スズキ、要望に応えて新型「アルト ワークス」を発売!
スズキは12月24日、軽乗用車「アルト」をベースに専用チューニングを施した"軽ホットハッチ"、新型「アルト ワークス」を発売した。

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軽自動車のスポーツ・モデルとして伝説的な名前がついに復活した。1987年に発売された初代アルト ワークスは、軽四輪初のDOHCターボ・エンジンが排気量550ccから64psを発生し、現在でも続く軽自動車の最高出力を上限64馬力とする業界自主規制の切っ掛けとなったモデルだった。



ベース車のアルトとしては3世代、約15年ぶりに復活した新型アルト ワークスも、R06A型直列3気筒VVTターボ・エンジンの最高出力は64ps/6,000rpmに留まる。規制もあり、この数値は今年3月に発売された「アルト ターボRS」と変わらない。だが、最大トルクは10.0kgmから10.2kgm/3,000rpmへ向上した。これは冷却水抑制温度を88度から82度へ下げて燃焼室温度の低減を図り、充填効率が向上すると共にノッキングが抑制されたことで実現したそうだ。さらに加速時のアクセル・ペダル操作に対するレスポンス・ディレイを10%短縮し、よりダイレクトに反応する加速フィーリングが得られるようになったという。"ワークス"の伝統通り、前輪駆動に加えてビスカスカップリング式フルタイム4輪駆動も選べる。



そしてもう1つ、アルト ターボRSと大きく異なるのがトランスミッションだ。ご存じの通り、ターボRSにはマニュアルの設定がなかったため、発表当初からこれを求める声が多く寄せられたという。スズキはこの要望に応え、アルト ワークスに専用開発の5速MTを用意した(スズキの方にお訊きしたところ、決してターボRSの発売前からワークスが計画されていたわけではないそうだ)。1速から4速までクロス・レシオ化されているのはもちろん、シフトレバーのストロークは短く、操作荷重を見直した設計と相俟って、小気味よくダイレクトなフィールのシフトが楽しめる(東京モーターショーの会場で既に確認された方も多いだろう)。シフトノブ(樹脂製)の位置は専用装備のレカロ製フロントシートに合わせた設計になっているという。クラッチ・ディスクの荷重特性も、気持ち良くミートできるフィーリングが得られるように最適化されているそうだ。

2ペダルの5速AGSも、スポーツ走行向けに専用の変速制御プログラムを採用し、変速スピードはターボRSより最大で10%短縮されたという。もちろん、パドルシフトを使ってマニュアル・シフトも可能だ。同じ5速でもAGSの方がMTよりワイドレシオであるためか、JC08モード燃費は僅かに優れる。

サスペンションはさらに接地感を高めるため、専用チューニングを施したKYB製ショックアブソーバーを採用。フロントストラットにはフリクションコントロールダンパーを新採用し、微小なストロークでもダンパーの減衰が働くようになっているという。この足回りに合わせて、電動パワーステアリングも中立付近の手応えをさらに高めた設定になっているそうだ。タイヤはターボRSと同じ165/55R15サイズだが、黒いENKEI製15インチ・ホイールは、リム幅が5Jに拡大されている。



エクステリアは、フロントグリルの右側にエアインテークが追加され、そこに"WORKS"ロゴ入りカーボン調ガーニッシュが付く。ターボRSでは赤く塗られていた前後バンパー下部はガンメタ塗装になり、ドアミラーもボディ同色になった。替わりにフロントのブレーキ・キャリパーが赤で塗装されている。ディスチャージ・ヘッドライトの周りを囲む通称"メガネ"は、ターボRSと同じくクロームメッキだ。サイドに貼られた専用のデカールは、スズキのスポーツ・イメージを連想させるイエローのアクセントが効いている。ボディ・カラーはターボRSと同じ「ピュアレッド」「パールホワイト」「ブルーイッシュブラックパール3」に加え、「スチールシルバーメタリック」が用意された。



インテリアでは、サイドサポートが張り出したレカロ製フロントシートがやはり目立つ。ステアリングは革巻きで、ペダルはステンレス製。メーター・パネル内に、ターボ過給圧に応じて色が変化するインジケーターが備わる。

装備の変更により、車両重量はAGS仕様同士で比較するとアルト ターボRSより20kg増加している。だが、より軽量な5速MTを選べばその差がなくなる。JC08モード燃費は当然ながら、ワークスの方が2km/Lほど劣る(MTを選べば2.6km/Lに差が拡がる)。



価格は5速MTもAGSも同一で、前輪駆動モデルが150万9,840円、4輪駆動モデルは161万7,840円(消費税込み)。ターボRSより約21万円ほど高い設定だ。となると、やっぱりお求めやすいターボRSの5速MTや、ワークスの"レカロシートなし"を求める声が出てきそう気もする。とはいえ、670kgという軽量な車体にターボ・エンジンの組み合わせを、マニュアルで操る愉しさが味わえるクルマは、世界的に見ても稀な存在。今や決して数は多くないであろう、マニアックな要望にもちゃんと応えてくれたスズキに敬意を表しつつ、筆者も近所の販売店へ試乗しに行きたいと思っているところ。すでに乗られた方は、コメント欄やFacebookTwitterなどで是非、ご感想を聞かせていただけると嬉しいです。


スズキ アルト ワークス スペシャルサイト
http://s-alto.jp/works/