レッドブル、エンジンが獲得できずF1から撤退の可能性も
F1のトップチームとして君臨し、4年連続でワールドチャンピオンに輝いたのがほんの2年前のことなのに、最近のレッドブル・レーシングは競争力の高いエンジンを確保できていない。そして今、すぐにでもエンジンを確保できなければ、レッドブルはF1から撤退しなければならない可能性も出てきた。

この事態は、2年前には無敵を誇ったレッドブルとその長年のエンジン供給パートナー、ルノーの関係が悪化したことにより起きている。F1が先シーズンの開幕前に、それまでのV8エンジンから新たなV6ターボ・ハイブリッドのパワーユニットに変更して以来、ルノーはトラブル多発により王座から転落、代わってメルセデスがその座に就いた。それからもフェラーリはメルセデスのワークス・チームを押し退けようと巻き返しを図っているが、レッドブルとルノーはそうはいかないようだ。

表彰台の中央に上れないというフラストレーションから、両社は互いに責任を擦り付け合うことになり、長年に渡りチームのテクニカルディレクターを務めているエイドリアン・ニューウェイ氏も両社の関係修復は不可能、あるいはその価値がないと思っているようだ。「残念ながら、ルノーとレッドブルの関係はかなり絶望的なものだ。修復が困難なほど悪化しており、レッドブルはエンジンの供給を受けられない」とニューウェイ氏は語っている。

そのため、レッドブルはエンジン供給に関する新たなパートナーを探さなければならなくなったのだが、今のところまだ見つかっていない。タイトル・スポンサーとエンジン・サプライヤーを、現在のインフィニティとルノーから、アストンマーティンとメルセデスに変更するという計画も公算はなくなったようだ。さらに、フォルクスワーゲンから提案されていた買収やエンジン契約の話は、同社のディーゼル車排出ガス不正問題が明るみに出た今、明らかに崩壊してしまった模様。これでレッドブルに残された道は、既存のエンジン・サプライヤーであるフェラーリかメルセデスと契約をまとめるしかないわけだが、両社とも最大のライバルの1つであるレッドブルにエンジンを供給するつもりはないらしい。

ホンダ・エンジンはと言えば、今シーズン、マクラーレンが証明したように、速さが足りないという問題がある。となると、もはやレッドブルの頼るところはない。そして、もし来シーズンまでにエンジンを供給してくれるパートナーが見つけられなかった場合、ニューウェイ氏によれば、レッドブル・チームはF1参戦を停止しなければならない可能性もある。同氏は「レッドブルは参戦チームの頭数をそろえるためだけに出場するべきではない」と語っている。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー