電気自動車、実はガソリン車の方がクリーン?
一部の電気自動車は従来のガソリン車よりも環境へのダメージが大きいとして、そのようなケースに対しては電気自動車に助成金を出すよりも課税すべきだと米国の経済学者のグループが主張している。すぐにはピンと来ないかもしれないが、クルマが出す排気だけでなく、電力を生み出す工場の排気にも目を向け、より大きな視点で考えると、その意味がお分かりだろう。

米ウェブマガジン『Citylab』によれば、電気自動車を走らせるために掛かる実際のコスト(経費だけでなく環境に強いる犠牲という意味も含めて)について、4人の経済学者が全米経済研究所(NBER)で調査を行っているという。電気自動車と従来のガソリン車が、1マイルあたり走行するのにかかるコストを比較するため、米国内を群単位に分けて自動車排気ガス量を仔細に調査した。経済学者のグループは、ガソリン車を所有することによってもたらされる、燃費効率、汚染拡散、そして環境と健康へのダメージなどの膨大なデータを分析。一方、電気自動車については、充電設備からどれだけのパワーを引き出しているかを計算するため、ガソリン消費量に相当する消費電力として1マイルあたりのキロワット数(kWh/m)を算出した。また、全米1,486カ所の発電所の1時間あたりの排出ガス量についても、電気自動車が環境に与える影響として考慮に入れたという。これらのデータから分かったことは、電気自動車の運転にかかるコストは居住している場所によって変わってくるということだった。

この調査には、電気自動車とガソリン車の両タイプがあり明確に比較できるフォード「フォーカス」を使用している。西部では、クリーンな電力システムがあることから電気自動車の方が環境にやさしく、1マイル(約1.6km)あたりのコストは1ペニー(約1.23円)と経済的だった。しかし、東に向かうとその様相はガラリと変わってくる。中西部と北東部では今なお石炭火力発電に大きく依存しており、長距離を走れば電気自動車の方がガソリン車よりもコストが高く、環境へのダメージも大きくなることが分かった。

また、経済学者らは電気自動車への減税が適切な政策であるかどうかについても注目している。15万マイル(約24万km)の走行距離を寿命として、ガソリン車によるダメージから電気自動車によるダメージを引いた数字がプラスの場合には補助金を出してもいいが、マイナスになる地域については課税をするべきだというのが彼らの主張だ。米国内どこに住んでいても7,500ドル(約92万円)の補助金が政府から出るというのは太っ腹すぎると結論付けている。

モデルによって多少の差はあるが、重要で興味深い数字が表れている。さらに深く知りたい方は、『Citylab』(英語)の記事をお読みただきたい。


By Erin Marquis
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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