アウディ、電動ターボを採用した「TT クラブスポーツ ターボ コンセプト」を発表!
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アウディは、5月13日から16日までオーストリアのライフニッツで開催されるファン・ミーティング「ヴェルターゼー・ツアー」で、新型「アウディ TT」をベースとしたコンセプトカー「アウディ TT クラブスポーツ ターボ」を公開する。

1989年にアメリカで大活躍したレースカー「アウディ 90 IMSA GTO」から着想を得たというこのコンセプトカーは、そのまま市販化される予定はないが、開発を指揮したウルリッヒ・ハッケンバーグ氏によると「使われている技術は市販車に採用する準備がほぼ出来ている」とのこと。それは大型ウイングやエアダムなどアグレッシブなエクステリアの話ではない。最も重要な点はボンネットの下にある。



排気量2,480ccの直列5気筒「TFSI」エンジンは、最高出力600psと最大トルク650Nm(66.3kgm)を発生し、6速マニュアル・トランスミッションと「クワトロ」システムを介して4輪を駆動。車両重量1,396kgの車体を0-100km/hまで3.6秒で加速させ、最高速度は310km/hに達するという。強大なパワーとトルクはもちろん過給器の助けによるものだが、このコンセプトカーでは従来のターボやスーパーチャージャーとは違った新たなテクノロジー、アウディが「エレクトリック・ビターボ」と呼ぶシステムが搭載されているのだ。

これは文字通り、電気の力によってコンプレッサーを駆動する装置で、アクセルを踏めば低回転から一切の遅れがなく瞬時に過給できるという特長がある。また、低回転域はこの電動コンプレッサーが受け持つことで、従来型のターボチャージャーはターボ・ラグを気にすることなく、高圧な設定で高出力を追求することが可能になる。これを搭載するTT クラブスポーツ ターボは、特に停止状態から最初の数mの加速にアドバンテージを発揮し、例えば2.5秒で16mの距離を進むことが出来るという。電動コンプレッサーなしではこれが約10mほどに留まるそうだ。コンプレッサーを駆動する電気は、減速時の回生エネルギーを利用して、車体に搭載されたリチウムイオン・バッテリーに充電しておくという。



目で見て分かる魅力的な内外装についても触れておくと、張り出したフェンダーによって全幅はベースとなったTTよりも14cmワイド。調整式のカーボンファイバー製リア・ウイングは、ワンメイク・レース用車両のためにデザインされたものだ。レース仕様のマフラーは左リア・フェンダーからサイド出し。20インチのホイールに275/30サイズのタイヤを装着し、その奥にカーボンセラミック・ブレーキが備わる。カーボンファイバーとアルカンタラで囲まれたインテリアには、高剛性のチタン製パイプで組まれたロールケージや、オレンジ色が鮮やかなレーシング・シート、ゲートが切られたシフトレバーが備わる。



従来のターボチャージャーの弱点をカバーし、低回転からの大トルクと自然なレスポンスをもたらすというこの電動ターボ、アウディでは数年前から開発が進められていたが、ハッケンバーグ氏の言葉を聞くとそろそろ市販車に採用できる目処が付いたのだろうか。600馬力は"サーキット限定"としても、今後登場が予想される新型「TT RS」では、今まで体験したことのないターボチャージングが味わえるかも知れない。


By Hirokazu Kusakabe

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