レクサスのフラッグシップSUV「LX570」のオフロード走行性能を体験!(ビデオ付)
10月24日・25日に開催された「浅間モーターフェスティバル」で、レクサスは今年から日本市場にも導入されたフラッグシップSUV「LX570」のオフロード同乗試乗を実施。ダカール・ラリー等で数々の優勝実績を持つラリー・ドライバー、三橋淳選手の助手席で、普段はきっと多くのオーナーさえ窺い知ることのない、「LX」のオフロード性能を体験させていただいた。

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今回のオフロード同乗試乗は、レクサス独自の体験型プログラム「LEXUS AMAZING EXPERIENCE」の一部として用意されたもの。国際ラリーで活躍するプロドライバーの運転で、高級SUVとして知られるレクサス LX本来のオフロード走破性を体験してもらおうという催しだ。このプログラムに申し込まれた方々は、他にも浅間牧場のオンロードで「LFA」や「RC F」の同乗走行を楽しまれた。実際にレクサスの購入を考えている人だけでなく、自分では買うのは無理だけれど一度その高級感と高性能を体験してみたい、という筆者と同様な人にもお勧めしたいプログラムだと思った。



我々の乗るLXのドライバーを務めてくださった三橋淳選手は、レクサス LXのベースとなったトヨタの「ランドクルーザー」で数々の国際ラリーに出場し、ダカール・ラリーやファラオ・ラリーで何度もクラス優勝を果たしている。

海外では既に高級SUVとして高く評価されているレクサス LX570だが、日本へは今年9月に導入されたばかり。フロント・マスクには特徴的なスピンドルグリルや三眼ヘッドライトなど、現行レクサス・ファミリーとの共通点が見られるが、そのシャシーは三橋選手が今年もダカール・ラリーの市販車部門で優勝した「ランドクルーザー 200」から強靱なラダーフレームを受け継ぐ、本格的なオフローダーとして設計されている。エンジンはトヨタ・ブランドの兄弟を凌ぐ5.7リッターV型8気筒。最高出力377ps/5,600rpmと最大トルク54.5kgm/3,200rpmを発生し、8速ATとの組み合わせで、もちろん4輪を駆動する。オフロードと一口に言っても岩場から斜面、砂地にぬかるみまで、その状況は様々だが、LX570は路面状態に合わせて駆動力やブレーキの制御を最適に切り替える「マルチテレインセレクト」を搭載。サスペンションは4輪の減衰力だけでなく、状況に応じて車高も自動制御される。





全長5,065mm × 全幅1,980mm × 全高1,910mm、車両重量2,720kg(しかも3名乗車)もある巨大なSUVを、三橋選手はまるでコンパクトなホットハッチのように振り回す。砂利道のコーナーでは一瞬逆方向にフェイントモーションを掛けて曲がり、段差が多い泥地では上下に跳ねる車体を手と足で巧みに操作し、前へ前へと推し進める。

もっとも、外から見るほど車内ではハードに感じない。その気になれば会話もできるし、エンジンや下回りから発生しているはずの騒音は、想像以上に遮断されている。車内で聞こえる最も大きな音は、記者のヘルメットがピラーに当たる音だった。振動についても同様で、オフロードの上下動よりも、三橋選手がサービスしてくれたコーナリング時の横Gの方がはるかに大きく感じらるほど。きっともう少し速度さえ落とせば、こんな荒地でも車内は「快適」とすら言えるだろう。

前後バンパーの接触にさえ気を付ければ(あるいは気にしなければ)、LXは坂道だけでなく石段さえも難なく上り下りしてしまう。これも外から見ると凄いことをやっているように見えるのだが、階段の段差による衝撃はサスペンションがすっかり吸収してしまい、車内にいると、例えば立体駐車場のような坂を登ったり降ったりしている程度にしか感じない。

三橋選手にお訊きしたところ、こんな階段の上り下りも、荒れた泥地の走行も、LXなら特別なテクニックは要らず、「誰でもできますよ」とのこと。気を付けなければならないのは、コーナーリング時に速度を出し過ぎると重心が高いため「けっこう簡単に横転する」という。こればかりは「ちょっと技を使っている」そうだ。レクサス LXの印象をお訊きすると「丈夫なクルマですね」とのお答えだった。「昨日から何度もこんな走りをさせているけれど、何ともない」と仰る。




外から見ると巨大な車体の意外な身のこなしに思わず息を呑み、車内にいるとオフロードの走破性よりもむしろその時の快適性に感心させられる。今どき珍しい大排気量自然吸気エンジンと8速ATの組み合わせは、運転しなくてもその贅沢なスムーズネスがよく分かる。また、周囲に何があるか把握し難いオフロードでは、車両の前後左右に搭載されたカメラやレーダーなどによる安全機能が、街中以上に役立ってくれるだろう。

日本でこのクルマを買う人は、こんな場所を走ることはほとんどないかもしれない。だが、例えば道路が冠水しても、崩れた土砂で道が塞がっても、LXならその向こうへ行けると思わせてくれる。しかも同乗者を怖がらせることなく。もっと言えば、LXに乗っていたからこそ命が助かったという場面もあるかもしれないという想像が頭を過ぎった。

ただし、それを享受できるのは、消費税込み1,100万円という価格が支払える、一部の限られた人のみ。JC08モード燃費も6.5km/Lと、現代のクルマとしてはあまり褒められたものではない(これでもだいぶ改善されているそうだが)。それだけ特権的なクルマといえるが、こういうものがあるからこそ経済活動は活性化するわけで、誰もが必要充分なクルマに乗れさえすればよいというものでもあるまい。日常を超えた領域でこそ超高性能を発揮する、これはある種の"スーパー・スポーツ"である。


レクサス 公式サイト:LX
https://lexus.jp/models/lx/index.html






By Hirokazu Kusakabe