FCA、不正問題渦に揺れるVW車から買い替えるイタリアの顧客に最大20万円をキャッシュバック
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、上位にいるライバルのフォルクスワーゲン(VW)が起こした不正問題を利用し、競争が激烈な欧州市場で販売を増やそうとしている。イタリアでは、VW製のクルマからFCAグループの新車に買い替える顧客に対し、最大1500ユーロ(約20万円)のキャッシュバックを提供するそうだ。この販売促進策は排ガス不正問題の影響を受けた「TDI」のオーナーだけを対象にしているわけではなく、VWに対する不満を自社の利益に転じようとしているのは明らかだと、金融情報メディア『Bloomberg』は報じている。

キャッシュバックは500~1,500ユーロ(約6万7000円~20万円)と、購入する車種によって異なり、既に割引価格になっていたり、他のキャンペーン中のものであっても適用される。対象となるVW車はアウディ、シュコダ、セアトなど同社グループのクルマであればどれでもOKだ。『Bloomberg』によれば、競合車からの乗り換える顧客に購入価格の一部を還元する「征服策」は、自動車業界では常識的に行われているという。しかし、このような買い替え促進策は通常ある特定の1社のクルマを対象に行われるものではないのだが、今回のこのFCAによる策は、明らかにVW対する世間からの風評を利用している。

イタリアで、このような企みを実行したのはFCAだけではなかった。『Automotive News Europe』 の記事によれば、フォードもまた、およそ840ドル(約10万円)の奨励金を掲げ、すべてのVW車オーナーに対し、フォード車への買い替えを促しているという。この買い替え促進策がイタリア以外へ、そして他の自動車メーカーへも広がるかどうかは、まだ分からない。


By Alex Kierstein
翻訳:日本映像翻訳アカデミー