【レポート】VW前CEOのヴィンターコルン氏、VWの筆頭株主であるポルシェSEのCEOにいまだ在任
マーティン・ヴィンターコルン氏はフォルクスワーゲン(VW)ディーゼル排ガス不正問題を受けてCEOを辞任したが、VWという一大グループでの影響力をいまだに保持しているようだ。ロイターの報道によると、同氏はVWグループに関わる4つの重要なポストに現在もとどまっており、しかもその1つは、VWの筆頭株主である持ち株会社、ポルシェ オートモービルホールディングSE(ポルシェSE)のCEOであるという。

ピエヒ家とポルシェ家(ともにポルシェの創設者フェルディナント・ポルシェの子孫)が100%出資しているポルシェSEは、VWの株式を50%以上保有している。ポルシェSEは2009年にVWの過半数株式を取得したが、その後は逆にVWが自動車メーカーであるポルシェAGの株式取得に乗り出し、VWのヴィンターコルン氏はポルシェSEのCEOに就任した(2012年にはVWがポルシェを完全子会社化)。同氏はVWのCEOを辞任したものの、このポルシェSEを経営する立場からはまだ退いていないというのだ。

ヴィンターコルン氏はこれ以外にも、VWグループの3つの会社幹部の座に未だ留まっている。同氏は、アウディの監査役会長、スウェーデンのトラックメーカーであるスカニアの取締役会長、そしてスカニアとドイツ商用トラック大手マンを傘下に束ねる持ち株会社トラック&バスGmbHの監査役会長も続けている。同氏がこれらの職も辞任するかどうかやその時期については不明であり、彼の在職期間が長引くことがスキャンダルの渦中にあるVWの再出発にどのような影響を及ぼすのかも定かではない。

さらにロイターによれば、ヴィンターコルン氏がVWのCEOを辞任後、どれほどの退職金を受け取るかも分かっていないという。同氏の年金額は2,860万ユーロ(約38億7,000万円)と報じられているが、それに加えて2年分もの報酬に相当する多額の退職金も受け取る可能性があるという。なお、昨年の同氏の報酬額は1,600万ユーロ(約21億7,000万円)だったそうだ。ヴィンターコルン氏が退職金を受け取ることになるかどうかは、監査役会が同氏の辞任を本人の過失の結果とみなすか、それとも辞任に追い込まれた状況とは切り離して考えるかによって決まるとみられる。いずれにしても、同氏がお金に困ることは当分なさそうだ。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー