【ビデオ】問題のディーゼル・エンジンを搭載するVW「ジェッタ」、"排ガス規制逃れモード"にすると馬力がダウン
現在、排ガス不正問題で揺れているフォルクスワーゲン(VW)は、米国や諸国の排ガス規制に対応していないディーゼル・エンジン車の改修に取り組んでいる。今月にも同社のエンジニアが内々で解決策を提示するとされていたが、実際には予定どおりに発表されるとは限らない。この改修に対する最大の疑問は、クルマのパフォーマンスに影響が出るのかということだ。この質問は、もう1つの疑問であるエンジンにも関係している。それは、VWの2.0リッター「TDI」ディーゼル・エンジンが米国の排ガス規制を満たすように修正されたら、パフォーマンスがどれだけ低下するのかということだ。

自動車関連のニュースを紹介する『The Fast Lane Car』のYouTubeチャンネルは、その答えを得るために米コロラド州デンバーにあるチューニング・ショップにて、TDIエンジンと6速DSG(デュアルクラッチ式トランスミッション)を搭載する2011年型「ジェッタ」を4輪駆動用のシャシーダイナモ・メーターで実験することにした。4輪全てを回転させ、制御システムに通常の道路走行時だと認識させた場合の数値と、2輪のみを回転させ、試験中と認識させた(つまり不正モードが作動すると思われる)場合の数値を測定した。

実験に使用された2011年型ジェッタは、新車時の最高出力が140hp、最高トルクは32.6kgmと発表されているが、4輪すべてを回転させた際の計測結果は最高出力114hp、最高トルク29.5kgmとなった。一方、2輪のみを回転させると、最高出力113hp、最高トルク25.9kgmに落ち込んだ。ただし、より低い回転域で比較してみると最大差はさらに著しく、2,800rpm付近では出力が15hp、2,700rpm付近でトルクには4.4kgmほどの差が見られたという。

とはいえ、今回使用したシャシーダイナモメーターや実験方法は、実際にアメリカ環境保護庁(EPA)が測定に使用している装置や方法とは異なるため、これらの数値はあくまでも参考程度にしていただきたい。チューニング・ショップが行った"排ガス規制逃れモード"とは、前輪のみを使用した2輪駆動での走行だけだったが、現在論争中のVWが使用していたソフトウェアは、これよりもはるかに高度なものだったと思われる。と言うのも、国際クリーン交通委員会(ICCT)やウエストバージニア大学、EPA、カリフォルニア州大気資源局(CARB)などが一年以上にわたり調査していたのにも関わらず、原因を突き止めることができなかったからだ。また、チューニング・ショップの技術者が、馬力とトルクを海抜に左右されず正確に測定するために補正率1.2を適用させると、2つの実験で出た最終的な出力の違いにはさらに大きな開きが出ることとなった。

『The Fast Lane Car』のアンドリュー・プライス氏によれば、低回転域ではおそらく10.5%程度のパワーダウンになるのではないかとのことだ。果たしてVWは、排ガスの是正とパワーの公称値を、どのような方法で両立させるつもりなのだろうか...?




By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー