86GRMN
「木下さんと戦ったニュルブルクリンク24時間のマシンそのものだと思っていいですよ」
86 GRMN」の試乗ステージに着くと、そこにはこれまでニュルブルクリンク24時間を共に戦った、いつものメンバーがいた。そのなかのひとり、現在は凄腕性能養成部に属するO氏と久しぶりの再会を祝う握手をすると、おもむろにそうクルマのコンセプトを語って僕を驚かせたのだ。

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 「86 GRMN」は、2016年1月4日から22日までの間に、WEB上で申し込みが開始される。全国で100台限定である。価格は 648万円(消費税込)。ニュルブルクリンクで鍛え抜いた走りがこのクルマの最大のセールスポイント。
 それを証明するのは、長年にわたってトヨタのスポーツ車両の開発ドライバーを努めてきたO氏は、僕もSP3クラスで参戦したニュルブルクリンク24時間のとりまとめをしていた。2012年と2014年にはクラス優勝を果たしたし、2013年もクラス2位に輝いている。
そこでのノウハウが注がれていることはあきらか。86 GRMNの源流はニュルにあるのだ。

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「木下さんが散々、注文をつけてくれたじゃないですか?ずいぶんと鍛えられましたよ」
 O氏はそう言って笑った。
 ニュルで戦う中で、スポーツマシンとしていくつかの不満点が芽生える。86で戦ったドライバーが多くの注文を突きつける。そんな言葉に対応しているというのだ。

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 といっても、86 GRMNはレーシングマシンではない。ステージはストリートだ、世界一過酷なニュルブルクリンクで鍛えられたストリートカーである。

オリジナルとの変更点は以下である。
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 エンジン内部のパーツを低フリクション化することで、レスポンスを改善させている。吸排気系にも手が加えられている。

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 ボンネットはCFPR製であり、トランクリッド、ルーフパネルを軽量化し、リアウインドーとクウォーターウインドーを樹脂製にしている。これらによって、ボディ補強や装備のつきかたによる重量増を最小限に留めているのだ。特に低重心化に貢献しているであろうことが嬉しく思った。

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6速ミッションはギア比を接近させ、つながりを改善させている。

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 サスペンションはもちろん専用にチューニングされている。さらには、前後とも215/45R17インチだったタイヤは、フロント215/40R17、リア235/40R17となる。前後異径サイズになったのが特徴だ。
その他、内装関係も充実している。

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 走り初めての最初の印象は、エンジンの抜けの良さだった。パワーユニットには極端な改造はしていない。オリジナルの200ps/7,000rpmだった最高出力は219ps/7,300rpmになり、205Nm/6,400rpm〜6,600rpmだった最大トルクが217Nm/5,200rpmになっている。劇的なパワーアップではないが、高回転まで伸びるようになり、それでいて低回転トルクが充実しているのである。

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 さらにいえば、ギアリングのつながりが改善されている。それはつまり、ニュルブルクリンク24時間を戦う中で、僕らドライバーが指摘しつづけてきた点が盛り込まれていたことは嬉しくなった。これなら、回転があわないコーナーでも、ストレスなく走れるに違いない。

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 エンジンサウンドも勇ましくなっている。耳に障るほどうるさくはないが、高回転まで抜ける印象に貢献しているようだ。

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 コーナリングフィールは、驚くほどシャープだ。ハードブレーキングからのターンインでさえ、リアタイヤが浮き上がるような悪癖はなく。むしろ重心をぐっとさげて旋回する。前後異径サイズなのに、アンダーステアもほとんどなく、ワインディングでさえ大胆に攻め込むことができるだろう。それでいて、テールハッピーではまったくないのである。

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 そう、つまり、これらは難攻不落のニュルで鍛え上げられた証だ。一歩間違えば谷底に落ちることも覚悟しなければならないニュルでは、限界域での安定性は不可欠である。それでいて、ツイスティなニュルではフロントの切れ味が欠かせない。

 86 GRMNは間違いなく「ニュル生まれ」なのである。



■86 GRMN 公式サイト
http://gazooracing.com/grmn/86

■トヨタ 公式サイト
http://toyota.jp