メルセデスAMGのCEO、「近い将来にハイパーカーを作ることはない」と発言
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メルセデス・ベンツの高性能車部門であるメルセデスAMGのCEO、トビアス・メールス氏は水を一口飲むと、記者の質問に対する答えをじっくりと探していた。誘導的であったその質問は、AMGがこの先、ポルシェ「918スパイダー」フェラーリ「ラ フェラーリ」などに対抗するハイパーカーを作るつもりはあるのか、という内容だった。

そして、メールス氏の答えは「今すぐにはない」という短い一言だった。

LAオートショーの会場で行われた米国版Autoblogのインタビューに対し、「残念だが、ハイパーカーを作るべきだとしても、現在はそれを開発する余裕がない。近い将来にそれができる見込みはない」と同氏は答えた。

これまでAMGは、世界経済の回復や主要市場である米国、中国、そして欧州諸国における高性能なクルマへの強い需要をうまく利用し成長してきた。現在の従業員数は1,400人だが、メールス氏が同社に勤め始めた1994年当時は120人だったことを思うと、これは驚くべき飛躍だろう。

また同社は今週、高い需要に応えるため、V型12気筒エンジンの増産計画を発表。その生産場所をAMG本社のアファルターバッハから、ダイムラーの工場であるマンハイムへと移すことで、AMGはアファルターバッハでより多くのV8エンジンを生産できるようになる。

しかし、会社の成長にも関わらずメールス氏は、同社がより優先するべきことはハイパーカーの開発ではなく、既存モデルの高性能バージョンを投入していくことだと語る。実際、LAオートショーでは「SL63 AMG」や「SL65 AMG」が発表されている。また同氏は「メルセデスAMG GTシリーズ(写真)のバリエーションを増やしていく」と語りつつ、「現在は次期型Eクラスの開発に忙しい。これは今までのEクラスよりも、ドライビング・ダイナミクスに関して最も大きく進化したものになるだろう」と述べた。

さらにメール氏は、歴史的に見て純利益よりもブランドの確立のために作られてきたスーパーカーは、AMGにとって経済的な合理性に欠くとし、「今のところ、我々はその段階にいない。ハイパーカーは常に採算が取れないものだと思う」と語った。

AMGのスーパーカーは、自動車業界が好む噂話の1つであり、メールス氏自身も顧客がこれに強い興味を示していることを十分認識している。「最近まで私は、AMGがハイパーカー、つまり超高性能スーパー・スポーツカーの市場に受け入れられ、期待されているとは考えていなかった。主要市場における様々な顧客との対話は新たな見方を教えてくれる」と同氏は述べている。


By Greg Migliore
翻訳:日本映像翻訳アカデミー