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アストンマーティンアンディ・パルマーCEOが、ペブルビーチ・コンクール・デレガンス会場で自動車情報メディア『Automotive News』の記者に語ったところによると、同社は現在、4ドア・モデル「ラピード」の電気自動車バージョンを開発中であり、2年以内の市販化を目指して、既に試作車で路上テストも行っているという。

パルマーCEOによれば、その電動パワートレインは4輪を駆動し、合計で800馬力の最高出力を期待しているという。バッテリーはLGまたはサムスンから供給を受け、航続距離は200マイル(約322km)を達成する見込み。価格はガソリン・エンジンを積むラピードと同程度からやや高めの20万ドル〜25万ドル(約2,500万円〜3,100万円)あたりになるらしい。

ただしこのプロジェクトは、英国の老舗スポーツカー・メーカーがマルチシリンダー・エンジンから電気モーターに宗旨替えすることを意味しているわけではない。パルマーCEOの話では、会社の"自己防衛的な戦略"として、パワフルなV12エンジンを維持するために、その反対に排ガスを出さないモデルを用意してバランスを取る必要があるという。つまり、ある意味「シグネット」の代わりと見ることも出来そうだ。

全輪駆動でパワフルな4ドアの電気自動車(EV)というと、テスラの「モデル S」に追加された高性能版「P90D」と比較したくなるが、パルマーCEOはテスラが先ごろ発表した0-60mph(約96km/h)加速2.8秒を実現する「ルーディクラス(馬鹿げた)・モード」について訊かれると、「大事なのは500mばかりの距離を馬鹿げた速さで加速することより、例えばニュルブルクリンク北コースのようなコースを数周回したり、あるいはサーキットでレースができることではないかと思う」と答えたそうだ。

ラピードEVが市場に出た数年後には、既報通り「DBX」を市販化したクロスオーバーEVの登場も控えている。「アストンマーティンまで電気自動車やクロスオーバーを出すなんて...」とがっかりされていたファンも少なくないかと思うが、これもパワフルな内燃エンジンを積む美しいグランツーリスモの販売を今後も続けていくため、と理解すれば納得していただけるのではないだろうか。


By Hirokazu Kusakabe