indianmotorcycle ROADMASTER

アメリカ最古のモーターサイクルブランド「インディアン」がスタートしたのは1901年。じつに110年以上も前、自転車レーサーだったジョージ・マロリー・ヘンディーと、エンジニアのカール・オスカー・ヘッドストロームのふたりが「1901 シングル」を生み出した。フロンティア・スピリットにあふれた、その革新的なマシンを「インディアン」と名付けたのだった。

1908年には「Vツイン」エンジンを搭載したモデルを発売し、1920年には「スカウト」、1922年には「チーフ」をリリース。最高速記録の樹立などレースシーンを席巻し、1950年代初頭までは輝かしい栄光を誇ったが、1959年に惜しまれつつ生産終了。その後は再建と経営破綻を繰り返すが、2011年に世界的なATVメーカー「ポラリス社」による現経営体制がスタート。往年の名車たちのスピリットを受け継ぐモデルたちが次々と復活を果たし、現在に至っている。

2015年モデルで、トップエンドモデルとしてラインナップされた「ROADMASTER(ロードマスター)」もまた由緒正しき機種。これ以上はないという豪華な装備を誇り、見るからにゴージャス。ハイエンドモデルに相応しい、堂々たる佇まいだ。

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足つき性はいい。両足を地面に出した場合、身長175cmのテスター(座高は180cm級)だとカカトが若干浮く程度。車両総重量は406kgとヘビー級だが、足が地面にしっかり届くから跨ったときに不安は感じない。

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フットボードに足を載せると気がついた。シフトペダルがシーソー式ではない。聞けばオプションで用意されているらしいが、フットボードならカカトでシフトアップしたい。なぜゆえに標準装備ではないのか......。

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鍵をポケットから取り出すことなくエンジンをスタートできるキーレスイグニッションだから、タンクコンソールにあるボタンを押すだけで電源が入る。

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フェアリング内側のインストゥルメントパネルにはアナログ式の計器が並び、右がタコメーター&燃料計、左がスピードメーター。パネルの白がヴィンテージムードを演出するクリーム調で、これがまた高級感を高め心憎い。

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感心したのは中央にある液晶ディスプレイで、そこに時計や外気温、オド、トリップ、ギヤ段数、電圧などのほか、タイヤ空気圧や航続可能距離も表示。さらに、オーディオのブルートゥース接続やメディア情報、燃費、オイルレベル、グリップヒーターのレベル(10段階)まで、各種情報がじつにきめ細かく把握できる。

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セルボタンを押すと、エンジンは元気よく目覚めた。「THUNDER STROKE 111(サンダーストローク111)」と名付けられたボア101mm × ストローク113mmの111CU IN=1811ccのOHV空冷Vツインエンジンは、アイドリングから優しく、滑らかさを感じさせる。

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股ぐらのVツインエンジンを覗き込むと、サイドバルブ時代を彷彿させるヘッドカバーやオフセットシリンダーに思わず見とれてしまう。ハーレーのビッグツインのようにミッション別体式ではなく、こちらは一体式。プライマリーもチェーン式ではなくギヤ式。カバーには「INDIAN MOTORCYCLE」のロゴが誇らしげに刻まれている。

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さて、早く走りだそう。クラッチミートに神経質さはまったくなく、その巨体が心地良い鼓動感とともにスムーズに動き出す。カウンターバランサーを内蔵したこのエンジンフィーリングは荒々しさとは無縁で、じつに上品。わずか3000rpmで、97.7Nm(9.96kgfm)もの最大トルクを発揮することからもわかるとおり、低い回転域でも潤沢なトルクによる余裕のクルージングが楽しめる。

indianmotorcycle ROADMASTER indianmotorcycle ROADMASTER

ハンドルマウントの巨大フェアリングは「ハンドリングに悪影響を及ぼすのでは?」と試乗前に懸念したが、心配無用だった。前後16インチの足まわりにマッチするようキャスター角が最適化され、軽快なハンドリングを実現。車線変更時もキビキビ動き、コーナリングでは狙ったラインを外さない。

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パワーウインドシールドは上下10センチの範囲で調整可能。試乗中は雨が降っていたが、高い位置をキープしておくと身体がなかなか濡れない。ロア・フェアリングにも開閉式のベントを持つなど、足もとにまで及ぶフェアリングのおかげで、ウインドプロテクション効果は絶大なもの。高速道路ではクルーズコントロールが利用でき、快適そのものだ。

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バックレストのツイン・スピーカーのほか、前後独立式のヒーターを備えるなど、パッセンジャーへの配慮も申し分ない。パッセンジャー用のフロアボードは、3段階の高さと12度の角度調整ができる。

indianmotorcycle ROADMASTER

トランクとサドルバッグは、リモコン操作でロック/アンロックができ、収納スペースは合計で140リットル以上と頼もしい。

indianmotorcycle ROADMASTER indianmotorcycle ROADMASTER

昔も今も、上質な乗り味で勝負する「インディアンモーターサイクル」。その最上級モデルだけあって、乗り心地は快適そのもの。不快な振動はどこにも感じないし、前後サスペンションがしなやかに動き、大きな段差を乗り越えたときもダンパーがしっかり踏ん張り、衝撃を収めてくれる。

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このコンフォート性の高さと上質なエンジンフィーリングなら、オーナーとなったとき、大切なパートナーとともにスーパーロングの旅に出かけたくなるだろう。大人のロマンを掻き立てる最上級ツアラーだ。



​■ROADMASTER SPEC
◎全長×全幅×全高:2,656×1,012×1,572mm
◎ホイールベース:1,668mm
◎シート高:673mm
◎装備重量:406kg
◎エンジン型式:空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブ
◎最大出力:200PS/10,000rpm
◎最大トルク:97.7Nm(9.96kg-m)/3,000rpm
◎排気量:1811cc
◎ボア×ストローク:101.0×113.0mm
◎圧縮比:9.5:1
◎燃料タンク容量:約20.8L
◎フロントタイヤ:130/90B16
◎リアタイヤ:180/60R16

■PRICE
396万3600円(消費税8%込み)

<車体色>
サンダーブラック
インディアンレッド(+54,000円)
インディアンレッド/アイボリークリーム(+108,000円)

■インディアンモーターサイクル公式サイト
https://www.indianmotorcycle.co.jp/