Volkswagen Passat
え、しばらく見ない間にカッコよくなったんじゃない?
うふふ、初恋のカレのことじゃないですよ、新型パサートです。
一見して堅実ではあるものの、どことなくいまいちアカ抜けないというか地味というか...っていうのが先代までのイメージだったように思う。そしてそれこそが華美を嫌う質実なセダンとしてのパサートの醍醐味でもあった。輸入車でありながらチャラくない、だけど上質というその性質は、シックなものを求める層に応える存在でもあったからだ。
がしかし、新型はなんだか一気にギラっとしちゃった感がすんごい。

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まずルックス、これが格段にシャープになった。
横に垂直に伸びたメタリックなグリルは今回、キレ長のヘッドライトと同化するように左右いっぱいに伸びてワイドさを強調し、さらにその存在感を決定的なモノにする新開発のLEDライトの採用でキラキラと先進的な若々しさを手に入れた。

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リアライトも同様にLEDライトを採用、こちらもぐっと先進的なルッキングだ。
ボンネットも長くなってキャビンが後方に移動し寸詰まり感が払拭され、ホイールベースを80mm延長したことでライザップ並みにスタイルアップを実現しているのもスポーティー。
いやはや、改めて見直してもカッコイイ。
そして、これはこれでまったくぜんぜん悪くないじゃないか!

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それはあたかも「退職まで勤続し続けた会社に忠誠を尽くしたお父さんが、いきなり第二の人生でハッスルしちゃう」的な思い切ったイメチェンをも彷彿とさせるものではあるのだけど、そのイメチェンが間違った方向に進んでいないので清々しいのだ。どころか「あらパパ、すっかり若返ったわね! 似合うじゃない!」とそろそろ会話のなくなってきつつある娘が久しぶりに絶賛するくらいにイケている。なぜならば、パサートらしい育ちの良さ、品格は捨てずに、キリっとしたハジケ感だけを纏ったいい変化だったからではないだろうか。これならパパの第二の人生どころか、ちょっと背伸びしたい若い層にだってサラっと似合ってくれるに違いない。是非乗ってもらいたい。コレで若いメンズが迎えに来てくれたら、若いのになかなかシックなセンスじゃないのとお姉さん風の一つも吹かせつつ内心ドキドキしちゃいそうだ(妄想)。

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ボディサイズは先代と比較してもほぼ変わらないのだが、見た感じすこしワイド&ロー、そしてひとまわり大きくなったかのように感じさせるのは、整ったデザインの賜物だと感じる。

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上質はインテリアのほうもぬかりない。
2013年に発売された7代目のゴルフでは、セグメントの常識を凌駕する質感の高さで競合他社を震撼させたものだが、このパサートもそれを思い出させる高級感を実現していて実に感じがいい。
グリルに使用されている水平基調はインテリアにも再現されていて、ステアリングホイールを挟んでダッシュボードを一直線に貫く帯状のラインが左右方向の拡がりを強調しているのだが、このラインはただのデザインではなく、エアベントの機能をも兼ね備えるモノ。機能とデザインが一体化しているあたりにグっとくる。

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センターコンソールのナビ、それから空調・オーディオ関係のスイッチ類、そしてシフトレバーあたりの配置に奇抜なモノはないけれども、シンプルかつ整然としたレイアウトに、効果的につや消しのクロムを組み合わせるなど、手法はベーシックながらやはりここにもそこはかとなく高級感を感じさせるイイ感じの仕上がり。シンプルな操作系は直感的に使える利便性の高さも叶えている。

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そして、特筆すべきはシートのもっちりふわっとコシのある座り心地だ。
サイドを立てたややバケットに近い形状のシートなのだけど、お尻と背中の接触部分をすべてぽふっと受け止めてくれる優しい柔らかさでありながら、横方向にステッチを入れたキルティング処理がなされているから着座圧が偏ることなく、座っている間にずっと心地よさが持続する優れもの。
最上級グレードである「ハイライン」には肌触りも心地いいナパレザーシートが採用されて、モンクなしにこの座り心地がイチオシなのではあるが、ベースグレードである「トレンドライン」と真ん中のグレード「コンフォートライン」に採用されたファブリックシートも機構は同じ。どのグレードでもこの心地を堪能できる。

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ちなみにナパレザーの「ハイライン」にはパワーシート、パワーランバーサポート、シートヒーターに加えてシートベンチレーションとシートマッサージ機能(!)が前席に備えられている。ゴージャスなのだ。
贅沢をいえばシートの座面の太ももの下あたりにあるランバーサポート調整ボタンで、もう少し腰のサポートを多めに膨らませられたら小柄な日本人女子としてもパーフェクトなフィットではあるのだが、この癒し系の座り心地にメロメロになっちゃうオーナーは少なくないだろう。


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そのふわっともっちりシートに身体を預けて、アクセルを踏んだその瞬間に「ああ、ええやん!」と声が出た。
加速がものすごくジェントルなんである。

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今回のパサートはセダンとヴァリアント(ステーションワゴン)の2つのバリエーションを持つのだが、その両方に1.4リッターターボの1.4TSIエンジンと、7速デュアルクラッチのDSGが搭載されている。
その滑るような滑らかさは、さすが量産ダウンサイジングターボのパイオニアと唸る納得の出来栄え。とにかくスムーズ、とにかくシルクタッチなのだ。

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新型は150psで+28ps、250Nmで+50Nmの出力アップがなされているが、そもそも先代よりも85kgの軽量化がなされているのも手伝って相当にゴキゲン♪ワーゲン♪な踏み心地。

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サラっと吹け上がってきめ細やか。どこまでも継ぎ目のない加速はジェントルでありつつしっかりとコシの据わったパワフルさをその下に覗かせる。
まるでよく冷えた讃岐うどんのような例えだが、日本の道路をつるっと滑るように駆け抜ける滑らかなフィールが時速ゼロ㎞から高速域に渡るまで張り巡らされているから、どこでどうアクセルを踏んだって、まるで金太郎飴のようにどの速度域からも同様に気持ちよい加速を再確認できるのが嬉しい。

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それに、セダンで全長4,785mm × 全幅1,830mm、ヴァリアントで4,775mm × 1,830mmというそれなりに大きなボディサイズを誇るパサートなのだが、アラ不思議、運転席にてステアリングホイールを握ってしまうと、そのサイズ感を忘れてしまう。
つまりボディのサイズ感を把握しやすいのだ。

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これは設計の力にもよるところで、着座からアイポイント、フロントガラスから見えるボンネット及びその先、すべてに神経を行き届けさせられるように上手にレイアウトがなされている。
ステアリングのキレ角も大きいから、想像以上に取り回しはラクラクだ。
ただし、その肝心のステアリングだがやや持ち重りのするフィール。高速走行などに入るとド安定感をかましてくれるが、超低速域では奥方からやや不満が出るかもしれない。

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走行を支えるサスペンションの制御も、一貫してオトナな感じでこれまたしっとりと実に感じがいい。
今回の試乗コースは千葉の郊外。路面は重量級トラックの走行で荒れ、コーナーにはスリップ防止の茶色いストライプがなされるなど抜群とは言えない道路環境であったのだが、むしろそこで実力を発揮してくれた。

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仔細なインフォメーションはドライバーのお尻にしっかり伝えるのに、ステアリングには一切影響を出させない絶妙のセッティング。バンプに差し掛かってもリアが跳ねたりすることはなく、サスペンションの動きだけで難なくゴクっとギャップを乗り越えるのに感激した。この辺、毎日のコンビニ通いで道路からちょっと段差のある駐車場に侵入する時なんかにもエエ感じを実感できるので是非オーナーになった暁には毎朝悦に入ってほしい。


もちろん最新の安全技術もてんこ盛りだ。ゴルフで高評価を得ている前車追従型クルーズコントロールや非常停止自動ブレーキ、65km/h~0km/hまでアシストするレーンキープアシストがパサートに初めて搭載されているし、自動運転の入り口とも言える「トラフィックアシスト」機能が世界初採用された。渋滞時に加減速&車線の維持を行うというもので、ドライバーがハンドルに手をかけていること、という条件付きだが、これはこれからのレジャーシーズン、ハンドルキーパーに欠かせなくなる機能ではないだろうか。
パサートはほとんどの安全機能を全車標準装備しているところも頼もしい。

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さて、この7月16日にいよいよパサートの全ラインナップが発表されたが、今回紹介した1.4TSIエンジン搭載モデルには「Rライン」も用意される。

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これでパサートには16インチから19インチまでのタイヤバリエーションが選択できるようになるのもオシャレになったパサートならでは。
柔らかな乗り心地やタイヤ交換の際のメンテナンス費を重視されるなら17インチを、スポーティーなエクステリアを求めるなら19インチを。どれを選んでもとかくジェントル。乗った瞬間にわかる上質を楽しんでもらいたい。

■フォルクスワーゲン 公式サイト
http://www.volkswagen.co.jp