アウディ ジャパンは7月30日、マイナーチェンジを施した「A6」シリーズを発表し、同日より発売した。刷新されたポイントは大きく分けて3つ。内外装の(比較的控え目な)リフレッシュ、着実に改良されたパワートレイン、そしてアウディが誇る最新テクノロジーの導入である。

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2011年に発表された7代目(その前身の「アウディ100」も含めて)A6は、日本における販売台数が、前型の後期から一気に3倍にまで成長したという大ヒットモデルの1つ。それから4年が経ちモデルライフも後半に入った今、改めてアウディの最新技術が導入され、エクステリアのリファインと共に魅力的なアップデートが施された。しかも、その日本導入は、A6 セダンと「アヴァント」と呼ばれるステーションワゴン、そして車高を引き上げてラフロードの走破性を向上させた「A6 オールロードクワトロ」、さらに高性能モデルの「S6」および「S6 アヴァント」に、スーパースポーツ並みの動力性能を誇るスーパーワゴン「RS6 アヴァント」まで一挙6車種、パワートレインの違いを含めれば10モデルが、同日に発売となる力の入り様だ。




パワートレインは、従来の2.8リッター自然吸気V型6気筒「FSI」エンジンに替わり、新開発の2.0リッター直列4気筒直噴ターボ「TFSI」エンジンが採用された。最近流行のダウンサイジング過給というわけだが、最高出力は204ps/5,250〜6,500rpmから252ps/5,000〜6,000rpmへ、最大トルクも28.6kgm/3,000〜5,000rpmから37.3kgm/1,600〜4,500rpmへ大幅に向上し、JC08モード燃費も11.8km/Lから13.6km/Lに、かなりの改善が見られる。0-100km/h加速は1.4秒も短縮されて6.7秒になったという。A6シリーズの中核を担うこのモデルは、旧モデルと同様に、アウディ独自のフルタイム4輪駆動システム「クワトロ」を搭載し、トランスミッションはデュアルクラッチ式の7速「Sトロニック」が組み合わされる。この「A6 2.0 TFSI クワトロ」の価格は、セダンが680万円、アヴァントは718万円(いずれも消費税込み)。

前輪駆動のエントリー・グレードに搭載される直列4気筒直噴ターボ・エンジンも、従来の2.0リッターから1.8リッターにダウンサイズされた。しかし最高出力は180ps/4,000〜6,000rpmから190ps/4,200~6,200rpmに向上し、JC08モード燃費も14.8km/Lから15.4km/Lに改善。排気量が縮小した(ショートストローク化)にも拘わらず、32.6kgmの最大トルクは変わらず、発生回転数が1,400〜4,100rpmにと、上下とも100rpmずつ拡がっている。トランスミッションは「マルチトロニック」と呼ばれた先代型のCVTから、上位グレードと同じ7速Sトロニックに変更された(ただし各ギア比は異なる)。「A6 1.8 TFSI」の価格はセダン628万円、アヴァント666万円。シート表皮やタイヤ・サイズもダウングレードされることを考えると、A6 2.0 TFSI クワトロとの価格差は微妙か。



「A6 3.0 TFSI クワトロ」は従来と名前こそ同じだが、3.0リッターV型6気筒スーパーチャージャー・エンジンは改良が施され、最高出力が310ps/5,500~6,500rpmから333ps/5,500~6,500rpmに引き上げられた。最大トルク44.9kgmは変わらないが、発生回転数が2,900〜4,500rpmから2,900〜5,300rpmに拡大した。これまで筒内直接噴射のみだったインジェクションが、回転域や負荷によってポート噴射を併用するように変更されたそうだ。従来型ではずっと回り続けていたスーパーチャージャーもクラッチによって切り離せるようになり、JC08モード燃費は11.4km/Lから12.9km/Lに(アヴァントは11.0km/Lから12.6km/Lに)伸びている。価格はセダンが888万円、アヴァントは926万円。ワイルドな大型ホイールアーチやアンダープロテクション、それにアダプティブエアサスペンションを装備してオフロードの走破性を高めた「A6 オールロードクワトロ」も同じパワートレインを搭載し、こちらは959万円となっている。



アウディ ジャパンの大喜多 寛社長が「個人的にお勧めしたい」と言う「S6」も、従来通り4.0リッターV型8気筒ターボを搭載するが、最高出力420ps/5,500〜6,400rpmが450ps/5,800~6,400rpmに向上。こちらも最大トルク56.1kgmは変わらず、発生回転数が1,400〜5,700rpmと上に500rpmほど拡がっている。JC08モード燃費は9.6km/Lから10.1km/Lに改善された。価格はセダンが1,308万円、アヴァントが1,346万円。

ワゴン・ボディのみとなる最上級...というか最強モデル「RS6 アヴァント」のパワートレインはほとんど変更なし。これまでと同様の最高出力560ps/5,700〜6,600rpm、最大トルク71.3kgm/1,750〜5,500rpmを発揮するV型8気筒ターボを搭載する。ただし後述する先進技術がこのRS6には全て標準で採用され、最高グレードに相応しいアップデートが図られた。大トルクに対応した8速「ティプトロニック」ATとの組み合わせということもあり、JC08モード燃費はS6を凌ぐ10.3km/Lを記録する。0-100km/h加速3.9秒という性能を考えれば立派。価格も1,729万円とかなり立派な金額になる。



パワートレインの刷新および改良のほか、新型A6シリーズにおける技術面のハイライトは、一足先に「A8」や「A7」で採用されたマトリクスLEDヘッドライトの導入だろう。車両前方に備わるカメラとレーダーセンサー、そして「ナイトビジョン」と呼ばれる熱探知カメラによって、対向車だけでなく歩行者も検知し、LEDハイビームの照射を自動的に調整する。例えば対向車が迫れば、そのドライバーが眩しくないように、複数のLEDから最適な組み合わせをオン/オフおよび明るさを瞬時に変更し、また歩行者などを検知すればそちらに向けて自動で照らす(S6とRS6に標準装備。A6は全車オプションで装着可能)。この機能を実現するセンサーやカメラは、もちろん予防安全のための「アシスタンスシステム」にも使われる。

もう一つの新技術は、全車に標準で装備される「アウディ コネクト」と呼ばれるネットワーク接続機能だ。お馴染みの「Google ストリートビュー」などが車内のディスプレイで使えるだけでなく、最大8機までモバイル機器のWi-Fi接続が可能になる。また、メーターパネル内には高解像度カラーディスプレイ「DIS(ドライバーインフォメーションシステム)が標準装備され、ここに地図情報などを表示することも出来る。




もっとも、アウディ A6シリーズの魅力は、パワーと環境性能を両立したパワートレインや、快適・安全装備だけではない。購入される方の多くが最初に惹かれるのはそのデザインだという。我々が生きる21世紀は、子供の頃に想像した未来とは少しばかり違ったけれど、アウディ A6にはかつて期待した"未来のクルマ"を思い出させる雰囲気があると思うのは記者だけだろうか。もちろん大人となった我々には、そんな直感を自分に納得させるだけの論理的な裏付けが必須だ。他社のクルマとは似ていないマトリクスLEDヘッドライトのクールな"眼差し"には、それが端的に表れているように思われた。あとは是非ご自分で試乗して、その裏付けとなる技術力を確かめていただきたい。


アウディ ジャパン 公式サイト
http://www.audi.co.jp



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By Hirokazu Kusakabe

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