F1でのレース中の給油は当分復活しないかもしれない。各チームの代表がこの案を全員一致で拒否したためだ。

これまでの経緯をご説明しておくと、F1におけるレース中の給油は、高速・高圧で行われる給油の安全性に懸念を抱かせる事案が何件も起きた末に、2010年に禁止された。これによって、全てのマシンはレースのフィニッシュまでに必要な燃料を搭載してスタートしなければならなくなった。だが先月、物議を醸しているF1ストラテジー・グループが、より見応えのあるレースにするための一案として2017年からの給油導入を提案していたのである。

その意図は、マシンが軽くなれば速度が増すというものだった。少なくともレースのスタート時点では多くの燃料を搭載する必要がなくなる。しかし、6月5~7日にモントリオールで開催されたカナダGPに際して、各チームの代表が国際自動車連盟(FIA)レースディレクターのチャーリー・ホワイティング氏に対し、給油導入には全員が反対であることを告げたという。給油を復活させても実際にはF1にとってプラスにはならず、コスト増大と安全性低下をもたらすだけというのが理由のようだ。どうやら今回の案は、以前よりもさらに高速・高圧で給油できる高価な新型給油装置を、各チームに購入するよう求めるものだったらしい。

この対立で、批判されてきたF 1ストラテジー・グループの問題点があらわになったと言えそうだ。物議を醸しているこの委員会は、FIA、F1の商業権を持つフォーミュラ・ワン・マネージメント(FOM)、そしてフェラーリレッドブルメルセデスマクラーレンウィリアムズフォース・インディアの6チーム(最後の1枠は前述の5チームを除いたコンストラクターズのうち昨季選手権の成績が最高位のチーム)の代表者から構成されている。投票権は、FIAとFOMがそれぞれ6票、6チームはそれぞれ1票を有する(つまり、これ以外のチームには投票権がない)。

ストラテジー・グループの各メンバーがどのように投票したのかは我々には分からないが、給油導入案は、F1株を保有する投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズのドナルド・マッケンジー氏と、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)CEO兼フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネ氏が出したものと報じられていた。両氏は、レーシング部門から叩き上げたフェラーリ前会長とは違い、レーシング・チームの運営に直接携わった経験があまりない。このように、チーム側の支持が得られなかったことで、給油導入案はこのまま消滅しそうに思われる。なお、今回のチーム側の反応については、まずホワイティング氏からストラテジー・グループに報告され、最終的にはFIA世界モータースポーツ評議会が判断を下すことになる。




By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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