・ジャーナリストの 方々を招いて忘年会を開催し、皆さんがお仕事を忘れて楽しまれているところを狙って、いきなり次の3つの質問をぶつけてみた。

1. 今年、もっとも良かったクルマ。
2. 今年、残念だったクルマ。
3. 来年、自動車業界に期待すること。


だだし5人目は二輪が専門の青木タカオさんに、オートバイとその現況について訊いてみた。



・今年、もっとも良かったバイク

ハーレーダビッドソン ストリート750。まず価格が安い。85万円という価格で、新しい層に向け、間口を大きく拡げたモデルだと思います。

それはちゃんとハーレーの魅力もあるということですか?

750ccというとハーレーの中では小さく感じますが、750といえば立派な大型バイクです。Vツインらしい鼓動感はちゃんとあります。それから凄いのが、カスタムへの可能性が広がっていること。ハーレーはこのストリートというモデルを"ブラック・キャンバス"だと言っているんです。様々なカスタムがたくさん出てきていて、年末には国内外でカスタム・コンテストも開催している。また、ノーマルのまま乗っても面白い。若い女性でも楽しめる。今までのハーレーって、国産から乗り換えると、良い意味でも悪い意味でもハーレーならではの「あれっ?」ていう部分があったんですけど、ストリート750は国産から乗り換えてもすぐ乗れる。例えば、ウインカーもこれまでのハーレーのようなハンドルバーの左右に独立したアメリカ式ではなく、日本や欧州の多くのメーカーと同じように左側に左右がまとまっていたり。そういうことをやって世界中に広めようというハーレーのスタンスに拍手を送りたい。それでいて伝統のVツインの味も大事にしている。シルエットも、1970年代に生まれた伝説のカフェ・レーサーのものを継承していたりして、ハーレーの熱烈なファンや上級者もうならせる魅力がある。その一方で、そんなことは全く知らない若い世代でもぱっと乗れちゃう。カスタム・ブームを仕掛けた戦略的にも上手い。だから、製品も素晴らしいんだけど、マーケティングというか戦略も見事ですね。




・今年、残念だったバイク


ハーレーダビッドソンの電動バイク、プロジェクト・ライブワイヤーが市販化に至らなかったこと。

マレーシアでお乗りになったんですよね。乗ると良いんですか?

良いんです。だから発売されないことが、残念ですね。



・2016年の二輪車業界に期待すること

ハーレーがエントリー・モデルを出したり、国産でも250ccクラスが既に盛り上がっている。それをますます強めていただきたい。ビギナーや若い人達にもっとオートバイの良さを知ってもらうために。原付一種でもいいので、僕らが50ccで最初に乗ったときにクラッチ操作を学んだような、ああいう身近にバイクと付き合えるような環境がまた来るといいですね。あと業界全体としては、125ccまで普通免許で乗れるようになることも期待します。50ccでも性能的には十分なんですけど、30km/hの速度制限と2段階右折という、戦後のルールでいまだにやっているから。50ccなんて日本がガラパゴス化しているんですよ。ベトナムなどアセアンはみんな90ccとかですからね。わざわざ日本市場のために50ccを作っている。その縛りがなくなれば生産コストだって下がりますし。




(聞き手・文責:Hirokazu Kusakabe)