ジャガー・ランドローバーはディーゼルの推進を継続
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フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス不正問題が波紋を広げる中、ジャガーランドローバー(JLR)は強気の姿勢を取っている。ジャガーのスポーツカー「Fタイプ」を除き、来年には両ブランドによるラインナップの全モデルにディーゼル・エンジン搭載バージョンを加えるという計画を推し進めているのだ。ランドローバーは今年9月、米国で3.0リッターV6ターボディーゼル・エンジンを積む「レンジローバー」と「レンジローバー・スポーツ」を発売し、同月だけで330台以上を売り上げたという。

JLRの公式発表では、今のところVWの問題は売上に影響していないとし、同社のディーゼル車は米国環境保護庁(EPA)の基準を満たしていると断言している。ジャガー・ランドローバー・ノースアメリカのジョー・エバーハルトCEOは先週、デトロイトで米自動車プレス協会(The Automotive Press Association)に対し、「(ディーゼルは)我々の戦略であり、変更する予定はない。目の前で起こる状況を避けて通ることはできないが、我々は自社のディーゼル技術に自信を持っている」と語った。

ジャガーは、来年から新型エンジン「INGENIUM(インジニウム)」シリーズの新たなディーゼルを加える予定だ。最初はスポーツサルーン「XE」とクロスオーバー「F-PACE」に、最高出力180ps、最大トルク43.8kgmの2.0リッター4気筒ディーゼル・ターボが搭載される。JLRのスポークスマンによると、EPAによるINGENIUMの試験はまだ完了しておらず、ディーゼル搭載モデルの米国発売は来秋になるだろうとのこと。ジャガーの計画では、さらにフラッグシップモデルの「XJ」とスポーツサルーン「XF」にもディーゼル・エンジンを搭載することになっている。ランドローバーは、「ディスカバリー」と「レンジローバー・イヴォーク」にディーゼルを用意する。車種によって差はあるものの、メーカーではディーゼル・エンジンの導入によって、燃費が20~30%ほど向上すると見込んでいるという。

エバーハルトCEOは、VWのスキャンダルがディーゼル車の市場を後退させる可能性については「判断するのはまだ早い」とコメントした。これは、VWがディーゼル車の排出ガス試験で実際よりも窒素酸化物の数値が低く検出されるよう細工していたという問題で、糾弾を受け、長らく代表を務めていたマルティン・ウィンターコルンは辞任。世界的に違法性を問われている同社は、組織の再編成を余儀なくされている状態だ。

このような状況下でも、JLRは"自信のあるディーゼル"で、グローバル・セールスの拡大を狙うようだ。ランドローバーは印タタ・モーターズ傘下となってから急速な成長を遂げているし、ジャガーは市場を拡大すべく新たなXEやF-PACEでラインナップの活性化を図っている。果たして狙い通りの結果がついてくるのか、今後を見守りたい。


By Greg Migliore
翻訳:日本映像翻訳アカデミー