2015年も間もなく終わり。もうすぐ2016年がやってくる。というわけで、我々Autoblog編集部では、お馴染みのモーター・ジャーナリストの 方々を招いて忘年会を開催し、皆さんがお仕事を忘れて楽しまれているところを狙って、いきなり次の3つの質問をぶつけてみた。

1. 今年、もっとも良かったクルマ。
2. 今年、残念だったクルマ。
3. 来年、自動車業界に期待すること。


3人目は軽妙な文章が人気、二輪のレビューでもご活躍の今井優杏さん。



・今年、もっとも良かったクルマ

今年のカー・オブ・ザ・イヤーで、私はホンダ S660に10点を入れまして、やはりすごく良いクルマだな思っていますし、今もその気持ちに変わりはないんですけど、その後さらに乗り足したもので、まさかの良い感触を私に与えてくれたクルマがありました。スマート フォーツーです。もう、凄く楽しい。久しぶりにちょっと原始的なクルマで(笑)。

原始的。そこが魅力ですか?

そうなんですよ。今はクルマがもう全体的に良くなっちゃっていて、どれに乗ってもそつがないですよね。ネガティブがちゃんとつぶしてあって。フォーツーはちょっとピッチングが出ちゃうところとか、ホイールベースが短いところなどを上手く活かしながら、ちゃんと最新のクルマに進化しているところは凄く良いなと思いました。

新型はルノーと共同開発になりましたが、ダイムラーだけで作っていた先代までと比べると、やはりだいぶ変わりましたか?

いえ、味付けはやっぱり似ていますよ。敢えて残しているんじゃないかなと思います。それよりも、格段に進化したところは内装の質感とか。やっぱり綺麗ですよね。エアコンの吹き出し口の造り込みとか。超可愛いし。あと、いまウチの車庫にね、バイクとクルマを駐めているの。でもフォーツーにしたらね、バイクをもう1台置ける! 夢の3台持ちができる! でも全部2人しか乗れないっていう(笑)。まあでも、そういう色々な意味で夢があるクルマだと思っています。






・今年、残念だったクルマ

残念なクルマというか、メーカーでいうと日産は今年、ちょっと元気なかったかなと思いますね。ニューモデルがほとんどなくて、パワートレインの追加とか特別仕様車しかなかったので。まあ、その中ではエクストレイル ハイブリッドが健闘したんじゃないかとは思いますけど。技術の日産ということで。来年はニューモデルにご期待くださいという話もありますし、ちょっし面白そうなニュースも出てきそうなので凄く期待したいですけども。今年はちょっとドキドキさせてくれる要素が少なかったかなと。やっぱり、自動車メーカーとして新型車がないって、販売に携わっていらっしゃる方もモチベーションを保つのが大変な1年だったと思うんですよね。現場の人たちも、ファンも含めて、ワクワクさせてくれるような演出が足りなかったのは残念。

あとクルマで言えば、フィアット 500Xはちょっと残念でした。というのも、パワートレインを共有して同じ工場で作っているジープのレネゲードが、物凄く仕上がりが良かったんですよ。特にZF製の9速ATを採用しているモデルで、フィアットとジープを比べると、明らかに乗り味が違っていて。ジープとZFって、もうチェロキーとかの頃から長くコンビを組んでいるでしょ。だからね、ちゃんと合わせ込みが出来ているんですけど、フィアットとZFの組み合わせが、多分まだまだマッチング出来ていないんですよね。

その辺りって、フィアットとジープで全く同じものをそのまま使っているんじゃないんですか?

なんかね、セッティングが違うんですって、やっぱり。FCAの広報の方に聞いたんですけど。パワートレインは共有していても、(セッティングには)それぞれメーカーの意思が入るので。そう聞くと、なるほどねって思うくらいマッチングに差があるので、フィアットの9速AT(Cross Plus)を買いたいと思っている人は、もうちょっと待った方がいいかもしれない。特にイタリア車ってモデル後期になると熟成されて良くなってくるから、期待したいですね。

ちなみに二輪で言うと、今年一番良かったのは、ホンダのCBR600RR。これはもう開眼してしまいました、スーパースポーツの良さに。そしてあんまり好きじゃなかったのが、モトグッツィのV7 II。これはちょっと個性的すぎて私には扱いきれなかった。



・2016年の自動車業界に期待すること

ここ2~3年、国産スポーツに拍車が掛かり始めているのを見ると、来年以降もスポーツモデルに期待したいなと。GAZOO Racingの86の限定車(86 GRMN)なども出てますし。スポーティなものに対して、日本で最近なんかこう景気の良さを感じるんですよね。そういう余剰のモデルというか、趣味性の高いモデルがどんどん増えてきたら嬉しいなと思います。

あと軽自動車の進化も期待したいな。軽自動車って、年ごとにどんどんブラッシュアップされているじゃないですか。そこはやっぱり見逃せないポイントなんじゃないかなと思いますね。




(聞き手・文責:Hirokazu Kusakabe)