RangeRover EXPERIENCE 2015
貴族階級に馴染みの薄い日本人にゃ分かりにくい話ですが、つくづく王様ほどタフで、フトコロが深いもんだってわかりましたぜ。そう、それこそがレンジローバー、70年代から「砂漠のロールスロイス」とも「四駆のロールスロイス」とも呼ばれるご存じ世界最高峰のプレミアムSUVであーる。

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オザワが言うのも今さらだが元祖は1970年生まれの初代レンジ。今やポルシェ・カイエンやらBMW X5やら、高級サルーン顔負けの質感に本格4WDの走破性を併せ持つ高級SUVは当たり前だが、先駆けは間違いなくこれ。ジープやランクルなど無骨な4WDしかなかった時代、X5誕生の30年も前に、1台で都会から荒野まで駆け抜け、しかも大人5人が完璧に乗れる唯一のクルマとして存在したのだ。

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実はそれはエリザベス女王に代表されるイギリス貴族あってこそ。なぜなら彼らは貴族でありながら、時に自らハンドルを握って荘園とも呼ばれる自身の領土を回る。ウソだと思ったら映画『クィーン』を見て欲しいが、とにかくその特異な需要もあって生まれたのがレンジローバーであり、今回ご紹介する本格オフロードイベント「RangeRover EXPERIENCE」なのであーる。
今年の春先、日本でも行われたので不躾オザワがチェックして参りました!

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●雪上だからこそ露わになる実力がある
RangeRover EXPERIENCE 2015
今回のステージとなったのは長野県志賀高原の特設コースでまずは環境がナイスだ。ご存じ志賀高原は本格スキーヤー憧れの場所で高低差約1km、最長滑走距離6kmのダイナミックなスキー場。時に氷点下になり、積雪2mをラクに超える豪雪地帯で、テスト日もサラサラのパウダースノーの絶好機。そこに特設とはいえ本格的オフロードコースが作られ、一般道と併せてテストすることができた。

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しかも試せるのは本家レンジローバーのほか、よりスポーティなレンジローバースポーツに今やオシャレSUVの象徴とも言うべき弟分のイヴォーク、さらにレンジはノーマルホイールベースに加え、ロングホイールベースで5リッターV8スーパーチャージャー搭載のオートバイオグラフィーまで試せるから贅沢だ。

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特設コースは、全長数100m。多少短めだが、雪上ハンドリングを試せるスラロームだけでなく、本格的4WDとしての進化を見せられる左右デコボコのモーグル路面と、傾斜角30度前後の上り下りが試せるヒルクライム路がある。

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まずはスラロームに挑むが、乗るなり感心するのは「これはレンジだ」とすぐに分かる盤石の乗り心地だ。フトコロが深いというか、どこで乗ってもロールスロイス顔負けというか、独特の抱擁感。こればっかりは乗って頂くしかないが、イベントでお会いした現オーナーが「この乗り心地で一発でやられちゃいました」というのもよく分かる。

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そしてこのレンジらしい乗り味が、本家レンジローバーはもちろん、多少薄めとはいえコンパクトなイヴォークにもあるから凄い。とはいえ一番いいのはバイオグラフィーで違いはモーグル路ですぐに分かる。リアサスの伸びが素晴らしく、同じスピードで凸凹に入ってもびくともしない。まさしくタフで強い王様のようなクルマがそこにはある。

RangeRover EXPERIENCE 2015
特設コースの後に一般道に乗り出す。するとこれまた素晴らしい。最初にイヴォークに乗って印象的なのはクイックなハンドリングと安全デバイスの効き具合だ。オーバースピード気味でコーナーに飛び込むと、ちゃんとスタビリティコントロールで抑えてくれ、コース内に留めてくれる。

しかしここでもやっぱり感心するのはレンジローバー、それもオートバイオグラフィーの盤石ぶりだ。確かに全幅約2m、車重2トン越えのクルマだけにスポーツカーのようにシャープな手応えとは言わない。

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だが、そのすべてを受け止めて消化するハンドリングの中でも、路面の状況を適度にちゃんと伝えてくれる。この骨太さと繊細さの兼ね合いは他に無いテイストなのだ。

前述した通り、最新のドイツ製SUVは確かに良く出来ていて、質感も全域で高い。だが、どちらかというと高速走行に重きを置きすぎていてハンドリングがダイレクト過ぎる。雪道でノンキに走るって感じではないのだ。

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最後にレンジローバーで高速道路も少し走ったが安定感はピカイチ。特に時速100km前後でのしっかりぶりには舌を巻いた。

やはりレンジローバーというクルマは、本当の意味で都会と田舎を日常的に往復する人のためにある。「氏より育ち」とは良く言ったもので、人もクルマも結局は育った環境に寄り、こういうシビアなところで走るとアウトバーンで育ったBMW&ポルシェと、ロンドン市街から数キロで荒れ地が広がるイギリスで育ったクルマの違いが出る。

どちらが好きかはその人次第。だが、雪道で改めてレンジ3種類に乗ってスペックには現れない人への優しさを感じたのも事実だ。

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クルマは人が作り、人は環境が作る。そしてレンジローバーにはやはり貴族の匂いが残っている。ブランドとはまさに作り手の歴史であり、生き方のスタイルなのだ。それを改めて感じさせてくれたレンジローバー・エクスペリエンスなのであーる。


■ランドローバー 公式サイト
http://www.landrover.co.jp/index.html