フェラーリ、「F12ベルリネッタ」よりもさらに高性能な限定モデル「F12 TdF」を発表!
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フェラーリ「F12ベルリネッタ」の性能が物足りないとは思えないのだが、マラネロからそれをさらに引き上げた限定モデル「F12 TdF」が発表された。

この最新の跳ね馬には、伝説的な耐久レース「Tour de France」の略称が与えられた。ツール・ド・フランスと言っても、有名な自転車ロードレースではなく、自動車によるフランス1周レースのことで、実はこちらの方が歴史は古い。このレースでフェラーリは1956年から1964年まで9年連続で優勝している。エレガントなロングホイールベースの「250GT」にも同レースにおける勝利に因んで名付けられたものがあるが、F12 TdFは決して懐古主義ではなく、むしろ未来へ向かう力強さを感じさせる。パワーは向上し、車両重量は軽くなり、新しい電子制御システムが搭載されている。




F12 ベルリネッタで素晴らしいサウンドを奏でた6.3リッターV12エンジンは、最高出力が740psから780hpへ、最大トルクは70.4kgmから 71.9kgmへ向上。最大回転数は8,900rpmだが、わずか2,500rpmでこの最大トルクの80%が得られるという。

もちろん、フェラーリのことなので、エンジンをちょっといじってお終い、なんてことはない。デュアルクラッチ式7速トランスミッション「F1DCT」はギア比が6%ほどクロース・レシオ化され、シフトアップで30%、シフトダウンでは40%もシフトチェンジが速くなっているという。トレッドは前8mm、後30mm拡大され、フロント・タイヤが255/35R20から275/35R20に拡げられた。これによって限界域で発生するオーバーステアは、自動的に後輪の舵角を調整する「バーチャル・ショート・ホイールベース・システム」を新開発することで 補完。これが他の車両統合制御システムと一体化して機能することによって、誰もが性能をフルに活用してドライビングが堪能できるという。もちろん幅が拡がった前輪のお陰でターンインは鋭さが増し、高速走行時の安定性も向上しているという。ブレーキには「ラ フェラーリ」と同じワンピース構造のキャリパーを採用。制動距離も改善された。

写真からも分かるように、ボディワークも大幅に刷新されており、軽量化とエアロダイナミクス向上の両方が図られた。F12ベルリネッタと比べ、ダウンフォースは87%も増加。内外装にカーボンファイバーを使用することで車両重量は110kgも軽くなっているという。

これらの改良により、0-100km/h加速は3.1秒から2.9秒に、0-200km/h加速は8.5秒から7.9秒に短縮。さらにフェラーリ本社近くにあるフィオラーノのテストコースでは、1分21秒フラットというラップタイムを記録したという。これはF12ベルリネッタや「488 GTB」より約2秒速く、公道走行車では最速のラ フェラーリより1.1秒遅れるだけ。F12 TdFがフロント・エンジン車であることを考えると、これはとんでもないパフォーマンスだ。

しかし、残念ながらこのF12 TdFは高嶺の花となりそうだ。「求められる数より1台だけ少なく」というフェラーリの伝統に従い、たったの799台しか生産されないのだ。詳しい情報は日本語版の公式サイトをどうぞ。こちらでせめて素晴らしいエンジン音を聞いてみよう。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー