【本日の質問】テスラのシャシーに特製ボディをコーチビルドするとしたら、どんなクルマに仕上げる?
自動車産業黎明期の高級車には、ボディが備わっていないものも多かった。当時はイスパノ・スイザやイソッタ・フラスキーニ、パッカードなどの自動車メーカーからシャシーと駆動系を購入し、シャプロンやベルトーネといったコーチビルダーに依頼して自分好みのボディをカスタムメイドしていたのだ。クルマの構造が複雑になるにつれ、そんなことは難しくなってしまったが、バッテリーが敷き詰められたスケートボード風の平坦なシャシーを持つテスラ「モデルS」なら、コーチビルダーが腕を振るった往時に憧れる21世紀の自動車好きの期待に応えられるかもしれない。もしテスラが、シャシーとそれに付随するパワーユニット、ドライバー用ディスプレイなどのハードウェアを提供するとしたら、あなたならどんなボディを架装したいと思うだろうか。しばらく私と一緒に空想を楽しんでみて欲しい。



ドットコム・ブーム期に、筆者が倒産に追い込まれた雇用主たちから購入した、もはや紙くず同然の自社株が、100兆ジンバブエドル紙幣並みの価値ではなく、それなりの株価に上がっていたとしたら、私は間違いなく、フィルム・ノワールの名作映画『サンセット大通り』の劇中で大女優ノーマ・デスモンドが所有していた、カスターニャが手掛けたランドーレットの傑作、1929年式イソッタ・フラスキーニ「ティーポ8A」のようなボディを、テスラ「モデルS P85D」のシャシーに載せるようコーチビルダーに依頼するだろう。映画に登場するクルマと同じ繊細なボディーワークに、チーターの毛皮で覆われた内装、純金製のダイヤル式電話を装備し、エリッヒ・フォン・シュトロハイム似の運転手を雇おう。

テスラのスケートボード風シャシーに特製ボディをコーチビルドするなら、どんなクルマに仕上げる?

もちろん、モンスター級の速さを誇るP85Dのシャシーが持つ魅力は、旧ソ連のスポーツカー、1954年式「ZIS-112」のレプリカを載せても似合うはずだ。第2スターリン記念工場で製造されていたものを少しグレードアップして、最高級の毛皮ロシアンセーブルの内装を合わせるのはどうだろう。

このように、テスラがコーチビルドに適したシャシーとハードウェアを販売するとしたら、最先端の電気自動車の性能を備えた、レトロな一流のコーチビルドカーも夢ではない。あとは、しかるべき公的機関で合法のナンバープレートを取得すれば完璧だ。さて、皆さんなら、どんなクルマに仕上げるだろうか...?


By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー