YAMAHA MT-25 MT-03
待望だったヤマハのネイキッドスポーツ『MT-25』『MT-03』が10月10日、いよいよ発売される。水冷パラレルツインDOHC4バルブエンジン、軽量ダイヤモンド型フレームは、すでに登場しているフルカウルモデル『YZF-R25/ABS』『YZF-R3 ABS』と共用となり、足まわりなど装備内容を含め、そのほとんどが同じだ。

YAMAHA MT-03 YAMAHA MT-25
しかし、どうだ。見た目はまるで違う。カウルを外し、シュラウドカバーを作り直し、ハンドルを交換した程度で、ここまで印象を変えてくるなんて、ヤマハのデザイナー陣は見事としか言いようがない。開発当初から、フルカウルとネイキッドの両方をリリースすることを視野に入れていたのだろう、まるで別モデルだ。

YAMAHA MT-25 YAMAHA MT-25 MT-03
凝縮感のある樹脂製タンクカバーをセットした容量14リッターの燃料タンクは、グラフィックを一新し、軽快さを表現する《クロスムーブメントデザイン》を用いたと、チーフデザイナーが説明してくれた。「跨ったときに、乗り手が左右への連続性を感じさせる形状になっていて、クイックなハンドリングを連想させます」と言う。

YAMAHA MT-25 MT-03
スタイルは"YZF シリーズ"ではなく、完全なる"MTシリーズ"だ。フロントマスクは、俊敏な走りをイメージさせる異型ヘッドライトとLEDポジションランプで、睨みを効かせた精悍なものになった。

YAMAHA MT-25 MT-03 YAMAHA MT-25 MT-03
サイドビューは、タンク下のエアダクトから空気を取り入れ、そのエアがガソリンと混合しエンジン内で爆発・排気するという内燃機がパワーを生み出す空気の流れを"Zライン"で表現。MT-09やMT-07といった兄貴分たちとイメージが重なる、MTシリーズならではのスタイルで仕上げられている。

YAMAHA MT-25 MT-03
ライディングポジションもMTの名に相応しいアップライトなもの。ハンドルはR25より39mm高く、19mm手前に引かれたことで、前傾姿勢が大幅に緩やかになり、腰や首、手首への負担は大幅に低減された。実際、長い時間乗ったが、疲れはほとんど感じなかった。

YAMAHA MT-25 YAMAHA MT-03
エンジンも充分に力強い。25より03の方が当然トルクフルだが、25も軽やかに発進でき、低中速域のトルクがしっかりあって扱いやすい。トルクバンドが広く、ギヤチェンジを怠ってもちゃんと走ってくれるから、ツーリングでノンビリ走るのにもうってつけだろう。

Related Gallery:YAMAHA MT-25 MT-03
YAMAHA MT-25 MT-03
面白いのは高回転域だ。フラットに吹け上がり、ここからが強烈というような豹変はしないのだが、ジワジワとパワーが盛り上がり、勢いづいてくるのが気持ちいい。試乗はクローズドコースでおこなったが、アクセルを開ければ開けるほどに楽しく、終始ブン回して乗った。

YAMAHA MT-25 MT-03
これぞライトウェイトスポーツの醍醐味といった具合で、走りがとにかく面白い。ハンドリングにクセがなく、軽快そのもの。41mmの大径インナーチューブを持つフロントフォークは、130mmのストローク量を持ち、狙ったラインを外さない剛性感のあるフィーリング。右に左にタイトコーナーが続くテストコースだったが、時間を忘れて夢中になってしまう。

YAMAHA MT-25 MT-03 YAMAHA MT-25 MT-03
大排気量車で、ゆとりを持って走るのももちろんいいが、レブリミッターが効くまでエンジンを使い切り、しかも乗り手は歯を食いしばるのではなく、朗らかな気分で乗れる。オートバイを操る楽しさ、スポーツライディングの楽しさを改めて感じることができる。

YAMAHA MT-25 MT-03
気になるのは、25と03のパワー感の違いだろうが、もちろん明確にある。しかし03に乗ったあと、25に乗っても物足りないということはない。03になればモアトルクが楽しめるのは当たり前だが、25でも充分にパワフルで、これはこれで良い。コーヒーで言うなら25も美味いが、03はリッチブレンドといったところか。毎日飲むコーヒーに、どちらを選ぶかは自分次第だ。

YAMAHA MT-25 MT-03 YAMAHA MT-25 MT-03
走りの気持ちよさから、細かいところを伝えるのが後回しになってしまったが、まず、足着きは申し分ない。シート高は780mmしかなく、身長175cmのテスターだと両足ベッタリ。初期荷重で車体が沈み込むから、160cm台の人でも不安を感じることはないだろう。車重は165kg、取り回しも軽い。

YAMAHA MT-25
298mm径のフローティングディスクローターと2ポットキャリパーを組み合わせたフロントブレーキにも文句はない。シングルディスクながら上々のタッチと効きで、この車体にうまくマッチしている。なお、ABSは未搭載だ。

YAMAHA MT-25 YAMAHA MT-03
躍動的なデザインとしたアルミ鋳造10本スポークキャストホイールにセットされる前後タイヤは、MT-25ではIRC製、03ではミシュランが用いられる。

YAMAHA MT-25 MT-03 YAMAHA MT-25
薄いテールセクションに貢献する視認性に優れるLEDテールライト、マス集中に貢献する2in1ショートマフラーなどもR25/R3から受け継いだものだが、この個性的な車体の中では、流用であることなどまったく感じさせない。

YAMAHA MT-25 MT-03 YAMAHA MT-25 MT-03
左右別体のアルミダイキャスト製アシストグリップは専用に新開発されたもので、握り易さや質感を徹底追求し、ラバーマウントとしたことでパッセンジャーの疲労を抑える。凝縮感あるボディを強調するのに貢献しているのも一目瞭然だろう。

YAMAHA MT-25 MT-03
マルチファンクションメーターは見やすく、スポーティなもの。左にアナログ式タコメーター、右に速度を表示する液晶ディスプレイを備え、さらに中央上にはシフトタイミングインジケーターを配置した。

YAMAHA MT-25 MT-03
低振動に貢献するアルミ製鍛造ピストン、高精度で作動する直押し式の吸排気バルブ、オフセットシリンダーといった最新テクノロジーを採用したエンジンは、専用のアンダーカウルで守られる。

YAMAHA MT-25 MT-03 YAMAHA MT-25 MT-03
MT-25とMT-03、この2台を外観上で見分けるにはグラフィックにある数字、あるいはナンバープレートを確認することぐらいだが、じつはヒールガードにも違いがある。MT-25にのみ、ホールが入るのだ。

YAMAHA MT-25 MT-03
マットシルバー、ブラック、レッドの車体色も両モデルで共通。価格はMT-25が52万3800円、03が55万6200円となっている。

■ヤマハ発動機 公式サイト
http://www.yamaha-motor.co.jp