富士重工業は、10月28日に開幕する第44回東京モーターショー 2015において、スバルの将来ビジョンを具現化した「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィシヴ フューチャー コンセプト)」と、次期型「インプレッサ」のデザイン・スタディである「IMPREZA 5-DOOR CONCEPT(インプレッサ 5ドア コンセプト)」という2台のコンセプトカーを世界初公開する。

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"Vision for Innovation"(革新のための未来像)を語源とする造語「VIZIV(ヴィジヴ)」は、スバルが2013年のジュネーブ・モーターショーから発表を続けている一連のコンセプトカーに使用されている名前。その最新作となるヴィシヴ フューチャー コンセプトもこれまでと同様、フロントに水平対向エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド・システムを搭載し、さらに後輪車軸上に配置されたもう1つのモーターが後輪を駆動する。スバル伝統の「シンメトリカルAWD」(左右対称の4輪駆動システム)を継承しながら、プロペラシャフトを廃止することで、広々とした室内空間を実現したという。



エンジンは、「レヴォーグ」で初採用されたダウンサイジング直噴ターボだが、次世代型専用に全ディメンションを最適化させているとのこと(排気量は今のところ未公表)。これに「XV ハイブリッド」のシステムを全面進化させたという次世代型ハイブリッド・システムが組み合わされ、前輪を駆動する。

これまで発表されてきたVIZIVシリーズでは、車体後部に搭載された2個のモーターが左右の後輪を駆動する仕組みだったのに対し、今回のコンセプトカーはリアがシングル・モーターに改められている。前後輪の駆動力を積極的に制御するベクタリング作用によって、運動性能が向上すると説明されているが、左右の後輪を独立して制御していた当初のコンセプトに比べたら、技術的には若干のトーンダウンが否めない。あるいは市販化が近づいている兆候と見ることも出来るかもしれない。スバルによればこのシステムは、2輪駆動のハイブリッド車でもトップクラスに値する燃費性能と、スバルが拘る走りの楽しさを高い次元で両立させるという。



安全機能も現行の市販車よりさらに未来を見据えている。スバル独自のステレオカメラを用いた「アイサイト」には、全方位レーダーが組み合わされ、車両周囲の交通環境や危険リスクを全方位で把握することが可能になった。さらに高精度GPSや高精細地図データを活用して自車の位置を正確に特定することで、全方位の衝突回避だけでなく、高速道路上における全車速での自動運転や、駐車場での自動駐車を実現するそうだ。奇しくも(?)先日トヨタがデモンストレーションの様子を公開した自動運転技術に似ている気もするが、スバルでは「まず安全な状態に保つ、安全な状態に復帰する」ことで、スバルが提唱する「安心で愉しい」走りが可能になると考えているそうだ。

それを視覚的に表現しているのがデザインだ。「Dymamic(躍動感) × Solid(塊感)」という言葉で表現されたデザイン・フィロソフィーは、次世代スバル車の方向性を予感させる。それをこのクルマではクロスオーバー・スタイルに仕立てることで、「アクティブにどこかへ出掛けたくなるワクワク感」を表現したという。実際に自転車などの"アクティブ・ギア"が積みやすいように設計されたことを証明するため、スバルではこれに合わせてオリジナルの電動アシスト自転車も製作している。



もう1台のコンセプトカー、IMPREZA 5-DOOR CONCEPTでは、この"Dymamic × Solid"を、スポーティなフォルムと徹底した空力処理などの機能的価値を備えた5ドア・ハッチバックとして具現化する。名前の通り、このデザインが示唆する次期型インプレッサは、スバルの新世代モデル第1弾となるそうだ。



さらにスバルのブースには、高性能セダン「WRX S4」に、イタリアの老舗革メーカーであるMario Levi社の本革をシート表皮に採用した「WRX S4 SporVita」も出展される。「WRX S4 2.0GT-S EyeSight」をベースに、「大人のスポーツセダンに相応しい仕様」に仕立てたというこのモデルは、11月18日より限定500台が発売される予定。内装はタンとブラックの2トーンでまとめ、外装にはヘッドライトやドアミラー、モール、エンブレム、18インチ・ホイールなどにシルバーのアクセントが施される。ボディ・カラーは通常の白、グレー、黒、赤に加え、特別色「ラピスブルー・パール」を用意。消費税込み価格は391万円(サンルーフ付は399万6,000円)となっている。

ちなみに"SporVita(スポルヴィータ)"という名称は、イタリア語の「Sortiva(スポーツ)」と「Vita(人生)」を掛け合わせた造語だとか。東京モーターショーでは「レガシィ B4」にもこのSporVita仕様が参考出品される。会場で評判が良ければこちらも市販化を検討するそうだ。



そして注目のモデルはもう1台。東京モーターショーのプレスデイが始まる10月28日には、スバルのモータースポーツ活動統括子会社であるSTI(スバル テクニカ インターナショナル)が、現行型「WRX STI」をベースにチューニングを施したコンプリートカー「S207」のデビューが予定されている。詳細はまだ未発表だが、STIによる最高峰モデルの称号「S」が車名に付くということは、内外装はもちろん、シャシーからエンジンに至るまで、STIの理想を実現するための手が入れられていることは間違いない。

前回の東京モーターショーで発表されたレヴォーグや、2011年の「BRZ」のような、新型市販モデルのお披露目はないようだが、2台のコンセプトカーは今後のスバルを予見させる重要な存在。SporVitaやS207も、お好きな人にはたまらない限定車として注目されるだろう。もちろんAutoblogでも会場からリポートをお届けする予定なので、どうぞお楽しみに。



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