フォルクスワーゲンのレッドブルF1チーム買収は白紙に?
フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題は、業界全般にわたって幅広く、この先何年にも及ぶ長期的な影響を及ぼしそうだ。その中には、最近話題に上ったばかりのF1も含まれる。

現在、VWは傘下のブランドも含め、F1に参戦していないが、例のスキャンダルが明るみに出る前には、その計画が検討されていたようだ。

先週お伝えしたとおり、VWはレッドブル・レーシングチームの買収を検討し、両社は合意寸前だったと言われている。この買収には、VWが新しいパワーユニット(ターボエンジンとエネルギー回生システムを組み合わせたものを、現在のF1ではそう呼ぶ)を開発することと、F1選手権で何度も優勝したレーシング・チームを現在所有する飲料メーカーから買い取り、レッドブルは一般的なチームのメイン・スポンサーに移行するという計画が含まれていたという。しかし、フォルクスワーゲン グループが傘下の数あるブランドの中からどれを選び、このプログラムを通してプロモーションしていくつもりであるのかは不明だった。

ところが、今やレッドブル・チーム代表のクリスチャン・ホーナー氏は「その話は立ち消えになったようだ」と語っているという。もっとも、だからと言ってこの話が完全にそして永久になくなったわけではない。だが、VWが現在直面しているスキャンダル、トップの交代、株価の下落に対応し、論理的な道をたどるなら、ヴォルフスブルグの取締役会には、他に集中して資金を充当すべき問題があるということなるだろう。

VWが表向きは常識的な行動を取ることによって、レッドブルは難しい状況に立たされることになる。かつてはルノーとのパートナーシップによりF1世界選手権で4連覇を成し遂げたレッドブルの勢いは、今や急下降している。昨季はシーズン3勝を挙げて、選手権2位となったものの、今季はまだ1勝も挙げておらず、先週末に行われた日本GPを終えた時点で、2008年以来最低の選手権4位という成績だ。

ホーナー代表は「今のレギュレーションでは、メルセデスフェラーリのパワーユニットを持っていなければ戦えない」と言い、「もし戦えないなら、F1に残る正当な理由を問わなければならない」と続ける。VWの買収話がとん挫すれば、レッドブルは現在のライバルからパワーユニットの供給を受ける契約を取りまとめるか、あるいはF1から撤退するほかない。


By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー