フォルクスワーゲン、新型W12気筒エンジンを発表!
フォルクスワーゲンは8日、オーストリアで開催された「第36回 国際ウィーン・モーター・シンポジウム」において、新世代の12気筒エンジン「W12 TSI」を発表した。

バンク角が極めて小さな狭角のV型6気筒を2つ組み合わせたフォルクスワーゲンのW型12気筒、「W12」エンジンは、同グループに属するアウディのフラッグシップ・セダン「A8」に積まれて2001年に市販化された。現在ではフォルクスワーゲンの大型セダン「フェートン」や、ベントレーの「コンチネンタルGT」など、グループ各ブランドの高級車に搭載されている。"ダウンサイジング"が叫ばれる昨今、大排気量エンジンが次々と姿を消し、縮小した排気量に過給器を付けることでパフォーマンスと環境性能の両立を図る考え方が主流になっている中でも、フォルクスワーゲンは依然として12気筒エンジンを諦めるつもりはないようだ。

今回、ウィーンで発表された新型W12エンジンは、従来と同じ排気量6.0リッターで、2基のツインスクロール・ターボを装備する。新たな特長として、アウディ A8用のW12で採用されている筒内燃料噴射技術「FSI」と、ベントレー各モデルのエンジンに使われている「TMPI」マルチポイント・インジェクションの双方が組み合わされており、状況に応じて最適な燃焼を行うという。また、片側のシリンダー・バンク(進行方向から見て左側の6気筒)を休止する機能や、アイドリングストップ機構などの採用もあり、「ラグジュアリーカー・セグメントで、最も経済的な12気筒」を実現したとフォルクスワーゲンは言う。スペックは搭載するモデルにもよるが、最高出力608ps/6,000rpm、最大トルク91.8kgm/1,500〜4,500rpmという仕様で、新欧州ドライビング・サイクルにおけるCO2排出量は250g/km以下、ということは4.6リッターV型8気筒を積むレクサス「LS 460」並みだ。動力性能もモデルによって異なるはずだが、0-100km/h加速は4秒以下、最高速度300km/hオーバーになるそうだ。

この12気筒エンジンには、電磁アクチュエーターによって振動を打ち消す「アダプティブ・エンジン・サスペンション」が組み合わされ、乗員に「上質な快適性を提供する」という。また、油圧系統は「オフロード走行に対応」した設計になっているとのこと。つまり、今後フォルクスワーゲン・グループから登場する高級オフローダー...というと真っ先にベントレーの新型SUV「ベンタイガ」が思い浮かぶが、その辺りのモデルに搭載されることが予想できる。



また今回の発表では、現行の「EA211」型モジュラー・エンジンをベースにした「ハイパフォーマンスな3気筒エンジン」についても説明があった。これは世界ラリー選手権に参戦中の「ポロ R WRC」に積まれている競技用エンジンの遺伝子を受け継ぐそうで、モノスクロール・ターボチャージャーと「e-booster」と呼ばれる電動ターボによって、わずか1.0リッターの排気量から最高出力272ps、最大トルク27.5kgmを発揮するという。フォルクスワーゲンの開発担当取締役であるハインツ-ヤコブ・ノイサー博士によると「内燃エンジンにもまだこれだけのポテンシャルがあるということを示す好例」だそうだ。

庶民には無縁のW12エンジンより、こちらの方が興味深いという方は筆者も含め多いだろう。搭載されるのは次期型「ポロ GTI」か、それとも「ポロ R」の名前を持つ市販車が登場するのか。あの小型のボディに自然吸気なら3.0リッター並みのエンジンが積まれるかと思うと、楽しみで堪らない。続報に期待しよう。


By Hirokazu Kusakabe

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