VW、ディーゼル排ガス不正問題の原因が米国での事業拡大方針にあったと告白
フォルクスワーゲン(VW)グループは、排出ガス不正問題の調査に関する長文の声明を発表し、この問題の主な原因が、米国でディーゼル車事業を拡大しようとしたことにあったと告白した。米国のオーナー向けに車両の改修作業を始める時期は、残念ながらまだ明確にされていない。VWは今回、不正に関与した疑いのある9人の幹部を停職処分にした。

VWが依頼した米国のジョーンズ・デイ法律事務所の外部調査員は、今回発覚した不正問題の原因を引き続き調査しているが、初期段階の調査によると、問題は2005年に始まっていたことが分かったという。ちょうどこの時期、VWは米国でディーゼル・モデルの販売を拡大しようとしていたが、決められた予算と時間内ではEA189型エンジンを米国の窒素酸化物(NOx)の排出基準に適合させることができなかった。そこでVWは、予算内でこの基準を満たすために「ディフィート・デバイス(無効化装置)」と呼ばれる不正ソフトウェアを作成したという。

またVWは、その後NOxの排出量を削減する有効な選択股が見つかったにもかかわらず、それを採用しなかったことも認めた。一方、問題のソフトウェアは、実路走行時より排出ガス検査中の方が多くの尿素水溶液「AdBlue(アドブルー)」を噴出できるようになっていた。

欧州では該当ディーゼル車の改修計画がすでに承認されているが、NOxの排出基準が厳しい米国ではまだその段階に至っていない。VWは声明文の中で「同じ1つの排出ガス対策で全排出ガス規制に適合するような車両に改良することは、大きな技術的課題」と述べており、問題解決に向けて引き続き米国環境保護庁(EPA)とカリフォルニア州大気資源局(CARB)と協議するという。自動車メディア『Automotive News Europe』によると、VWのマティアス・ミューラーCEO(上の写真)は、規制当局との取り決めはここ数日から数週間のうちに決着がつくかもしれないと示唆したそうだ。

VWは今後、独立した第三者機関から排出ガス検査の評価を受けるようにすると共に、実路走行時の排出ガスを評価する無作為テストも導入する予定。さらに、このような不正が二度と起こらないよう、検査や認証の過程における監視を強化するとのことだ。詳細はVWの声明文(英語)をお読みいただきたい。


By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー