いざコースに出ての教習自体は、本当に楽しいものだった。
初めて感じた大排気量バイクの重量には最初辟易したが、250ccとはいえ普段からバイクには乗っているので、サイズ感とトルクにさえ慣れて走り出してしまえばそう難しく考えなくてもよかった。
だからこそ、低速で行わなければいけない教習内容には相当手こずったとも言える。

大型自動二輪の教習は12時間だ。
大きく1段階と2段階に分けられ、1段階では運転の基礎を、2段階では公道​に出るためのテクニックを学ぶ。
1段階
1 発進・停止
2 加減速
3 スラローム・平均台・S字・クランク
4 AT体験
2段階
1 法規走行
2 波状路
3 コーナリング、小転回
4 急制動・回避
5 危険予測(シミュレータ)

教習初日、教官から「あ、イマイさんハーレーですね!難しいですよ!」と笑顔で伝えられていたのだが、その難しさを知ったのはやはり超低速での取り回しだった。

Harley-Davidson
先述の通り、いくらハーレーのラインナップの中ではスポーツモデルであり、車体も小さいほうに分類されるXL883でも、教習車としてはかなりの重量級であることは間違いない。通常教習に使うホンダNC750と比べても約100kg(教習用の装備込み)の増加。ほぼ倍なのだからしんどい。それに、余談だが炎天下では膝の間で燃え続けるVツインエンジンが超熱い。クラっときたが、バイク乗りってものは基本こういうシチュエーションに関してドMなので、ここはスルーしておく。

Harley-Davidson Harley-Davidson
特に苦心したのは平均台(一本橋)とスラローム、そしてクランク。
大型自動二輪では、平均台を10秒以上、スラロームは7秒以内で通過しなければいけない。

Harley-Davidson
クランクはもちろんパイロンタッチで一発アウト。
これを重量のあるXL883をひらりひらりと扱いながら取り回すのがもう、ものすごくしんどいのである。

Harley-Davidson
平均台はハンドルを左右にコジコジしながら促進力を殺すといいよとアドバイスされるのだが、クラッチレバーが重く、わたしの貧弱な握力ではすぐに限界がきてしまう。だいたい、一般道ではこんなにクラッチレバーをパカパカ開け閉めしながら走行するシチュエーションなんてそうそうお目にかからないのだ。慣れない操作に疲労困憊だ。んで、視線が徐々に下に向かう 落下、の繰り返し。コツはやはり、視点を遠くに保つこと、であった。

Harley-Davidson Harley-Davidson
反してスラロームはすばやくパイロンの間をジグザグにすり抜ける。ここでも持ち重りのする重量がなかなかに憎たらしい。左右に車体を切り返すのにある程度のトルクが必要になるのだが、XL883はアクセル開度に対してレスポンスがややマイルドなのである。この一瞬のラグを計算しながらスロットルを開けて行くのにはやや慣れが必要だった。
どうしても難しい場合は、インストラクターがタンデムでコツを教えてくれる。これは効果テキメンで、これをしてもらったら一気にラクに出来るようになった。やっぱライディングは身体で覚えるのが一番だ。

Harley-Davidson Harley-Davidson
もうひとつの懸念であったクランクも同じくバランスが難しい。
直角に曲がった狭小路をパイロンにタッチしないように進んで行くというものだが、バンクをつけずにハンドル操作を中心にカーブを曲がる、というのがなんとなく怖く、つい角度をつけて曲がろうとしてしまう。普段乗っている250ccバイクでは逆にハンドルで操作しようと思ったら即転倒、なんてことも多いため、やはり車体の大きさによって特性は変わるのだと感じた。

Harley-Davidson
教習期間中は教官の皆さんがとてもフレンドリーで親身になってくれるので、まさに学生気分をもう一度思い出すような感じであった。やや体育会系なノリも二輪教習ならではだと思う。
女性教官もいらっしゃってめちゃくちゃカッコいいのだ。

そうして無事卒業検定を緊張の後に終えた私は、晴れて大型自動二輪免許を手にしたわけだ。
Harley-Davidson License
御礼のために教習所を訪れた私に、Autoblog日本版編集長チバさんが用意してくれたのは、夢のストリート750の試乗!
今まで教習で使っていたXL883に比べると、やはりその軽さと小ささに素直に驚いてしまう。ワイドでローなアメリカンスタイルは、写真で見るほうが大きく感じる。本物はずっとコンパクトなサイズだ。身長162センチの私が乗っても、それほどバイクに負けているとは思えない。

Harley-Davidson License Harley-Davidson License
エンジンは目隠しされればハーレーと思えないほどに静粛性あるもの。腹に響くようなドロドロ音など微塵も聞こえない。空冷ハーレー独特の重低音は、新しく採用された水冷エンジン「レボリューションX」を搭載した事によりエンジンの安定性と静粛性をも手に入れた。
もちろん豊富なアフターパーツで、自分の思う音をあとで作るのは可能である。

Harley-Davidson License Harley-Davidson License
特に感激したのは軽快さ。実は車重は230kgと、こちらは見た目通りの重量を誇るストリート750なのであるけれど、エンジンをかける前、バイクを取り回している時点から「軽っ!」と感激すること請け合いだ。つまり、実際の車重を一切感じさせない軽快ボディなんである。
走り出してもその印象は変わらなかった。

Harley-Davidson License
レーンチェンジや交差点を曲がるときなんか、走行レーンの中での右側もしくは左側への移動をしなければいけないシーンが出てくる。そういうとき、シートに預けたお尻というか腰をプリプリっとまるでフラダンスのごとく左右に降るだけで、いとも簡単にバイクが進路を変えてくれるのだ。なんじゃこりゃである。アメリカンの概念覆すコントロール性の高さに、本当に感激した。

Harley-Davidson License
今回の試乗はかなり短い時間のものだったが、いやこれほんともうちょっと長い間試乗してみたいものだ。
「もうこのままずっと乗っていたいです」と言ったわたしに、チバ編集長はゲラゲラ笑って、「もうバイクに取り憑かれましたね」と言った。うん、そうかもしれない。

■ハーレーダビッドソンジャパン 公式サイト
http://www.harley-davidson.com/content/h-d/ja_JP/home.html​


■コヤマドライビングスクール 公式サイト
http://www.koyama.co.jp