マクラーレン「P1」、最後の375台目が完成して生産に幕を下ろす
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マクラーレンが最後となる375台目の「P1」の生産を完了した。これをもって、このハイブリッド・スーパーカーの生産に幕が下ろされる。道路を華やがせた比類なき高性能マシンの歴史に終止符が打たれたのだ。

予定されていた限定375台の生産が完了したことで、マクラーレンはこのモデルを完全に生産終了とした。サーキット専用モデル「P1 GTR」の生産はわずかに残っているが、それも来年早々に完了する見込みだという。「570S」の発表会場で、広報担当のウェイン・ブルース氏は米国版Autoblogの取材に対し、これ以上P1の派生モデルは発売されないことを認めた。コンバーチブルも無いし、公道走行可能なGTRも無い、何も無いのだという。つまり、P1 GTRの生産が完了すれば、生産ラインは止められて「アルティメット・シリーズ」は終わってしまうのだ。さらにブルース氏は、現時点で後継モデルの計画は検討されていないことを明かしている。同社のマイク・フルーウィットCEOも、次のように意見を述べている。「マクラーレンP1は既にアイコンとしての地位を確立しており、アルティメット・シリーズの血統を継ぐマシンはどれも、価値がある後継モデルでなければならない。この条件を満たすには、技術や性能の面で大きな変革が求められる。現状では、その展望は定まっていない」。

伝説のマシンであるマクラーレン「F1」の魂を継承するべく誕生したP1は、2012年のパリ・モーターショーでまずコンセプトとして公開され、その翌年のジュネーブ・モーターショー市販モデルが発表された。カーボンファイバー製モノコックに3.8リッターV8ツインターボ・エンジン、7速デュアルクラッチ式トランスミッションなど、マクラーレンの他のラインナップと共通する部分もあるが、しかしその特長は最高出力916psを発生するハイブリッド・パワートレインだ。これにより、0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は350km/hでリミッターが作動する。常に比較対象となるポルシェ「918スパイダー」(918台限定)やフェラーリ「ラ フェラーリ」(499台限定)よりもさらに特別なモデルにするため、マクラーレンは販売するP1の生産台数を375台に限定していた(その他にファクトリーで21台のプロトタイプが製造された)。



375台のP1は、1台につき105人の職人が17日間にわたって、800人時(1人時=1人1時間あたりの平均仕事量)を費やし、マクラーレン・プロダクション・センター(MPC)に設けられた「アルティメット・シリーズ」専用の生産ラインで1日平均1台のペースで生産されていた。仕様によっては、塗装の工程だけで5日間を費やすこともあるという。ちなみに最も人気の高いボディカラーはイエローだったという。全てのP1が1台ずつ顧客の要望に合わせて、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズによって仕立てられるため、同じ仕様は2つとない。2013年9月に完成した最初の1台は、アイス・シルバーのボディにカーボンファイバーのトリムが映える個体だった(トップの画像)。そして、出来上がったばかりの最後の1台は、パールの光沢が美しいオレンジで、ボディ下部のグランド・エフェクトを生み出す部分にのみカーボンファイバーが露出している。シルバーの軽量ホイールが組み合わされ、インテリアには黒とオレンジのアルカンターラが張られたカーボンファイバー製レーシング・バケットシートを装備。この内外装のカラーリングは、マクラーレン F1の最後に製造された車両から着想を得ているそうだ。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー