VOLVO V40 D4 R-DESIGN
 2015年のボルボのクリーンディーゼル攻勢には驚いたし、痛快な気持ちにもなった。何と言っても大きかったのは、一気に5車種、のちに登場したV60クロスカントリーを入れて6車種が揃えられたこと。クルマがライフスタイルを決めるのではなく、ユーザーの使い方に応じたクルマ選びに、ディーゼルという選択の幅が加わったというのが重要なポイントだ。
 実際にセールスは好調で、現状ではV40クロスカントリーやXC60では販売の7割、他モデルも5割ほどがクリーンディーゼルを搭載する「D4」で占められているという。そんな中でも個人的には、CセグメントコンパクトカーであるV40へのD4の投入に唸らされた。何しろ先行したドイツ勢も、まだこのセグメントにはディーゼルを用意できていないのだ。強敵を出し抜くことができたのは、まさにしてやったりというところに違いない。

 このV40 D4は、燃費が素晴らしく良く、航続距離が長いのはもちろん、走りっぷりもホットハッチの領域に入りつつあるほどのスポーティさを実現している。そうなると、やっぱりコレが欲しくなるよね......そう、「R-DESIGN」が。
 ボルボカージャパンが早速、そんな声に応えてくれた。特別限定車「V40 R-DESIGN」をリリースしたのである。

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 エクステリアは、これまでの「R-DESIGN」の流儀に則った仕立てだ。フロントバンパーは専用の造形とされ、フロントグリルはハイグロス仕上げに。派手ではないがワイド感が強調されている。

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 リアバンパーも下面をディフューザー形状とした専用品に。その左右からは90mm径のエンドパイプが顔を覗かせている。ガソリンでもディーゼルでも、そこは変わらない。

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足元には18インチアルミホイール。タイヤはミシュラン パイロットスポーツ3を組み合わせる。

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 ブラックのルーフライナー、ナッパレザーを使った本革/パーフォレーテッドレザーを組み合わせたシート、コントラストカラーのステッチにアルミニウムパネルといったインテリアのコーディネートも、やはり見慣れたものだ。クオリティは高く、見映えでは上のセグメントのモデルにもまったく見劣りしない。スポーティに仕立てられていても、たとえばそのシートなど、普段はゆったりと大らかな、包み込むような乗り心地を味あわせてくれるのは、ボルボらしい。

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 そして肝心なパフォーマンスの面では、前述のタイヤ&ホイールに合わせて、減衰力を高めたフロントダンパーとモノチューブ式リアダンパー、レートを高めたリアスタビライザー、強化バンプストップ、従来標準だったハード寄りのダイナミックシャシー比でも、更に前10%、後7%締め上げられたスプリングなどが採用されている。また剛性アップのためのストラットタワーバーも装着された。

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 すでにV40のR-DESIGNは、T5で経験済み。走りの印象もやはり近くて、街乗りではまず乗り心地の上質さに感服させられる。ダンパーの動きの精度が高いおかげだろう。硬い柔らかいで言ったら硬めのはずなのに、ストロークの初期にはしっとり感すらある。時々、路面の継ぎ目などでガツンと来て我に返るのだが、それも許せる程度のものだ。

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 但し、その反面でホットハッチ的な軽快感はそれほど濃くはない。その辺り含めて具合が良くなってくるのは、もう少しペースを上げてきてから。一番光るのは、中高速コーナーが続くワインディングロードということになる。

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 フロントヘビーの重量配分ゆえに、曲がりたがるという性格ではないし、無理し過ぎるとアンダーステアも強めに出るが、それだけ頭に入れておけば舵は奥までしっかり効くし、絶対的なグリップもあるから楽しくコーナリングできる。これに、登りでも低回転域からグイグイと加速するディーゼルの大トルクのマッチングは強力で、ハイペースを悠々維持できるのだ。

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 しかも、実は試乗車には更にオプションのポールスター・パフォーマンス・パッケージまで装備しており、専用ECUによりエンジンの最高出力はノーマルの190psから200psに、最大トルクは400Nmから440Nmへと向上していた。その効果は明らかで、発進させるとまず2000rpm手前くらいからのグイッというツキの良さで魅了し、その後も回すにつれてパワーが盛り上がる気持ち良いフィーリングを実現している。その他、マニュアルモードでは5000rpmまで引っ張れる伸びの良さ、パドル操作に対する切れ味鋭いレスポンスなども特徴的なところで、つまり額面の数値以上に体感上のスポーティさが高まるパッケージと言えるだろう。

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 このボルボV40 R-DESIGN、価格は459万円と、Cセグメントのハッチバックとして決して安い部類ではない。しかしボルボカージャパンは、399万円のD4 SEに対して、R-DESIGN専用装備だけでなくレザーパッケージやパノラマサンルーフなどを含めた装備のプラス分は105万5千円相当にも及び、単純に45万5千円分買い得だと謳う。

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 そういう見方をすれば確かにそうで、D4 SEでは物足りずにいくつかのオプション装着を検討していた人にとっては、かなりバリューのある買い物になるだろう。しかも1月初旬の初売り期間には、今回の試乗車にセットされていたポールスター・パフォーマンス・パッケージも無償提供されるという。こちらも通常は18万8千円するのだから、ますます買い得感はある。
 もともとV40 D4の購入を検討していた人にとっては、悩ましい選択肢の登場と言えそうだ。但し、限定台数は200台。迷っていられる時間はそんなに無いかもしれない。

■ボルボ・カー・ジャパン 公式サイト
http://www.volvocars.com/jp