DAIHATSU CAST
軽自動車の変化球攻撃が止まらない。
まずは...。近年、スマッシュヒットに繋がったモデルと言えばスズキ ハスラー。二代目となったラパンもその一球と言えるのかもしれない。今となってはジムニーをオレ流、アタシ流の"スタイル"で乗りたいというファンも少なくない。ホンダも2012年からNシリーズで新たな軽ワールドを築きつつあるが、N/(スラッシュ)やS660とあの手この手で話題を盛り上げてくれている。モデルの多様化が進み、ユーザーがこだわりの一台を選びやすくなっているのは間違いない。

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ダイハツは2003年に発表したタントの登場が印象的だった。三代目となる現在も高い支持を集めるモデルであり、その実用性とカタチから結果的にあれは直球だったけれど、デザイン性を含む存在感にはダイハツならではのユニークさも魅力、と感じられる一台ではないか。それを言ったらカスタマイズ系派生車種のミラ・ジーノは販売終了後の今でも「手放せない」と言う女性が少なくないそうだ。ミラ・ココアやムーブ・コンテもスタンダート系とのコントラストを強めるモデルとして存在も大きい。1995年に登場したネイキッドは...、早かったというか変化球が強すぎたか。個人的にはココにエッセも加えておきたい。現在はWAKEが絶賛健闘中だ。またダイハツの軽ラインナップのなかではコペンの存在も大きい。

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軽自動車は実用と燃費、それに価格がとりわけクルマ選びのプライオリティの主軸になっているなか、メーカーは軽自動車枠のなかでクルマづくりに凌ぎを削っている。ダウンサイジングモデルに強い視線が注がれる近年は、走行性能の質も向上。単なる日常の移動手段として軽自動車をとらえていたとしても、走行性能も真剣に吟味して選ぶべきポイントだと思う。リッター30km/lを超える主力モデルたちの燃費競争も一段落。そういった進化/熟成が進む技術はもちろん他車にも受け継がれていくわけで、どれを選ぶかはユーザー次第。レストランでどれがおすすめですか?と聞いて、「全てです」、と言われたことはないだろうか。例えばダイハツの豊富なバリエーションもそんな感じなのだ。

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そこで新たな変化球とも言えるモデルがダイハツ「キャスト」。ユーザーが他車とは異なる個性的なモデル選びにこだわり、長く乗りつづけたいと思えるモデル開発に取り組んだという。キャストはムーブにも採用されるプラットフォームを用いてなんと3タイプもの変化球を投げ込んできたのだ。

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クロスオーバーの『ACTIVA』に都会的なテイストを取り入れた『STYLE』、そして10月末の発売を予定している『SPORT』。
社内のテクノロジーを流用できるものはそれら用いてコストを抑え、キャラクターを立てるために変化させるべきところを変える。結果、CASTのメイングレードは5月にアップデートされた最新の予防安全技術『スマートアシスト』を装備してもムーヴより3万円安い価格設定が実現している。

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注目はそのカタチ=デザインにあり。ボディの曲面の活きたボリューム感とメリハリ。マルが貴重のヘッド&テールライトが表情を豊かにしている。

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基本フォルムを3タイプ共通としながら、それぞれのテーマに合わせてグリルまわり、バンパーまわり、レンズまわり、ルーフの色(フィルム"Dラップピング"の採用で価格を抑えつつ2トーン仕上げが可能)やタイヤサイズやホイールをチェンジ。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475㎜×全高1600㎜で、クロスオーバータイプのACTIVAは30mm車高が高くなる。

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スペースにこだわれば寸法制限ギリギリ=隅々まで使い切るほうが良いが、正面から見るとCASTはわかりやすい台形フォルムをしている。ワゴンのように角々としたハコ型ではなく、ショルダーラインからルーフに向かって徐々にすぼまっている。

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一方、下方向ではショルダーラインでまるみを帯びたボリューム感をだし、以下をストンと自然に落とすようなカタチに。Aピラーとバックドアの傾斜もついている。

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結果、特に後席頭部のあたりがすぼまるデザインにより特に後席のヘッドクリアランスがわずかに狭まり若干犠牲になっている。が、後席シート位置を前方に出し、シートバックも少し立てることで居住空間を確保。大人の男性が座っても快適さを保つような配慮はされているということだ。

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インテリアの基本的な機能装備類はムーブと共通というがそれでも30%程度だという。メーターまわりやドアトリム、センターパネルのデザイン、シートなどでガラッと雰囲気を『CAST』化している。

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Aピラーの傾斜がムーヴよりもついているとはいえ、そもそも前席のヘッドクリアランスはタップリとあったのでスペースに対する違和感はまったくない。運転席からの視界も良好(小柄な女性はシート座面の高さ調整の活用をおすすめします)。左右分割可倒が可能な後席シートは240㎜のスライド付。
ラゲッジとリヤシートのスペースのやりくりもフレキシブルだ。
では、それぞれのモデルを紹介していこう。

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クロスオーバータイプの『ACTIVA』は全高1630㎜、地上高は180㎜(4WDは175㎜)に15インチの大径タイヤを装着。

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バンパーアンダーガードを前後に装着し、ブラック貴重のフロントバンパー&グリルがクロスオーバーモデルらしさを十分に感じさせてくれる。

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インテリアはブラック系のスポーティなシートを採用。外装色をドアトリムに取り入れることもでき、ポップな印象にもなりデザイン性も増すようだった。助手席の収納スペースをフタのないオープンタイプにしているのも一つの特徴。

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走行面では専用装備としてグリップサポート制御とDAC(ダウンヒルアシストコントロール)制御が4WD車に標準装備されている。グリップサポート制御はトラクションコントロール技術を使い、雪や氷、泥濘地など滑りやすい路面で空転した側のタイヤにブレーキをかけ、もう片側のタイヤに駆動力を伝えることでスリップ制御をしてくれるというもの。
またDAC制御は傾斜のキツイ滑りやすい下り坂でドライバーがブレーキ操作をせずとも自動でブレーキ制御(前進時は約4-15km/h、後退時は約4km/h)をしてくれる。特に雪道のような滑りやすい路面+傾斜ではドライバーのブレーキ操作よりも繊細かつ安定した減速が可能ということで、4WDモデルに標準装備される。

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試乗したインタークーラーターボ付エンジン搭載モデルはズッシリとしたドライブフィールが印象的だった。ハンドルの操作感もやや重く、クルマの動きにもタフな力強さが感じられる。大径タイヤを採用し4WDであったことがそれらの印象を強めていたようだ。

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エンジンのトルク(力強さ)も十分でトランスミッションにCVTを採用しているが、加減速もスムーズ。車高の高さはまったく気にならないというか、忘れる。ただ後に紹介する『STYLE』と比べると少々乗り心地が硬めで室内に聞こえてくるロードノイズも大きめだったことをお知らせしておきたい。


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車高をはじめグリル内やバンパーまわりで前出とはまったく異なるキャラを与えられた『STYLE』。"おしゃれさん"なイメージ。

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インテリアはウォーム系のベージュ&グレーのシートやトリムを採用し落ち着いた雰囲気が幅広い年齢の特に女性を意識したコーディネイトという印象あり。助手席前のインパネ収納部はフタ付きの隠す収納スペースに。これだけでもアクティブな印象の強い『ACTIVA』に対し、『STYLE』の室内がキリッと引き締まったムードになるから不思議だ。

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CASTは2モデルにはともにインタークーラーターボ付エンジンとノンターボエンジンが選べるが、今回の試乗では『STYLE』でノンターボエンジンを搭載したモデルに乗ってみた。

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アクセルを力強く踏み込んだときの力強さこそターボ付きのほうが頼もしいが、車高やタイヤサイズ、それにクルマのキャラに合わせた微妙なチューニングが異なる『ACTIVA』に対し、乗り心地や静粛性などトータルではまとまりがいい。
いや、これは『ACTIVA』のタフな世界観が走りでも体験できる一方で、『STYLE』は街中をスイスイと走る気持ち良さが与えられているという意味のまとまりの良さがいいのだ。高速移動やアップダウンの多い地形で、より欲しいトルク(力)を得るならば『STYLE』でもターボ付きエンジンを選ぶほうがハッピーではないか。

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CASTはモデルタイプのラインナップに加え多彩なバリエーションを選べる準備も整っているようだ。
10月末の『SPORT』ではコペンのハンドリングの開発が参考になり取り入れているという。
走りや安全には最新の技術を取り入れ、共用パーツやラッピング技術の採用でコストを抑えて個性を立たせる。軽自動車が日常の移動手段であっても、今はますます変化を取り入れ楽しめる時代。
変化球、ドンと恋、濃い、来い...もっと来い・・・。

■ダイハツ 公式サイト
http://www.daihatsu.co.jp/

■ダイハツ キャスト アクティバ 公式サイト
http://www.daihatsu.co.jp/lineup/cast_activa/index.htm

■ダイハツ キャスト スタイル 公式サイト
http://www.daihatsu.co.jp/lineup/cast_style/index.htm