Cam-Am SPYDER F3 RT
フロント2輪+リア1輪の斬新なスタイルは、スポーツカーにも負けず劣らずの存在感。物珍しくて、人とは違う優越感、目立つのが取り柄なんだろうと、『Cam-Am SPYDER』をそんな安っぽい言葉で片付けるのは大間違いだ。このロードヴィークル、走りがエキサイティングでライディングそのものが面白い!

Cam-Am SPYDER F3
特に、ウインドシールドやラゲッジスペースを省いたスポーツバージョン『Cam-Am SPYDER F3』は強烈だ。箱根ターンパイクという関東屈指の高速ワインディングを中心にとことん乗り込んだが、胸の高鳴りが止まない。加速もコーナリングも過激と言えるほどで、乗り手は振り落とされないように心がけなければならない。

Cam-Am SPYDER F3 Cam-Am SPYDER F3
クルマの普通免許で乗れるが、走行フィールはバイクに近い。アクセルをワイドオープンするのなら、ハンドルバーをしっかり握りしめ、アンクルグリップも意識し下半身でカラダをホールドしておきたい。でなければ、ロータックス製の直列3気筒エンジンの猛ダッシュに耐えられず、仰け反ってしまうことになる。

Cam-Am SPYDER F3
スロットルレスポンスが鋭く、低回転域からトルクフルだから、必要以上にアクセルを開け閉めして加速を楽しむ。なんせ、軽4輪スポーツカーの半分以下の軽い車体に、2倍以上もある1330ccもの排気量があるパワーユニットを積んでいるのだから、そのパフォーマンスは驚異的。胸の空く猛ダッシュが味わえる。

Cam-Am SPYDER F3 Cam-Am SPYDER F3
特に4000回転を超えてからが痛快。加速とともに、独特といえる獰猛でハスキーなエキゾーストサウンドが乗り手の全身を包み込み、一種の魔法のようなものをかけられる。もっと熱く、もっと刺激を! と乗り手はアクセルを緩めることができなくなり、それはレーシングカート場で感じるような類のもので、レーシングスピリットに満ちあふれた感覚とでも言っておこうか。とにかくモータースポーツ好きならわかる、思わずニンマリしてしまうアグレシッブなものだ。

Cam-Am SPYDER F3
もちろん、公道であるから心にブレーキをかけなかればならない。レブリミッターの効く8100回転まで淀みなく回る高回転域の加速を味わいつつ高速ワインディングを駆け抜けたい、そんな危険な誘惑と戦いながらのライディングとなる。

Cam-Am SPYDER F3 Cam-Am SPYDER F3
乗ったのは、シンプルで操作性が良いから走りに集中できるセミオートマ仕様。6速トランスミッションは左手の親指でシフトアップし、人差指でシフトダウンとなるスイッチで自由自在に操作ができる。減速時のみ何もしなくてもインテリジェントシステムが機能し、自動的にシフトダウンしてくれるのもありがたい。

Cam-Am SPYDER F3 Cam-Am SPYDER F3
ハンドリングもクイック。コーナー進入前でしっかり減速し、スローイン・ファストアウトを心がければ、コーナリングで狙ったラインを外さない。アンチロールバーを備えたAアーム・フロントサスペンションと電子制御されたパワステによって、ハンドルへの入力に対しじつに敏感に、そして自然に舵角がつき、ノーズの向きを思うがままに変えられる。

Cam-Am SPYDER F3 Cam-Am SPYDER F3
ブレーキは前後連動式で、もちろんABSつき。ブレンボ製ラジアルマウント・モノブロックキャリパーが装備され、制動力・タッチともに申し分ない。ホイールサイズは前後15インチで、低重心な車体を形成している。

Cam-Am SPYDER F3 RT
速度計を左に、タコメーターを右にセットし、その中央に液晶ディスプレを埋め込んだフルスケールメーターもスポーツマインド溢れるもの。計器の針は速度計では右回り、回転計では左回りだ。

Cam-Am SPYDER F3
まるでスーパーカーのようなルックスと熱い走り。ライダーは魔法をかけられたかのように夢中でコーナーを駆け抜けるが、この"まじない"はなかなか解けるものではない。もっと攻めたい、もっと乗っていたい! と、気がつけば、箱根をとことん走り回っていた。

Related Gallery:Cam-Am SPYDER F3/RT
Cam-Am SPYDER F3 RT
ツアラー仕立ての『Cam-Am SPYDER RT』にも乗った。大柄なフェアリングが堂々たるフロントマスクを演出し、バイクのようにも見えるが、2つの車輪からなるフロントセクションを見ると、やはりスポーツカーのようでもある。

Cam-Am SPYDER RT Cam-Am SPYDER RT
Cam-Am SPYDER RT Cam-Am SPYDER RT
合計155リットルもの容量を持つラゲッジスペースを持つほか、iPod接続ケーブル付きのオーディオやグリップヒーター、クッション厚が充分にあるシートやパッセンジャー用のバックレストなど豪華装備を誇り、タンデムでのロングランも快適にこなす。

Cam-Am SPYDER RT Cam-Am SPYDER RT
さらに電子制御式のクルーズコントロールや、スイッチ操作だけでプリロード調整ができるサスペンションなど、先進的な機能も惜しみなく搭載。電動式のウインドシールドは高さを無段階で自在に調整でき、高速巡航時は高い位置で、市街地やワインディングでは低くと、状況によって使い分けられる。

Cam-Am SPYDER RT
走りは「F3」にくらべると穏やかで、乗り心地が良く快適。高速道路でも走らせたが、トップギヤ6速はオーバードライブとして機能し、高いクルージング力を持っている。アクセサリーを追加し装備面を充実させただけでなく、走りそのものの味付けが最適化され、それぞれのキャラクターに合わせているのも見事だ。

Cam-Am SPYDER RT Cam-Am SPYDER RT
「RT」も走りのアグレシッブさは充分にあり、力強く軽快な走りは健在。アツイ走りを楽しみつつ、パートナーとのツーリングが楽しめる。購入を検討している人は「F3」か「RT」か、これは大いに迷うだろう。全国の正規ディーラーでは試乗車を用意しているから、ぜひ試乗してから検討していただきたい。

■Cam-Am SPYDER 公式サイト
http://www.brp-jp.com/spyder/index.html