故ジャニス・ジョプリンの愛用したサイケなポルシェ、2億円を超える価格で落札
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1960年代を代表する歌手ジャニス・ジョプリンは「神様、私にメルセデス・ベンツを買ってちょうだい」と歌ったが、実際に彼女が愛したのはサイケデリックな塗装を施した1964年製ポルシェ「356Cカブリオレ」だった。「宇宙の歴史」と題するショッキングな作品が描かれたそのポルシェが、このほどニューヨークで行われたRMサザビーズ社のオークションに出品され、予想落札価格40万ドル(約4,800万円)から60万ドル(約7,300万円)を大きく上回る、176万ドル(約2億1,300万円)で落札された。7名がその奇抜なクルマをめぐり入札合戦を繰り広げたことで、結果的に値が吊り上がり、「ポルシェ356」の落札価格としては史上最高額となった。

RMサザビーズ社によれば、ジャニスは1968年にそのポルシェを中古で購入すると、すぐに当時参加していたバンド「ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー」のツアー・マネージャーで芸術的才能にも長けたデイブ・リチャーズに塗装を依頼したという。塗装は車体全面におよび、そのモチーフはバラエティーに富んだものだった。助手席側には風景画が広がり、運転席側のドアでは蝶が舞う。後部は虹が2つの顔をつなぎ、ボンネットには「神の目」。左フロント・フェンダーにジャニスをはじめとするバンド・メンバーの顔も描かれている。ジャニスは1970年に27歳の若さでこの世を去るまで、どこへ行くにもこの自慢のポルシェを愛用していたという。

彼女の死後、クルマは彼女の妹と弟の所有となり、あろうことかオリジナルのドルフィングレーに塗り直してしまった。のちに、それがいかに愚かだったかということに気づいた彼らは、2人のアーティストに依頼し写真を元に外装を再現させたのだそうだ。再塗装されたポルシェは1995年にオハイオ州クリーブランドにあるロックン・ロールの殿堂博物館に貸し出され、これまで展示されていた。オークションに出品されるのは、ジャニスが購入して以来、今回が初めてのことだ。新たな所有者を得たことで、今までのように誰でも見ることはできなくなってしまうかもしれないが、ギャラリーにご用意した写真で是非そのサイケデリックな作品を細部までご覧いただきたい。


By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー