最高予想落札価格は8億円以上! 希少なレース仕様のメルセデス・ベンツ「300SL」がオークションに登場
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12月10日にニューヨークで開催されるRMサザビーズ主催のオークション「Driven by Disruption」に出品されるガルウィングは、ただのガルウィングではない。この1955年型メルセデス・ベンツ「300SL」"ガルウイング"は、メルセデスのファクトリーによってレース用に改良された僅か4台のうちの1台で、予想落札価格は500万ドル(約6億1,500万円)から700万ドル(約8億6,000万円)になると見られている。

シャシーナンバー5500640の「W198」型300SLは、これまで公開オークションに登場した300SLの中で、最も希少なコレクター垂涎の1台だ。なぜなら、この車両はレースに参戦しただけでなく、その前年にこれを開発したメルセデスの"Sportabteilung"(スポーツ部門)が、テストに使用していたものだからである。「NSL」スペックのエンジンは、通常の300SLが搭載する直列6気筒に比べると、カムシャフトなどが改良されているという。1956年には過酷なことで知られるツール・ド・フランス(もちろん自動車レースの方)に、英国の国民的英雄であるサー・スターリング・モスが乗って出場し、アルフォンソ・デ・ポルタゴ侯爵のフェラーリ「250GT TdF」と優勝争いをしたが、惜しくもフェラーリに次ぐ2位でゴールしている。

それから何度かレースに出場した後、1966年にこの300SLはあるエンスージアストに売却され、それから40年間は同じオーナーの元にあったという。2008年にその息子(現在の所有者)に引き継がれると、3年間の月日を掛けてツール・ド・フランス時の仕様にフルレストアが施された。それが今回、オークションに出品されることになった。

オークションでは、戦後に製造されたメルセデスの中で相変わらず1番の人気なのが、ガルウィング・ドアを持つ300SLだ。米国のコレクター情報メディア『Sports Car Market』の記録によると、今まで300SLに付けられた最高落札額は、2012年初旬に米アリゾナ州スコッツデールで行われたグッディング・アンド・カンパニー社のオークションにおいて、1955年製の同型車が記録した462万ドル(現在の換算レートでは約5億7,000万円)であるという。今回の落札額はこの最高額をはるかに超える新記録となるだろう。

なお、このDriven by Disruptionオークションに出品される優れた名車は、この1台だけではない。ランボルギーニ「コンセプトS」(査定価格240万ドル、約2億9,000万円)や、1962年型のアストンマーティン「DB4GTザガート」(1,600万ドル、約19億4,000万円)、そして歴史的レーシング・ドライバーの1人、ファン・マヌエル・ファンジオが駆った1956年型フェラーリ「290MM」(同2,800万ドル、約34億円)などが並んで出品される。つまり、注目すべきオークションになること間違いなしだ。結果の報告をお楽しみに。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー