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"レーシングカーとロードカーに関連性はあるか?"という話は、スポーツカー好きなら必ず議論したくなる問題だ。例えば、日産が今年のル・マン24時間レースのために開発したレーシング・プロトタイプ「Nissan GT-R LM NISMO」(上の写真)。"GT-Rと名乗るなら、市販車の日産「GT-R」とどんな関連性があるのか?"と訊きたくなる人も多いだろう。それがどうやら大いにあるかも知れないのだ。市販モデルの次期型GT-Rには、GT-R LM NISMOと同じエンジン(あるいはそれをベースにしたもの)が採用される可能性があるという。

ご存じない方のためにお伝えしておくと、このGT-R LM NISMOは、FIA世界耐久選手権(WEC)の最上位カテゴリー「LMP1」クラスで、アウディポルシェトヨタといったトップチームを打ち負かすために開発された斬新な設計のレーシングカーだ。WECシリーズで最も重要な1戦と言えるル・マン24時間レースにおいて日産悲願の総合優勝を勝ち取るため、WEC第1戦と第2戦を欠場して現在テストに励んでいる。他の全てのライバル達がミドシップ・エンジン、全輪駆動であるのに対し、日産はフロント・エンジン、前輪駆動という異色のレイアウトを採用してきたことで注目を浴びている。

しかし、エンジンそれ自体は、特に奇抜なわけではない。日産レーシング・チームの監督を務めるベン・ボウルビー氏が、英BBC『トップギア』ウェブサイト版に語ったところによると、その最高出力550hpを発生する3.0リッターV型6気筒は、市販されている現行モデルのGT-Rが搭載する545hp(日本仕様は550ps)の3.8リッターV6ツインターボにとって、"god-child"(カトリックの用語で、信仰上の後見人の立ち会いのもとで洗礼を受ける子...のことだそうです)のようなもので、回転リミットも公道向けエンジンとほぼ同じ6,500rpmであるとのこと。直接燃料噴射や燃焼技術、ターボと吸気システムを統合したヘッドの設計など、市販車に応用可能な点は多いという。「もちろん、レース用なので超軽量でライフも短いため、そのまま市販車に採用できるかというと現実的には無理だ。しかし、次世代のGT-Rに搭載されるエンジンの遠い先祖になるだろう」とボウルビー氏は語っている。

読者の中には、Nissan GT-R LM NISMOのパワーはそんな程度ではなかったはずだと思われる方もいるだろう。確かにその通りで、このLMP1マシンのトータル出力は550hpをはるかに上回る1,250hpとされている。あとの700hpはハイブリッド・パワートレインの電気装置(バッテリーやモーター)が生み出すものなのだ。件の『トップギア』の記事によると、日産のチーフ・クリエイティブ・オフィサーである中村史郎氏は、早ければ2018年に登場する次期型GT-Rが「ハイブリッドになるだろう」と既に認めたという。ただし駆動輪はGT-R LM NISMOのように前輪(だけ)ではなく、現行モデルと同じ4輪駆動になるだろう。





​By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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