新型「マツダ ロードスター」ついに発売! 発表会場からレポート
ついに4代目となる新型「マツダ ロードスター」が、本日5月21日(木)より発売となる。その前日、マツダは報道陣を集めて、東京都内で"改めて"新型ロードスターの発表会を催した。

既にAutoblogではこれまで何度も新型ロードスターについてはご紹介して来たので、"今さら発表!?"という気がしなくもないのだが、昨年9月に初めてその姿が公開された際には、報道記者として我々も会場に呼んでいただいたとはいえ、あれはあくまでも25周年記念イベント「THANKS DAY」と銘打ち、ロードスター・ファンに向けてのお披露目だった。一般報道陣に正式発表されたのは今回が初めてのこととなる。



壇上にはまず、マツダの小飼雅道社長兼CEOが登場し、初代「ユーノス ロードスター」誕生時のことから振り返る。かつてはイギリスやイタリアを中心に、走る歓びを手軽に味わえるライトウェイト・スポーツカーが路上を賑わした時代がある。ある者はオープン・エアのスポーツ・ドライビングを謳歌し、ある者はその姿を見て憧れた。しかし、1970年代のオイルショックとマスキー法改正による環境性能や安全性強化の要求に適応することが出来ず、ほとんどのライトウェイト・スポーツカーは絶滅。やがて1980年代に入りGTやホットハッチという形で、高性能車が再び息を吹き返しても、動力性能が特別優れているわけでもなく、実用性や快適性が劣るライトウェイト・スポーツカーは過去のものとして捉えられていた時代がしばらく続く。



そんなライトウェイト・スポーツカーのネガな部分を、マツダは小飼社長によれば「技術的な壁をブレークスルーして」1989年にユーノス ロードスターを世に送り出す。もし、マツダが初代ロードスターを作らなかったら、運転を楽しみたい我々のような人種は、高価格な高性能GTや高級スポーツカーを買うか、維持費が怖ろしく高いことを承知でそれらを中古で買うか、あるいは前輪駆動を受け入れてホットハッチのようなクルマ買うか、それともボロボロでエアコンもない数十年落ちの欧州製ライトウェイト・スポーツカーを買うか、しかなかったのだ。そしてひょっとしたらそんな状況は2015年の現在も続いていたかも知れないのだ。

その後、マツダの成功を受けて数々の小型オープン・スポーツカーを、欧州のメーカーがまるで思い出したかのように作り出す。だが、その多くはそれほど長くは続かなかった。いま、世界中の自動車を見渡しても、マツダ ロードスターのようなコンセプト、機械的レイアウト、価格のクルマは皆無だ。かつてのライトウェイト・スポーツカーを現代の技術で復活させ、それを21世紀になっても作り続けるということはやはり難しいことだったのだ。



そんな他のメーカーなら手を引いてしまうようなクルマを、マツダは今まで作り続けただけでなく、「マツダ・ブランドの提供価値である"走る歓び"」を象徴するクルマにまで存在意義を高めた。新型ロードスターの開発主査を担当した山本修弘氏によれば、この走る歓びは「マツダ全車の根幹」であり「ブランド・アイコン」であり、そして「マツダの魂」であるという。ではなぜ、1989年から四半世紀にわたって、その間には会社の存亡の危機もあったにも関わらず、マツダはロードスターを作り続けることが出来たのか? 小飼社長によればそれは「ひとえに、世界中のファンの皆様からのご支援をいただいたこと。それが私たちの心の支えになったことに尽きません」とのこと。「これまでマツダ・ブランドを象徴するクルマに育てていただいたことに心より感謝を申し上げます」と仰る。初代ロードスターのカタログには、"だれもが、しあわせになる。"と書かれていた。「いま振り返ると、この言葉はロードスターのみならず、マツダ・ブランドの進むべき方向を言い当てていたと強く感じています」と小飼社長は言う。新型ロードスターは初代同様「だれもが、しあわせになる」クルマとして、その志に立ち返り、さらにその楽しさを次の時代に継承していくために、山本主査によれば「守るために変えていく」というスローガンのもとに開発が進められた。



そのテーマとなったのは、ロードスターというクルマにとった最も大切な「人がクルマを愉しむ感覚」を進化させること。これを山本主査は「感づくり」と表現する。そうして作るクルマのコンセプトは、ずばり「人生を楽しもう」。単なる移動手段として乗られるのではなく、また単なるモノとして売るのではなく、「このクルマを通じて過ごす充実した時間を提供したい」そして「たった一度しかない人生を純粋に愉しみ尽くす歓びを届けたい」という思いが込められているという。

そんなクルマを作るため具体的に掲げられたテーマは3つ。まず1つ目は「誰もが一瞬で心ときめくデザイン」。クルマの動きと共に、光のリフレクションが美しく変化するボディの曲面。ヘッドランプからフロント・フェンダー、そしてドアからリア・フェンダーへと、頂点に描いてから跳ね上がって、そして抜けていくという、書道にも通じる日本の感性を象徴した造形。小型LEDヘッドライトと、低く抑えたアクティブ・ボンネットの採用により、オーバーハングの短いフロント・フェイスは凛とした表情を見せるが、目線を落として正面から向かい合うと優しい笑顔にも見える。これらの要素は、「作り手として、こうありたいと考えるライトウェイト・スポーツカーの姿を描き切ること」という方針に基づいたものであるという。



2つ目は「誰もが夢中になるドライビング体験」。そのためには、さらなる軽量・コンパクトであることという理想を掲げた。まず、人を中心にドライビング・ポジションと室内空間を確保し、フロントミドシップに小排気量エンジンを搭載する。そして、それ以外の全ての部分を徹底的に削ぎ落とす。また、フロント・フェンダーやソフトトップのヘッダーバネルなど「クルマの中心から遠いところ、高いところに」軽量なアルミの材料を効果的に使った。スポット溶接の間は波形にカットして、1グラムでも軽量化。リアクロスメンバーなどには強度上、影響ない部分に穴を開けて重量を減らす。「実車に触れる際には、シートのスライドレバーを触ってみてください。必要最小限の細さに、軽量化にこだわるエンジニアの執念を感じることでしょう」と山本主査は言う。また、シートは低く、ステアリングは中心に、自然に足を伸ばしたところにペダルを配置するなど、ドライビング・ポジションには徹底的にこだわった。1.5リッター直列4気筒「SKYACTIV-G」エンジンはレスポンスを改善し、軽快で伸びのある回転フィールとトルク特性に、そしてサウンドも作り込んだという。もちろん、こだわりはトランスミッションやサスペンションにも同様に及ぶ。



3つ目は「誰もが開放的でリフレッシュできる気持ちよさ」。片手で軽く引くだけで、簡単に開閉できるソフトトップを設計し、心地よい風を感じられるようにウインド・コントロールも徹底した。ヘッドレストに埋め込まれたスピーカーは、オープン・エアで音楽を楽しむためだけでなく、ハンズフリーで快適に携帯電話による会話もできる。機内持ち込みできるサイズのキャリーバッグが、2人分荷室に入ることにも今回はこだわったという。



最後に山本主査は次のような言葉で締め括った。今回の新型ロードスター発表会について伝えるこの記事も、その言葉で終わらせていただきたい。

「世界中のオーナーやファンとマツダがクルマへの熱い想いを共有し、運転する楽しさを貫き通してきたロードスターです。私はこのクルマの主査として、皆さんへの感謝と共に、責任の重さを痛感してきました。だからこそ、次の25年、そしてその先の50年を迎えても愛し続けることができるロードスターであるために、初志を明日につなげるために、守るために変えていく。この挑戦を続けて参ります。そのチャレンジは、私たち開発者の任務であると同時に、夢であり、幸せであり、そして誇りなのです。その私たちの志は、確実にマツダの次の若いエンジニアにも受け継がれております。新型ロードスターが、お客様の素晴らしい人生にエネルギーを与え続けられる存在になり、そして次の25年のヘリテージへの架け橋となることを確信しております。さあ皆さん、新型ロードスターに乗って、人生をもっと、もっと楽しんでください。そして誰もが幸せになっていただきたい。そう願っております」

新型ロードスターの消費税込み価格は、249万4,800円から314万2,800円。販売計画台数は500台/月。詳しい情報はこれまでご紹介してきた記事と、公式サイトをご覧いただきたい。

マツダ 公式サイト
http://www.mazda.co.jp/



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By Hirokazu Kusakabe

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