LEXUS IS350 F SPORT
 レクサスの最新技術が注がれた、いわば新生レクサスの狼煙である。
 新型レクサスISはこれで3代目となる。初代はトヨタ・アルテッツァの名を変えて北米で発売、二代目こそ専用モデルになったものの、トヨタの技術がベースにあった。そして三代目は、新たにレクサス"専用"の技術をあますことなく投入したのである。

LEXUS IS350 F SPORT LEXUS IS350 F SPORT
<3.5リッターV型6気筒DOHC>
LEXUS IS200t F SPORT LEXUS IS200t F SPORT
<2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ>

 基本骨格は、Dセグメントとなる正統派ボディ。駆動方式はFRだ。選択できるエンジンは贅沢に4種類。3.5リッターV型6気筒と2.5リッターV型6気筒のNAエンジンがあり、2.5リッター直列4気筒ハイブリットと2リッターターボが用意されている。

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 特に力を入れたのは、ボディ剛性を高めるための溶接技術である。より細かいピッチで溶接する「レーザースクリューウエルディング」にトライし、さらには接着剤を多用するなどで剛性を高めたのである。
 一言でいえば、鉄板と鉄板を強い力で、間隔を狭めて結合する。ボディ剛性を高めるための、およそ想像できる技術に過ぎない。だが、言葉でいうほど簡単ではない。生産性に関する数々の障害があるのだ。
 溶接ピッチを細かくするには、時間がかかる。コストアップにつながる。接着剤を多用するのも、たとえば工場の床がベタベタになって作業性が落ちる、といった笑うに笑えない問題を抱えるのだ。
 それを覚悟で、あるいは対策がなされたことで、新技術を投入することができた。驚くほどのボディ剛性を手に入れるために、影になる生産性の核心が秘められているのだ。

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 さらにいえば、開発陣の歯ぎしりしたくなるような屈辱が根底にあった。なにかと比較されるメルセデスやBMWや、あるいはアウディといったドイツ御三家よりも、ボディ剛性が劣っていると酷評されつづけた歴史がある。それに対する回答が、これらの技術改革だったのだ。エンジニア達の意地と執念が、レクサスISのボディを世界レベルに引き上げたといえる。

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 実際にドライブして見ると、骨格の頼もしさを意識することができる。まず、乗り心地が驚くほどいい。フロアがブルブルと震えることなく、ボディそのものが不快な振動を逃がしてくれていることがわかる。路面の突き上げも、巧みにいなす。

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 もちろんハンドリングも正確だ。サスペンションの動きが設計値どおりに作用するから、不快な応答遅れがない。ステアリングを切り込んだら切り込んだ分だけ正しく、挙動に置き換わるのだ。
 人間でいえば体幹を鍛え上げたのと等しい。優秀なアスリートのような、頼もしいフットワークなのである。それでいて、重厚感もある。まさにプレミアムモデルに相応しいレベルに達した。ドイツ御三家を越えたと思う。

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 試乗車に選んだ「350Fスポーツ」は、最高出力318ps/6400rpm、最大トルク38.7kgf-m/4800rpmを発揮する。

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 組み合わされるミッションは8速ATということもあり、途切れのない加速が身上だ。力強さだけでなく、伸びやかな印象が強いのはそのせいだろう。

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 日常では驚くほど静かなのに、ある回転とアクセル開度に達すると、サウンドジェネレーターが心地良い吸気音を響かせる。ついつい、アクセルペダルを強く踏み込み、ご機嫌なエンジンの咆哮を轟かせてしまいたくなるほどだ。パドルシフトを絶妙に絡めれば、気分はワインディングキラーである。

LEXUS IS350 F SPORT
 このところのSUVブームは飛ぶ鳥を落とす勢いである。都会は彼らに席巻されつつある。正統なセダンの肩身は狭くなりつつある。
 だが、レクサスISをドライブすると、セダンの魅力を再確認させられる。乗り心地とハンドリングのバランスは、到底背の高いSUVには得られないものなのだ。

レクサスIS、欲しくなった。


■レクサス 公式サイト
http://lexus.jp