自動車の歴史において、「ディーノ」は人々から最も復活が望まれている名前の1つである。フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリの長男で、1956年に24歳という若さで亡くなったアルフレードの愛称から名付けられたディーノのエンブレムは、1968~1976年に生産された、比較的手頃な価格で、より小型のミドシップエンジン・スポーツカーのシリーズに付けられていた。そして今回、フェラーリのトップがディーノを、フェラーリまたはディーノ・ブランドの新型モデルとして復活させる見通しについて言及した。

「仮定の話ではなく、時期の問題だ」と、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のCEO兼フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネ氏は言う。「(ディーノを)資源として活用しきれていないことは認識しており、だからこそ、この状況を正したいと思っている」。

新しいディーノは、V8エンジンをミドシップに搭載した「488 GTB」より小型で軽量なモデルとなり、初期のディーノと同様にV6エンジンを採用する可能性もあるようだ。フェラーリは、マセラティアルファロメオの新型モデル向けV6エンジンの開発に協力しており、マルキオンネ氏もその評判の高さに手応えを感じていることから、この同じエンジンを共有すると思われる。その最高出力は500ps程度になると見られている。

だが、単なる低価格のフェラーリになるとは思わないで欲しい。マルキオンネ氏は、ディーノが安いフェラーリと見なされたり、実際にそうなったりすることはないと強調している。ただし70年代と同様に、ディーノが独立したブランドとして設定される可能性はありそうだ。同氏は「顧客の利益を損なうようなことがあってはいけない」と述べており、ポルシェ「ボクスター」は「安いポルシェと見なされていたので嫌いだった」と明かしている。

ディーノはもともと、ポルシェの「911」に対抗するモデルとして作り出された。しかし、フェラーリより安価なドイツ製スポーツカーと張り合うがために、高級なフェラーリ・ブランドの価格を下げたくはないと、エンツォは考えた。今より低い価格帯のフェラーリが登場すれば商業的には成功しそうだが、マルキオンネ氏は、ブランドの価値を損ねてまで売り上げを追求することはないそうで「私は決して、フェラーリの名前を犠牲にして500台多く売ろうとはしない」と明言している。


By Andrew English
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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