LANDROVER DISCOVERY SPORT
ぶっちゃけちょっとチャラすぎるんじゃないですか、と最近はやや思っている私なのだが、あんまり大きな声でそういうこと言うと物陰から襲われたりしそうなので、こうしてひっそりと原稿にしたためることにする。
言いたいのは、昨今のSUVに関して、だ。
世界的にSUVがトレンドであることは、コレをラインナップに持たないメーカーはアホかという勢いで(暴言ごめんあそばせ!)各社が争うようにニューモデルを投入しまくっている事実から推し量ることができるとおもう。
おかげで昨今のSUVはやや軟弱なものが増えた。
いや、軟弱って言うと語弊があるかな、ウチのお父さん世代で言うところのいわゆる"ヨンク"っぽくない風貌のものが、かなり増殖したのだ。
大概のユーザーがSUVとのほとんどの時間を都市部で過ごし、スタイリッシュなルックスに惹かれてSUVを求めることに配慮して、守備範囲をオンロード走行方向に振ったモデルが今や多く存在するのはご存知の通りだ。

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そうなると天の邪鬼なもので、しゅっとした都会風SUVよりワイルドさを兼ね備えたクルマが気になり始めるのは私だけではあるまい。
エグ○イルなんかの世慣れて遊び慣れた感じにトキメいたときもあったけど、時代は断然ラグビーの五郎丸よね、なんてのに近い。いやんなんか彼ってばワイルドかっこいい!なのである。
しかも五郎丸はただワイルドなだけじゃない。今やラグビーの本場オーストラリアからラブコールがかかる超エリート選手。そこはかとないスマートさも兼ね備えているのである(熱意を伝えるために五郎丸歩選手の敬称を省かせていただきました、御本人及び関係者の皆様ごめんなさい)。
そしてコレこそが一番大事なポイントで、野獣なだけではだめ、インテリジェンスは絶対条件なのだ。

DISCOVERY SPORT
というわけでですよ、何が言いたいかもうそろそろ読者諸兄もお気づきかとはおもうのだけど、ここらで五郎丸......じゃなくてディスカバリー・スポーツはいかがでしょうね、と思うわけだ。

本気オフローダーを伝統的にラインナップするランドローバー全体のラインナップとデザインをちょっと見渡してみると、むしろディスカバリー・スポーツはコンパクトなボディを誇る若々しいモデルである。それだけに街乗り系SUVを完全に脱却するほどにはアウトドア好きなわけじゃないけど、でもここらでちょっとシックさも欲しいと思っているヤング・エグゼクティブ層には、このサイズ(ガチに競合するのはBMW X3アウディQ5となる)とデザインが、ドンピシャ響きそうな予感だ。

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直線を多用し、ややシャープなイメージを醸し出しつつも、効果的にメタリックなパーツを散りばめて華を演出しているエクステリアは、いかにもランドローバーらしい手法でデザインされている。凛とした佇まいはほかには類を見ない上品さを匂い立たせていて、それこそがランドローバーの魅力でもある。

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そう、どのモデルにも共通しているんだけど、ハードな悪路走破性を叶えながらもどこか英国紳士が正装で乗馬を楽しむのにも似て、乗る人の背筋をピンと伸ばさせる空気感を漂わせ、ゴージャスなのにチャラくない絶妙の乾いた上品さを持つ。味付けが正統派なんである。

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いや、むしろその世界観を語るなら、外観はもとより内装にこそ現れていると言ってもいいかもしれない。
リッチなレザーが至る所に張り巡らされた室内は、直線を多用した実直なつくり。いかにも英国車らしいキリっと冴え渡ったクリーンさが光る。

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ちなみに個人的にはランドローバーの白系レザーカラーのバリエーションが本当に大好きだ。
他メーカーでもここまで明るい色の内装の幅を持たせているのは希有なのだが、アイボリー、グレー、ベージュ、どれをとっても美しい。是非明るい色の内装をオススメしたい。

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シフトは最近のジャガーと共通の円いダイヤル式で、スターターボタンを押したら回りながらせりあがってくる仕組み。ドラマチックで至極都会的だ。

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ちなみに今回は夜の試乗も叶ったのだが、間接照明であちこちがぼうっと照らし出されるさまはまるでホテルのようだし、試乗が叶った最上級グレードにはメリディアン製17スピーカーのサラウンド・サウンドシステムが標準装備されるのもステキ。これにオプションとなるリアシート・エンタテイメント・システムを選べばフロントシートのヘッドレスト裏にそれぞれディスプレイが配されるのだ。
手法自体はどこぞのヤン車にもみられるリアエンタテイメント画面なのだけど、同じようでぜんっぜん違うのはどうしたことだろう。不思議。

もちろん、洗練はルックスだけじゃない。

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ドライバーズシートに乗り込んで感じたのは、ボディサイズを不安に思わせない見切りの良さだ。
高いドライビングポジションからボンネットが見渡し良く配置されていて、コインパーキングですら取り回しに焦らない。小さなRのコーナーなどを曲がるときなどにも小回りの良さを感じたが、これは競合となるX3やQ5、またボルボのXC60よりも随分リアのオーバーハングが短くデザインされていることも起因していると思われる。
その辺やっぱりオフロード車を長年作り続けてきたメーカーなのだ。結果、オフローダーには欠かせない抜群のデパーチャー・アングルをも確保している。

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プラットフォームはイヴォークと共用していて、かつ全体の半分に新しい部品を採用して大幅に改良させた進化版だという。
そう聞いてイヴォークをさらにギンギンに研ぎすませたようなフィールを想像して乗ったら、意外にもちゃんとオフロードテイストに仕上げられていた。

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搭載されるのは2,0リッターのガソリンターボエンジンで、最高出力240ps、最大トルク340Nm。それに9速ATを組み合わせる。
四輪駆動はアクティブオンデマンド式で、普段はFF、走行状況によってトルク配分をリアルタイムに配分する。

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実は、エンジンそのものは非常に元気がいい。不用意に踏み込んだらホイールスピンしちゃうくらいにぶわっとトルクが生まれ、すぐにターボがドンと背中を押すような過激なものなのだけど、きっと誰もがそういう乗り方を選ばないと思う。オーナーのほとんどはほんの少しアクセルペダルに足を乗っけるだけですっと速度に乗るスマートさを楽しむんだろうし、実際街乗りではそれで十二分だ。

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その余裕は、たとえばオンロードなら高速道路の合流とか、勾配のきついワインディングにとっておけばいい。1,750rpmという低いところから生まれるトルクがモタモタするような挙動を許さないはずだ。
この独特にユルい性格を持つフィールを決定付けているのは9速のトランスミッション。通常2速発進が基本の走り出しはまさにゆるっとしている。ローギアでは引っ張り気味の、まったりと変速ショックを感じさせる味付けになっているのだ。慣れは必要だが、最初っから派手な踏み込みさえしなければモッタリ感に振り回されるようなことはない。自然にクルマに合わせてふんわりと踏むようになるはずだ。
ステアリングもややルーズなオフローダー風味。一般道で切り遅れるようなものではないから安心して欲しいのだけど、これも血眼でコーナーに斬り込むような味付けとは縁遠いもの。で、それこそが狙いである。

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こんなに都会的なディスカバリー・スポーツだが、やはりその神髄は走破性の高さなのだ。「もはや走れない道はない」と豪語するほどのその内容は、上位モデルをも脅かすほどの盛りだくさん。
渡河水深限界は600mmもの深度をかなえ、さらにその深度をセンシングするウェイドセンシングという機能も搭載されたし、オプションであるアクティブ・ドライブラインシステムは300ミリ秒以内に前輪駆動から四輪駆動への切り替えを行うというスゴイもの。また車両の動きを一秒間に500回モニターして減衰力を一秒間に50回調整するマグネライドも用意される。

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テレインレスポンスというシステムはエンジン、変速機、センターデフなどを統合的にオフロードのために制御するシステムで、これを含む書ききれないほどの技術が、オフロードという道無き道のために用意されていることこそが、ランドローバーを敢えて選びたい、最大の理由になるだろう。

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これを最大限のラグジュアリーで包んで、汗臭くなく仕上げているところがやっぱり、英国風なんである。

■ランド ローバー 公式サイト
http://www.landrover.co.jp/index.html