【レポート】故ポール・ウォーカーの父がポルシェを提訴
映画『ワイルド・スピード』シリーズで主役の1人を演じた俳優、ポール・ウォーカー氏の死亡事故について、ポルシェに対しまた新たな不法死亡訴訟が起こされたという。米紙『USA Today』の報道によると、今回の訴えを起こしたのはポール・ウォーカー氏の遺言執行者である父親のポール・ウォーカー3世。同氏は、ポルシェのクルマに十分な安全装備が搭載されていれば、息子であるポール・ウォーカー4世の命は助かった可能性があると訴えているようだ。

ポール・ウォーカー氏の死亡事故が起きたのは約2年前。ウォーカー氏が、彼とレースショップを共同経営していたロジャー・ロダス氏と共に、2005年型のポルシェ「カレラGT」で米国カリフォルニア州サンタクラリータ市のヘラクレス通りを走行していた時のことだ。運転していたロダス氏がポルシェのコントロールを失い、街灯と2本の街路樹に激突。その後クルマが炎上し、ロダス氏と助手席にいたウォーカー氏は死亡した。事故後の調査で、事故原因は危険な速度による走行であると結論づけられたものの、悲しみにくれる遺族は数々の訴訟を起こしており、そのうちの何件かはポルシェに対する訴えとなっている。

これまでにもポール・ウォーカー氏の父親は、ロダス氏の家族に対し、推定価値180万ドル(約2億2,000万円)相当のクルマのコレクションは息子に所有権があるものとして訴えを起こしている。一方でロダスの妻も、ポルシェに対して不法死亡訴訟を提起。また、ウォーカー氏の17歳の娘で遺産相続人であるメドウ・ウォーカー氏も今年の9月、やはりポルシェに対して同じく不法死亡訴訟を起こした。北米ポルシェの広報担当であるカルヴァン・キム氏はこの件に関し、「以前も申し上げたとおり、我々はポルシェのクルマで誰かが傷つけば、その度に大きな悲しみを感じます。しかし我々は、今回の悲劇的な事故が明らかに無謀運転と速度超過によって引き起こされたものであるという警察の発表を信頼します」との書面を米国版Autoblogに寄せている。

ウォーカー氏の父親は今回の訴訟で、カレラGTにスタビリティ・コントロールやドア内部の補強材、衝突時に車両が炎上するのを防ぐ燃料遮断システムが装備されていれば、息子の命は救えたはずだと主張している。『USA Today』紙によると、11月に行われた裁判でポルシェは、ウォーカー氏が乗車していたカレラGTは改造されており、メンテナンスも適切ではなかったとし、そうした要因が2人の命を奪う事故につながった可能性があると裁判で述べたという。

ポール・ウォーカー氏は、テレビ俳優としてデビューしたのち、『バーシティ・ブルース』、『ザ・スカルズ/髑髏(ドクロ)の誓い』、『父親たちの星条旗』などの映画に出演。しかし、最も記憶に残る作品はやはり、『ワイルド・スピード』シリーズだろう。同映画の最新作は彼の死後、実の弟の出演やコンピュータ・アニメーションを駆使して完成している。事故当時、ウォーカー氏はまだ40歳だった。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー