MAZDA ROADSTER RS
 まるごしの走り味が快感に変わる。マツダロードスターを走らせていると、この車が4代にわたって紡いできた軽量コンパクトな世界に引き込まれる。
 ロードスターの最大の武器は、シンプル極まりないスポーツフィールであろう。

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 まずは軽いことにこだわり、1g単位でのダイエットに挑んできた。先代のNC型でさえ、信じられないような軽量化を達成したというのに、最新のND型はさらに100kgに迫るダイエットを成功させたというから、開いた口がふさがらない。軽さは、走りの三代要素に好影響をもたらす。進む、曲がる、止まる。そのすべてが軽さを土台に完成されているのだ。

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 1.5リッターの直列4気筒エンジンは、わずか131psに留まるけれど、約1トンという軽量級ボディには十分な出力だ。7500rpmまで回して走れば、爽快な気分に浸れる。もはや数字に一喜一憂することすら不粋に思えるのだ。 
 ひらひらと舞うようにコーナーを駆け巡る。どこまで追い込んでも、フロントグリップが破綻する気配を見せない。ロールバランスに拘ったことで、アンダーステア知らずのコーナリング特性を発揮するのである。

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 そんなロードスターに、新しいグレードが加わった。それが「RS」である。ベーシックな「S」、走りを充実させた「Sスペシャルパッケージ」、豪華さを求めた「Sレザーパッケージ」に加えて、さらに走りに特化した「RS」によってラインナップも充実したのだ。

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 Sスペシャルパッケージと比較したRSの装備追加は以下のとおりだ。
 レカロ社製シートの装備、ビルシュタイン社製ダンバーの採用、ブレーキローターは大径になり、フロントにはボディ剛性を高めるサスタワーバーが組み込まれることになった。

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さらには、エンジンサウンドを調律したインダクションサウンドエンハンサーも新しいところだ。

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 走り出してまず感じるのは、レカロ社製セミバケットシートのホールド性の良さである。標準のネットシートにも決して不満があったわけではないが、乗り較べるとその差は歴然だ。背骨のまわりに盛り上がる背筋のあたりを的確につまんでくれているようで、ハードなコーナリングに挑んでも、ドライビング姿勢が乱れないのである。マシンのヨーゲインが体全体に伝わってくる感覚が強いのだ。

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 コーナリング姿勢もあきらかに変化している。ビルシュタインのダンパーは、Sスペシャルパッケージと比較して減衰力が引き上げられている。特にフロントは、ピストンスピード全域に渡って高剛性になり、高速度域での安定感に違いがある。

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 そもそも、微低速から減衰力が立ち上がる感覚が強い。ダンバー径は40πから50πに太くなっている。ステアリングを切り込んだ直後、ロールが始まるその瞬間からダンパーが減衰力を発揮する。微小舵角からノーズが反応するのだ。より切れ味が増したのである。

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 スプリングもスタビライザーも、Sスペシャルパッケージとの違いはない。つまり、足回りに関してはダンパーの仕様だけが異なるのだが、過渡領域が穏やかになったことで、絶対的なロール量も減ったように感じるのだ。もし仮に、ロードスターの味のひとつだった例のヒラヒラ感が鼻につくというドライバーがいたとしたら、このRSはその期待に応えてくれる。

MAZDA ROADSTER RS
 サウンドチューニングは、ごく控えめな変化である。乗り較べて初めてわかる違いなのだが、たしかにサウンドエンハンサーが装着されると、コクピットに爽快なサウンドが響いていることがわかる。エンジンから直接圧力を取り出し、音圧を直接コクピットに導いているのだ。腹に響くような豪快なサウンドではなく、高回転まで回したときに、爽快に抜けるような音質だった。エンジン回転を無闇に回したくなった。

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 ところで、こうなるとRSが豪華仕様でSが廉価版かと誤解されそうだが、どっちが上でとっちが下だと考えるのは間違いである。Sはたしかに安価であるし、たとえばリアのスタビライザーも装備されていない。だが、前後左右にロールを入れ替えてコーナーを舞う姿はいかにもロードスターらしく好感がもてる。限界ギリギリの領域では線が細いのかもしれないが、マシンと格闘し,コーナーに挑むリアリティが充満している。これはこれで楽しいのだ。

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 一方のRSは、そのヒラヒラ感や高速域の危うさのようなものを丁寧に取り除いた印象であり、たしかに安定感は高い。質感は明らかに高い。これはこれでもうひとつのロードスターの顔なのである。

<番外編:第26回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース参戦>
26th MAZDA MEDIA 4HOURS ENDURANCE RACE
「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」に実は僕、初開催の時に出場している。つまり、26年前のこと。あれからマシンは4台目に進化しつつ、徐々にルールにも手が加えられ、とても高度な戦略性が求められるレースになった。ちょっと大袈裟にいえば、今もっとも高い人気を誇るスーパーGTシリーズよりも、頭脳を使うイベントになったと思える。

26th MAZDA MEDIA 4HOURS ENDURANCE RACE 26th MAZDA MEDIA 4HOURS ENDURANCE RACE
 燃料70リッターで4時間を走破するには、ただ速く走るだけでなく、緻密な燃費コントロールとレースの読みが必要だ。これが距離レースだったら、完走するための燃費を計画することができるが、時間レースであるため、最後の最後になってみないと距離がわからない。つまり、どんな燃費だったらゴールに辿り着けるかがわからないのだ。というように、頭脳勝負の要素も含んでいるのである。

26th MAZDA MEDIA 4HOURS ENDURANCE RACE 26th MAZDA MEDIA 4HOURS ENDURANCE RACE
 とはいうものの、雰囲気はプロのレースとはまったく異なり、和気あいあいの空気が漂うのが特徴だ。助っ人気分でお誘いを受ける身には、その重責に戸惑うこともあるものの、勝っても負けても笑顔で帰ることが大切なのは言うまでもない。
 結果?
 終ってみたら、みんな笑顔でした!
26th MAZDA MEDIA 4HOURS ENDURANCE RACE
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■マツダ 公式サイト
http://www.mazda.co.jp