長年にわたりフェラーリの正規ディーラーとして知られているコーンズ・モータースは5月31日、サーキットで跳ね馬オーナー達が愛車を思い切り走らせることができるイベント「コーンズ・サーキット・エクスペリエンス」を開催した。

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会場となった富士スピードウェイのパドックにお邪魔すると、「F12 ベルリネッタ」や「458 イタリア」のような最近の車種から、「ディーノ」「512BB」などヒストリック系、そして「F40」「F50」というレアな限定モデルまで、150台を超えるフェラーリが並んでいた。中でもサーキット走行イベントというためか、センター・ストライプが勇ましい「458 スペチアーレ」「430 スクーデリア」そして「599GTO」といった硬派向け高性能モデルの姿が目立つ。ピット内には限定生産の最新ハイパーカー「ラ フェラーリ」や、往年のF1マシンまで走行準備を整え、時間が来ればコースインして雲上サウンドを聴かせてくれる。フェラーリに憧れるファンがこの場に居れば、天国は富士山の側にあったのかと(筆者のように)思うかも知れない。



走行プログラムは、フェラーリの性能を存分に楽しめるフリースポーツ走行をはじめ、同乗者と一緒にコースを走れるファミリー走行、クラシック・モデルによるパレードラン、さらにはレース用モデル限定のスリック・スポーツ走行やプロドライバーが同乗してくれるカテゴリーまで多彩に用意されている。



コーンズ・モータースのフェラーリ東京ショールームでマーケティング マネージャーを務める副島理氏によれば、このイベントは今年で5年目を迎えるそうで、フェラーリ本社の主導ではなく、あくまでもいち正規ディーラーであるコーンズが独自に開催しているという。その主旨はずばり「フェラーリを思う存分楽しんでいただく機会を、お客様に提供するため」。参加料金はこの手のサーキット走行イベントとしては(フェラーリ・オーナーでなくとも)リーズナブルに思えるほどで、もちろんそれらの収入だけでは運営費用の半分にも満たないそうだ。それでもこのようなイベントを開催するのは「(今のフェラーリは)ポテンシャルが高すぎて、公道ではその一部も出せません。安全になおかつスピードを出したいという要望がお客様からも寄せられますので、そういった場所を提供したい」からだという。「フェラーリは、購入して所有するだけでなく、このようなイベントを通じて色々な皆さんの交流もありますし、またサーキット・イベントに限らず、ショールーム・イベントやツーリングなど、購入した後の世界というものが色々とありますから、そういったものの一環ですね」と副島氏は仰る。フェラーリを買うことすら縁遠い記者には、さらにその先の世界がどれほど素晴らしいものなのか、想像するほかないわけだが、来場されている方々は決して派手に"盛り上がっている"という感じではなく、落ち着いた様子で、だが存分に楽しんでいらっしゃることが分かる姿が印象的だった。

そんなオーナーの中から、何人かの方にお話を聞いてみた。


ご家族でいらっしゃっていた458 イタリアのオーナーの方は、3年前に購入して以来、毎年参加されているそうだ。"フェラーリの魅力を一言で表現すると?"と乱暴な質問をしてみたところ、ちょっと考えられた後で「軽さ、ですかね」とお答えくださった。スポーツ走行に備えてレーシング・スーツに着替えられている間、側で見守るお美しい奥様に、"奥様のご理解があればこそなのでは?"と訊いてみると、優しく微笑みながら「彼の趣味なので」とのお答え。まったくお羨ましい限りである。奥様ご自身は「子どもが生まれてから乗る機会はない」そうだ。この日も2台で来られたそうである。それは少し寂しい気もするので、"フェラーリにも4人乗れるモデルがありますが?"と訊くと「今度はそういうのにしようって話しているんです」とのことだった。


黒い「575M マラネロ」という(参加車の中では)渋いグランツーリスモでお帰りになるところだった方は、実はお話しを聞いたらこの日、デモンストレーション走行をした黄色い「ラ フェラーリ」のオーナーの方でもあった。日本上陸1号車で、「去年の7月に来たんだけど、ナンバーを取れたのは12月になった」そうである。2台の他にも「まあ、色んなのを持っています」というベテラン・フェラリスタの方に"フェラーの魅力とは?"とお訊きしたところ、「やっぱり高揚感でしょうね」とのお答えだった。それはV12エンジン搭載モデルに限らず、V8エンジンのモデルも「あれはあれでまた面白い」そうである。そんな経験豊富なエンスージァストの方にとっても、ラ フェラーリは「いやぁ、凄いクルマ」だそうで、「やっぱり(これまでのフェラーリとは)スピードが違うね」とのこと。様々なフェラーリに乗ってこられた方が、しかもラ フェラーリをサーキットで走らせた後に仰る言葉だと思うと実感が伝わって来る。


フェラーリ・ファンの中には、どれだけ性能の高いニュー・モデルが登場しても、"「テスタロッサ」は特別"という方もいらっしゃるのではないだろうか。極上コンディションの「512TR」にお乗りの方は、ずっと探していらっしゃってついに去年の10月に手に入れられたそうだ。「最初は348に乗って、それから355、360と乗り換えて、で、最終的にこれになった」そうである。「最初に94年型348GTBを買ったとき、隣にこれがあったんです。でも、その時は2,000万円くらいした。(348の)倍くらいしたので、やっぱり買えなかったから、いつかこれに最後に乗ろうと思って。ちょうど20年かかりましたね」と仰る。"ではようやく理想のフェラーリを手に入れられたわけですね"と申し上げると「それがですね、実際に乗ってみるとイメージが違うわけですよ(笑)。ちょっと重心が高すぎて、走るとV8の方がいいです」。"では、理想のフェラーリ探しはまだこれからもお続けになる?"「いやあ、もうこれでお終いにしようと思って。でも実際に見ると、(550)マラネロなんかもいいですよね(笑)」。サーキット走行イベントには何度も参加されているそうで、特に富士は全開に出来るのがいいそうだ。フェラーリを全開で走らせていると「他のことは何も考えず、前だけを見ている。いいですよね、そういうの」と仰る。"フェラーリの魅力を一言で言うと?"と、これまでと同じ質問をしてみると「うーん、なんだろ。やっぱり、実物大のプラモデルですよね。ステアリングとか見ると、F1と同じマークが付いているわけじゃないですか。それが自分の家にあるというのが、わくわくするような...ね」。それはフェラーリを持っていない記者でも分かるような気がします。



フェラーリ・オーナーの方、来年は是非、ご自分の跳ね馬でサーキットを存分に走ってみてはいかがだろう? コーンズ以外で購入された場合でも参加できるそうだ。今はまだフェラーリをお持ちでないという方も、オーナーの同伴者ということなら入場できるので、ツテを辿ってでもこのエクスクルーシブなイベントに足を運んでみることをお勧めしたい。たぶん、現在のF1グランプリよりも快音が聞けます。


コーンズ・モータース 公式サイト
http://www.cornesmotor.com/


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By Hirokazu Kusakabe

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