マクラーレン、F1の未来を示す革新的コンセプト「MP4-X」を発表(ビデオ付)
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ターボチャージャーやエネルギー回生システムなどが取り入れられているにもかかわらず、現在のF1マシンは20年前とそれほど見た目に大差がない。もちろん、最近はよりエアロダイナミクスの先鋭化が進んでいるが、しかし基本的には同じような姿をしている。今シーズンは何かと不運続きで、おそらく暇な時間ができてしまったのであろうマクラーレンは、未来のF1マシンを想像したコンセプトを発表した。そこには多くの革新的、かつ賛否両論が巻き起こりそうな仕様が加えられている。

マクラーレン「MP4-X」と名付けられたこのコンセプトにおける最も特徴的な変更点は、クローズ・コックピットが採用されていることだ。ジュール・ビアンキの死や、マリーア・デ・ヴィロタやフェリペ・マッサの事故、さらにはアイルトン・セナの死すら、今回マクラーレンが提案した強靭なクローズド・コックピットを採用していれば防げた可能性がある。また、このデザインがエアロダイナミクスの面にも奏功するという点も注目に値するだろう。ドライバーはこのコックピットの中で、戦闘機「F-35 ライトニング II」のパイロットと同じようにAR(拡張現実)ディスプレイ・システムを見て操縦する。マクラーレンによると、レースポジションやステータスフラッグの状況といった情報を独立型のヘッドアップ・ディスプレイに送信することができるという。つまり、基本的には我々が楽しんでいる『Forza Motorsport』や『グランツーリスモ』といったゲームと同じように情報が提供されるのだ。

安全性については、クローズド・コックピットもさることながら、MP4-Xのシャシー全体に"負剛性材料構造"を採用することで、飛躍的に安全性が向上するという。その原理としては、この素材が衝突で発生した力を吸収してはね返し、いい表現が見つからないが、つまり原形に戻るというものだ。皆さんも我々と同じように考えているとしたら、マクラーレンは900hpのバンパーカーを作ろうとしているように思えるだろう。

もちろん、900hpというのは我々の推測に過ぎない。マクラーレンはこのコンセプトのパワートレインをわざと曖昧にしているようだ。最新鋭のハイブリッド・システムが搭載されても驚きではないが、同社が言及しているサーキット上での非接触式ワイヤレス充電は、まだフォーミュラEでも夢の話だろう。

さらにマクラーレンの「ルールブックを破る」という発言から、MP4-Xがグランド・エフェクトを利用する方向に回帰していることが伺える。車体下面には巨大なベンチュリートンネルが装備され、これによって路面に吸い付くようなダウンフォースが発生する。また、コーナーとストレートでは形状が変化するアクティブ・エアロダイナミクスが採用されることで、このコンセプトは現在のマシンと比べて、より空気抵抗の少ない走りも、よりダウンフォースを発生させることも可能になるという。

このMP4-Xについては、ここに書ききれないほどの情報があるので、マクラーレン・ホンダの公式サイトで詳細を確認してほしい。ソーラーパネルや最新鋭のタイヤセンサー、見る層に合わせて変化するというスポンサーロゴまで、かなり細かく掲載されている。どれもクールな仕様ばかりだ。それではさっそく映像で、(CGの)MP4-Xが走行する様子を確認してみよう。




By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー