LEXUS GS F
「驚くほど乗り心地がいいなぁ・・・」
 国内最強の武闘派プレミアムセダンのインプレッションをお届けしようというのに、冒頭からピントはずれな書き出しを、お詫びするべきかもしれない。

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 レクサスGS Fは、レクサスのスポーツヒエラクキーの頂点に位置するモデルである。RC Fと並ぶ、レクサス最強モデル。ということはつまり、国内でもっとも走りが熱く、高価なスポーツセダンなのだ。だというのに、乗り心地から褒めるなんて・・・。

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 市街地を走るかぎり、このクルマの質感には目を見張るばかりだ。もちろんショーファードリブン的な柔い足ではない。サスペンション系は硬く締め上げられている。不快のロールは皆無である。
 だが、路面の凹凸を拾っても、脳天に響くような突き上げはない。ダンパーがしっかりと入力を吸収しつつ、姿勢をフラットに保とうとしているのだ。
 ボディがまず、高剛性である。レクサスが得意とするレーザーウエルディングや、接着結合など、フルパッケージで盛り込んだことが、乗り心地にも作用しているのだ。ボディ剛性のアップは、操縦性だけでなく、むしろ乗り心地に影響するという定説を証明したことになる。

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 後輪左右の駆動力を適切に配分する電子制御トルク・ベクタリング・ディファレンシャル(TVD)は、ステアリングのわずかな切り込みに対して切れ味良くノーズを反応させる。フロントに重量級V型8気筒5リッターエンジンを搭載していることなど忘れさせてくれるのだ。車両総重量は2トンを越えるのに、これほどまでに鋭い反応を示すことには驚かされた。

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 それでいてもちろん、サーキットでは怒濤の破壊力を見舞う。パワーユニットは477馬力という強烈なパワーを、7100rpmで発揮するという超高回転型だ。最大トルク530Nmは4800rpm〜5600rpmで導き出される。

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 回転計の針が4000rpmに差し掛かるあたりで、獰猛なパワーゾーンが訪れる。それは約1000rpm刻みで盛り上がりを示す。階段を駆け上るように躍動感が増し、7100rpmを過ぎた直後リミッターで頭を叩かれて次の高速ギアにバトンが引き継がれるのだ。

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 一基ずつ丁寧にバランス調整されているとのこと。回転フィールに乱れがないのは、そんなこだわりの作業によるものだろう。

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 エンジン本体からのサウンドに加え、エキゾーストノートをミックス、そこにスピーカーの疑似音を追加することで、他のどのモデルにも似ていない興奮のサウンドを響かせていた。

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 8速ATは、2ペダルMTに優る素直なつながりと鋭いレスポンスを示す。それゆえ、477馬力を余すことなく駆動輪に伝えることに成功。富士スピードウエイのストレートでは、260km/hオーバーを軽々と記録していた。

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 それでいて、ストッピングパワーが強烈である。大径のローターとアルミ対抗4ピストンのキャリパーは、少々のことでは根を上げない。連続周回でも、最後まで確実な制動力を保っていたことには驚きである。

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 もっとも、GS Fの最大の武器は、TVDにある。RC Fではオプションだったものを、標準にした。標準のGSよりも低くワイドに安定感あるディメンションを与えていつつ、重量級ボディの悪癖であるフットワークの鈍さを、TVDが見事に包み隠していたのである。 

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 さすがにタイヤへの攻撃性が高く、ショルダーが削られ、内圧が2.7kg/cm2に達する頃には、アンダーステアが顔を出しはじめる。フロントの横剛性にも不足を感じる。だが、TVDがそれを補おうとしてくれていた。

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 TVDアジャストをスタンダードからスラロームにスイッチさせると、ステアリングの切れ味が劇的に増す。さらにサーキットモードにアジャストさせれば、そこに安定感が加わる。個人的にはスラロームの切れ味が好みだったが、場面場面で、あるいはドライビングスキルによって好みの操縦性にアジャストすればいいだろう。それによって、高級なプレミアムセダンであるにも関わらず、軟弱なスポーツカーなどシッポを巻いて退散するほどのパフォーマンスを披露するのだ。だって1周4.5kmの富士スピードウエイで1分59秒台で周回していたのだから・・・。

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そう、それでいて一般道では、感心するほど乗り心地がいいというわけ。

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 後席のセンターアームレストには、空調や音源を調整するためのコントロール機能がある。カップホルダーも組み込まれている。リアシートはショーファードリブン的なセレブな使い方だって可能なのだ。そんな高級セダンが、スポーツカーを簡単に駆逐してみせるのである。
国内最強のプレミアムセダンであることに、誰も異論はない。

■レクサス 公式サイト
http://lexus.jp/


■レクサス GS F 公式サイト
https://lexus.jp/models/gsf/