Related Gallery:24 Hours Nürburgring 2015

富士重工業のモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)は、5月14日(木)~17日(日)にドイツで開催された第43回ニュルブルクリンク24時間レースに新型「スバル WRX STI」で出場し、3度目となるクラス優勝に輝いた。

昨年は序盤で順位を譲り、駆動系のトラブルもあって悔しい3位でレースを終えたSTIチーム。当時、辰巳英治総監督は次のように語っていた。

「我々の持っている技術はちょっと薄っぺらいところもあったなと。切れ味は同じくらいあった。もっと厚みというか強靱さが足りなかった。頂点の切れ味をもうちょっと持続できたらもっと感動がお届けできたんだけど、ちょっと刃こぼれが起きてしまった」

今年は昨年同様、市販車の新型スバル WRX STIをベースにしながらも、ニュルブルクリンクのコース特性に合わせて左ハンドル車を導入。さらに2014年仕様よりもコーナリング時のダウンフォースと高速走行時の空気抵抗を高度にバランスさせ、空力性能の改善と四輪接地性の向上で戦闘力を高めている。ドライバーは昨年と同じマルセル・ラッセー選手(ドイツ)、カルロ・ヴァン・ダム選手(オランダ)に、ティム・シュリック選手(ドイツ)と山内英輝選手を新たに加えた4名でレースに臨んだ。



公式予選1回目には、すでに2位と3位のアウディ TTに25秒もの差を付けるトップタイムをヴァン・ダム選手が記録。2回目の公式予選も終了間際にヴァン・ダム選手が2周だけ走行し、ベストタイムを更新する9分8秒037を記録してSP3T(排気量1,600〜2,000ccのターボ・エンジン搭載車)クラスのポール・ポジション獲得を決めた。

そして土曜日の16時過ぎ、ポール・ポジションからスタートしたスバル WRX STIはそのまま24時間、一度もクラス首位の座を明け渡すことなく走り切り、ルーキーの山内選手が総合18位でチェッカーフラッグを受け、2011年、2012年に続く3年ぶり通算3度目のクラス優勝を果たした。



今回、ニュルブルクリンク・サーキットを143周走破した24時間の中で、トラブルやアクシデントは一度もなく、ドライバーのミスやメカニックのエラーでタイムロスしたことも皆無だったという。途中、雨が路面を濡らすコンディションの中でも、スバル自慢のAWD(全輪駆動)を採用するWRX STIは、ライバルたちより長くスリック・タイヤで走り、その優秀さを見せ付けた。ちなみにスバルより前でゴールした17台は、総合優勝に輝いたアウディ R8 LMSをはじめ、FIA GT3クラスのマシンばかり。後ろを見るとポルシェ 911のレース仕様車がずらりと並び、スバルと同じSP3Tクラス2位のアウディ TTは、WRX STIに12周遅れの総合36位だった。

STIの辰己総監督は、「今回は完璧なレースができました。ドライバー、エンジニア、メカニック、スタッフの心が通じ合い、ひとつになれたからこその結果だと思います。世界中のSUBARUファンの皆様のために、SUBARUの優秀性を改めて証明することができ、とても嬉しいです。ファンの皆さん、応援をありがとうございました」と語る。



他の日本車勢では、トヨタ Gazoo Racingチームのレクサス LFA Code X(影山正彦/石浦宏明/大嶋和也/井口卓人)がSP-PRクラスで優勝(総合14位)。スバルと同じSP3Tクラスに出場したレクサス RC(木下隆之/佐藤久実/蒲生尚弥/松井孝允)はレースの大半をWRX STIに続くクラス2位で走行していたものの、終盤でトラブルに見舞われクラス4位(総合39位)でゴールした。

チーム代表のモリゾウこと豊田章男社長は「私の場合は順位よりも、本当にみんなでマシンを仕上げ、最後まで2台揃って完走できたことが嬉しいです。みんなの顔つきを見ると、この活動を続けてきてよかったなと思うのと同時に、これからも続けていかなければ...という気持ちが芽生えました。」と語っている。

ニッサンGTアカデミー・チームRJNから、SP9Gクラスにエントリーした日産 GT-R ニスモ GT3(アレックス・バンコム/ミハエル・クルム/ルーカス・オルドネス/星野一樹)は、ほとんどトラブルもなく走り抜き、総合9位に入っている。



圧倒的強さでクラスを制したスバルに対し、世界中の強豪がひしめくGT3マシンの中で日産は体制的にもトップ・チームに対しやや厚い壁を感じるというところか。2台のレクサスは、車名から明らかなLFA Code Xだけでなく、RCも(WRX STIと同じクラスに出場していることから分かる通り)市販車とはまったく異なるエンジンを搭載する。将来に向けた開発テストの一環、クルマや人を鍛える場所としてこのレースを位置づけているようだ。個人的にはクラス唯一の後輪駆動として世界的に注目を浴びたトヨタ 86の姿がなくなったことは寂しく思う。来年はホンダにも、新型シビック TYPE Rの参戦を期待したいところ。全輪駆動のWRX STI、後輪駆動のレクサス RCに、前輪駆動のシビックが加われば、また新たな興味が日本だけでなく世界中から寄せられるのではないだろうか。


By Hirokazu Kusakabe

Related Gallery:24 Hours Nürburgring 2015

【PR】WRX STIの購入を考える前に!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べてみよう!