【レポート】「車載システムのディスプレイは安全上問題あり」と米国の有識者が指摘
注意力が散漫な状態での運転は誰もが好まない。とにかく悪いことであり、理由はここに書き切れないほど多くある。しかし、超がつくほど新しモノ好きの我々は、車載テクノロジーが大好きだ。となると、運転に集中することと車載システムを使うことは両立しない行為ではないかという疑問が浮かぶが、自動車メーカーはこれに対し高らかに"ノー"を訴える。「少なくとも2つの悪のうち、マシな方」だと説明する者もいる。

アウディの広報担当Mark Dahncke氏はロイターに対し、「もし他に便利なシステムがなければ、皆がスマートフォンを使うまでだ。そして、スマートフォンの使用でドライバーが最も注意散漫になることは周知の事実だ」と述べたという。しかし、自動車メーカーはオプションで2,000ドル(約24万円)もするナビゲーション/インフォテインメント・システムが売れるたびに大儲けしているのだから、ジョー・シミティアン氏のような安全推進派の主張と相容れないのは当然だろう。

シミティアン氏は元米カリフォルニア州上院議員で、同州における運転中の携帯電話の使用禁止を推し進めたことで知られている。同氏は「車載システムのディスプレイを見ることは、市民の安全に深刻な問題を引き起こすと思う」とロイターに語っているが、この見解は少なくともある学術的見地に裏付けされている。

米ユタ大学の認知神経科学を専門とするデヴィッド・ストレイヤー教授は、「人は車載システムのディスプレイと道路を同時に見ることはできない。ドライバーは画面に気を取られ、安全推進者の多くが安全だと見なす時間より長く道路から目をそらすことになる」と述べている。

国や州が考える車載システムの基準というものもあるが、これは規制ではなく任意であり、これを自動車業界の方でも基準にしているとは言い難い。ロイターによれば、自動車メーカーの基準では、ドライバーによるシステム操作は1回あたり2秒ほどで行うことができ、一連の操作は20秒以内に完了できなくてはならないとする一方で、政府が策定しているガイドラインでは、操作1回あたり1.5秒から2秒、一連の操作は12秒以内にするべきだとされている。さらに米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、一連の操作を完了するにはボタンを押す回数は6回以内にすべきだとしている。要するに、関係のある各組織が認識を合わせたしっかりしたルールというものが存在しないのだ。それがまとまるまで、注意散漫な危険運転は問題になり続けるだろう。


By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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