フォルクスワーゲンの新型「パサート」発表会場からレポート!
フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は16日、新型ミッドサイズ・セダン「パサート」とそのステーションワゴン「パサート ヴァリアント」を発売した。昨日お届けした製品概要に続き、同日に開催された発表会の会場で聞けたお話などをご紹介しよう。

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日本でもミドルクラスのセダン・マーケットに本気で挑戦

昨年8月の「ポロ」以降、発表して来たのは派生車種ばかりで新型車の導入がなかったVGJは、登壇した庄司 茂社長によると、今年上半期に「6年ぶりとなる前年割れ」を喫したという。そのポロも、実は2009年に発売された5代目モデルに大幅な改良を施したものだから、フルモデルチェンジされた新型車の導入としては、今回のパサートが実に久しぶり、2013年6月の「ゴルフ」以来のことになる。その偉大なハッチバック車の陰に隠れて、日本では比較的地味...というか、庄司社長によれば「知る人ぞ知る、通好みのクルマと言われて来た」パサートだが、過去を遡れば実は1973年誕生とゴルフより(1年だけとはいえ)長い歴史を持ち、世界的に見れば2014年の販売台数もゴルフを僅かに上回ったという。欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞をはじめ既に世界各国では高い評価を得ている新型で、庄司社長は「日本のミドルクラスのセダン・マーケットに本気で挑戦したいと考えている」そうだ。また、「このクルマなら本気で勝てると思っている」と自信を見せる。



8代目に進化した新型パサートが日本で「挑戦」するその相手とは、VGJマーケティング本部長の正本 嘉宏氏にお訊きしたところ、「国産車も当然視野に入れています。スバル レガシィマツダ アテンザトヨタ マークX、あとクラウンも入るかも知れない」とのこと。輸入車として比較されがちないわゆる"御三家"については、「BMW 3シリーズは後輪駆動ということもあり、積極的に運転を楽しみたい人向け、ドライバー中心のクルマという違いがあります。パサートも決して運転が楽しくないわけではありませんが(笑)、ドライバーだけでなく快適性や居住性、実用性も含めて乗員全員、より人間中心と言うことができると思います」と仰る。メルセデス・ベンツ Cクラスについては「あちらを選ぶ方は、もう最初から"メルセデス"が欲しい方ですから。あまり競合という感じにならない」そうだ。やはり最も意識されそうなのは同じグループに属するアウディだが「新型A4はかなり良くなっているみたいですが。現行A4と比べると、新型パサートの方がアウディっぽいくらいですよ(笑)」とのことだった。






10種類の安全機能を全車に標準装備

以上のようなライバルに比べ、新型パサートが特長とする点は大きく分けて3つある。まず、昨日もご紹介した先進安全装備の数々。世界初となる渋滞時追従支援システム"Traffic Assist"は、先行車に合わせて自動で停止、再発進するだけでなく、車線を検知してステアリングまで制御する。いわゆる自動運転に近づいたシステム」と正本氏は説明する。そしてプリクラッシュ・ブレーキ・システム(衝突回避被害軽減ブレーキ)"Front Assist"も、従来のレーダーに加えてカメラが搭載されたことで、歩行者の検知も可能になったという。さらに車線移動時に後方から近づくクルマを監視する"Side Assist Plus"や、後退時に衝突の危険を警告し、場合によっては自動的にブレーキを作動させる「リヤトラフィックアラート」など、まさに360°全方位に向けた全部で10種類の安全機能が、欧州ではオプションとなるものも含め、日本仕様には全車に標準装備される。




全長は変えずにホイールベースを延長

そして2つ目の特長は、定評ある先代からさらに磨きを掛けた「優れた居住性、快適性、高い質感」であるという。新型パサートは全長4,785mm × 全幅1,830mm × 全高1,470mm(セダン)と、先代に比べ全長が変わっていないにも拘わらず、ホイールベースは80mmも拡大され、2,790mmになった。これにより室内長は33mm拡大し、荷室容量も586リッター(ヴァリアントは650リッターから最大1,780リッター)と、ミッドサイズではクラストップの広さを確保したという。オーバーハングが切り詰められたこと、そして10mmワイドで20mm低くなったことから、堂々たるプロポーションも魅力を増したが、代わりに16インチや17インチのホイールでは少々頼りなく見えてしまうことがVGJとしては悩ましいとか。

純正インフォテイメント・システムは、8インチ・ディスプレイとナビゲーション機能搭載の"Discover Pro"と、6.5インチの"Composition Media"が用意される。中でも庶民派の記者が注目したのは、比較的低価格のグレードに標準装備される後者の方。機能はオーディオのみに限定されるが、Appleの「CarPlay」やGoogleの「Android Auto」に対応するため、スマートフォンを接続して「Google Map」などのナビゲーション・アプリがディスプレイ上でそのまま使えるのだ。




来年早々にはディーゼルやプラグインハイブリッドも導入

ライバルに差を付ける3つめの特長は、多彩なパワートレインが用意されること。発売初期となる現在は、最高出力150ps/5,500-6,000rpmと最大トルク25.5kgm/1,500-3,500rpmを発生する1.4リッター直列4気筒直噴ターボ「TSI」エンジンによる前輪駆動という1種類のみの設定となるが、来年早々には待望のディーゼル「TDI」エンジン搭載モデルや、プラグインハイブリッド「GTE」、そしてヴァリアントをベースにクロスオーバー・モデルとして仕立てた「パサート オールトラック」では「4MOTION」と呼ばれる4輪駆動も導入される予定だという。正本本部長のお話では、続いてゴルフにもついにディーゼル・エンジン搭載車が導入される予定だとか。ただし日本仕様のパサートもゴルフも、ディーゼルの排ガスから窒素酸化物を浄化するため尿素SCRシステムを搭載することになるそうなので、車両価格はそれなりに(つまり割高に)なってしまいそうだ。先行導入されるガソリンの1.4 TSIエンジンも、先代に搭載されていたものと排気量こそ同じだが、新世代ユニットに進化して出力、トルク、燃費の全てにおいて改善された。ちなみに新型パサートのJC08モード燃費は20.4km/Lと、グレードによってタイヤのサイズや装備が異なっても、セダンと車両重量が50kg重いヴァリアントも、"なぜか"全て同じ数値となる。




329万円からという戦略的な価格付け

庄司社長によれば、新型パサートは一言で表現すると「高校2年の夏休み明け」だとか。「いいやつだけれど、あまり目立たなかった、真面目一辺倒だった学級委員が、ちょっといい男になって、色気を身に付けて夏休み明けに学校へ戻ってきた」という意味だそうだ。ちなみにドイツ本国では、エントリー・グレードの"Trendline"に、"Composition Media"や"Front Assist"、ニーエアバッグなどを装備すると、価格は約3万ユーロ(約405万円)にもなる。現在の為替レートで同等の日本仕様が329万円から、というVGJが付けた価格は消費者として評価したい。詳しい情報は昨日の記事または以下のリンクから公式サイトを、そして本日はこの後に続けて自動車ジャーナリストの今井優杏さんによる試乗記もお届けする予定なので、そちらも是非ご覧いただきたい。

フォルクスワーゲン 公式サイト
http://www.volkswagen.co.jp

パサート 公式サイト
http://www.volkswagen.co.jp/ja/models/passat.html

パサートヴァリアント 公式サイト
http://www.volkswagen.co.jp/ja/models/passatvariant.html


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By Hirokazu Kusakabe

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