欧州メーカー各社が採用するNEDCの燃費は、実際より平均40%も誇張されていたことが判明
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排ガスや燃費の数値偽装で揺れる欧州の自動車業界だが、どうやらこれはフォルクスワーゲンだけの問題ではないようだ。海の向こうでは、メーカー各社が同じようにやっていたことが明らかになってきた。欧州メーカーが公表する燃費と排ガスの検査値は、現実の路上走行時の数値に比べて、平均で約40%誇張されていることが分かった。米金融情報サービス『ブルームバーグ』によると、この衝撃的な数値はブリュッセルに拠点を置く環境団体、トランスポート・アンド・エンバイロメント(T&E)の報告書で明らかにされたもの。そう、40%もだ。

最もその差が大きかったのはメルセデス・ベンツだ。国際クリーン交通委員会(ICCT)のデータを参照してまとめられた前述の報告書によると、ダイムラーの各車種は平均で48%も燃費が誇張されていたという。米国でもこのメーカーのクルマは決して低燃費というわけではなく、実際、メルセデス・ベンツ「G63 AMG」と「G550」の2モデルが、米国エネルギー効率経済協議会(ACEEE)の2015年度の調査で環境にとって「最悪」なクルマのリストに入っている。

メルセデス・ベンツは、Autoblog 米国版に対してEメールで声明を送付しており、その中で「メーカー各社から提供されたNEDCテストサイクルに基づく燃費の情報は、規則にのっとり研究所で測定されたものだ。実際の路上環境は、通常研究所での環境とは異なっているため、燃費の数値も基準値とは差が出ることもある。T&Eは調査時の環境については残念ながら公表していないため、調査結果を精査することはできない」としている。さらに、「調査に用いられたデータ群も、科学的評価には適さないものだ。メルセデス・ベンツとしては、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の導入を明確に支持している。これはNEDCに替わる環境基準で、評価時の燃費と実際の燃費の差を近づけるためのものだ。我々は自動車業界(欧州自動車工業会)と当局の対話を積極的に支持し、アメリカの環境保護庁(EPA)やカリフォルニア州大気資源局(ARB)と定期的に連絡を取っていきたい」と述べている。

ICCTは渦中のVW排ガス不正問題で調査の推進をサポートしてきた団体なので、今年はVWからクリスマスカードは送られてこないだろう。今回の最新調査は、約60万台をテストして得られたデータで構成されている。この調査は欧州に重苦しい空気を送りこんだに違いない。BMW「5シリーズ」や、プジョー「308」のテストでも、公表値と現実の燃費では50%ほど違いがあったという。


By Danny King
翻訳:日本映像翻訳アカデミー