日産のタフなSUV「エクストレイル」に待望のハイブリッドが登場!
日産自動車は、活況を見せるSUV市場の中でも"道具"としてのタフな実用性と走破性から支持者が多い「エクストレイル」に、待望のハイブリッドを投入。モーターがアシストする2.5リッター・ガソリン車並の力強い走行性能と、エコカー減税で"免税"措置が適用される高い環境性能、モーターのみによるEV走行時の静粛性まで身に付けた。

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2013年末に発売された3代目にあたる現行型エクストレイルは、数多のSUVが単なる"背の高いオンロード車"としての性格を強める中で、2000年に登場した初代モデルから受け継ぐオフロードを厭わない走行性能と実用性が魅力。アウトドアの道具として使い倒されることを想定した"TOUGH GEAR(タフ・ギア)"としての本格的SUV性能をベースに、強大なトルクを発生する電気モーターによるアシストと、走行状況によって停止したエンジンを完全に切り離し、モーターのみによる走行を可能にすることで低燃費を実現したハイブリッド・モデルが今回新たに追加された。

注目のドライブトレインは、日産が「フーガ」や「スカイライン」で培ってきた1モーター2クラッチ方式を採用。駆動を伝達する通常のクラッチの他に、エンジンの接続を切り離すためのクラッチを設けることで、エンジンを停止させながら走行する際にモーターの負担を減らすことができる。もちろんこのモーターは発電機としても機能し、ブレーキ操作による減速時には回生ブレーキと摩擦ブレーキの割合を最適に調整することで、失われるエネルギーの約90%も回収することが可能だという。この電力を蓄えるバッテリーは、コンパクトでパワー密度が高いリチウムイオン電池を採用。これを搭載することで減少する荷室容量も400L以上(VDA容量)+約30Lのラゲッジアンダーボックスを確保した。安全を期するため、水が大量に流れ込む可能性のある使い方を推奨するような防水ラゲッジ機能は外されたが、通常の使用範囲内でなら荷室内に水が漏れても支障はないそうだ。




エンジンは従来の2.0リッター直列4気筒直噴「MR20DD」型をベースに、ハイブリッド専用に合わせて最適化を図った。最高出力108kW(147ps)/6,000rpm、最大トルク207Nm(21.1kgm)/4,400rpmは、従来のガソリン車のエクストレイルと同じ。これで充分に"仕事"を果たしているエンジンに、さらに最高出力30kW(41ps)と最大トルク169Nm(16.3kgm)を発生する電気モーターが組み合わされるため、システム合計の最高出力は138kW(188ps)、最大トルクは2.5リッター・ガソリン・エンジンを凌駕する270Nm(27.5kgm)に達し、しかもこの大トルクが低回転域(1,000rpm)から発揮される。ハイブリッド化により130kgほど車両重量が増加したとはいえ、加速時や急勾配ではガソリン車のエクストレイルを凌ぐパワフルな動力性能が味わえるはずだ。

さらにエクストレイルのハイブリット・システムは、高速走行時にアクセルを閉じるとエンジンが停止し、そのまま最高120km/hの速度までモーターのみで走行可能(法的には別ですよ)と、この点でもライバルに差を付ける。街中での走行シーンでは約4分の3、そして多くのハイブリッド車が(効率の面で)不得意とする高速道路でも約21%をモーターだけで走ることができるそうだ。組み合わされるトランスミッションはステップ変速制御を採用するエクストロニックCVT。前後の駆動力を自動で配分するだけでなく、悪路脱出などの際には前後トルク配分を50対50に固定することも可能な「ALL MODE 4◊4-i」システムを搭載する4輪駆動(4WD)の他に、燃費がさらに優れる前輪駆動(2WD)モデルも選べる。JC08モード燃費は2WD車が20.6km/L、4WDでも20.0km/Lをマークする。これにはパワーユニットだけでなく、ガソリン・エンジン仕様のエクストレイルよりさらに改善された空力性能や、専用の低転がり抵抗タイヤの採用なども一役買っているという。





このハイブリッド・システムの作動状況は、運転席のメーター・パネル内に装備された「アドバンスドドライブアシストディスプレイ」にグラフィカルに表示される。エネルギーの流れや、エンジンおよびモーターの駆動状況を視覚的に把握することができ、さらにタコメーター内にはモーターのパワーレベルを表示する「ハイブリッドパワー計」が配置されている。全て自動の機械任せにせず、意識的に運転することで燃費も向上するし、また先進的なシステムの作動を確認する知的な楽しみも味わえる。

そしてもう1つ、ハイブリッドのエクストレイルで初めて採用されたのが、オプションの「NissanConnect ナビゲーションシステム」に搭載された「スマートフォン連携機能」。所有するスマートフォンを接続することで対応アプリをナビ画面で表示したり、SNSの投稿を確認・作成・送信などが行えるという。

車体の上下の動きを予測し、駆動力とブレーキを制御することで車両の振動を低減する「アクティブライドコントロール」や、コーナーおよびブレーキング時にCVTのギア比を制御して適当なエンジンブレーキを付加する「アクティブエンジンブレーキ」、コーナリング時にドライバーの操作や走行状況に応じて4輪それぞれのブレーキを制御し、安心感の高いコーナリングを可能にする「コーナリングスタビリティアシスト」など、先進のシャシー制御技術はもちろんガソリン車と同様、ハイブリッドのエクストレイルにも標準で搭載される。

また、クルマを上空から見下ろしているかのように周囲の状況を把握できる「アラウンドビューモニター」、車庫入れや縦列駐車を自動操舵でサポートする「インテリジェントパーキングアシスト」、リア・カメラの映像をルームミラーに内蔵されたモニターに表示する「スマートルームミラー」など、日産が「ワクテク(ワクワクするテクノロジー)」と呼ぶ先進技術もオプションで設定。フロント・カメラで前方の状況を監視し、衝突の危険を察知したらドライバーに警告したり自動的にブレーキを作動させる「エマージェンシーブレーキ」はハイブリッド20X"エマージェンシーブレーキパッケージ"に標準装備される。

外観におけるハイブリッドの識別点は、左右フロント・ドアおよびバックドアに付けられた専用エンブレム。また、"最も先進的なエクストレイル"に相応しく、これまでオプションとして用意されていたLEDヘッドランプが標準装備される。




日産 エクストレイルは先代から続く人気により、2013年度SUV販売台数では1位を記録。だが2014年以降、このセグメントではハイブリッドの需要が高まり、昨年のSUV販売上位5車種の中で、約3分の1をハイブリッドが占めるという状況になっていた。電気自動車「リーフ」をはじめとする「ゼロ・エミッション」で知られる日産だが、実はエンジンを進化させる「PURE DRIVE」と称した取り組みも長年続けており、これまでFRレイアウトで実用化されて来たハイブリッド技術を、今回はFFベースのエクストレイルで初めて採用。EVで培われた技術を応用することで、効率のよいシステムが開発できたという。




これまでのエクストレイルの特徴である、路面・天候を問わない高い走行性能や、防水シート&防水加工フロアと、(ハイブリッド用バッテリーを積んでも)充分な荷室容量を備えた実用性はそのままに、さらに高い環境性能と先進装備が追加され、"TOUGH GEAR HYBRID"へと進化したグリーンでパワフルな最新エクストレイル。消費税込み価格は、標準モデル「20X HYBRID "エマージェンシーブレーキパッケージ"」が280万4,760円(2WD)~301万1,040円(4WD)。"タフ"な外観をさらに強化する「20X HYBRID エクストリーマーX "エマージェンシーブレーキパッケージ"」が321万6,240円(4WD)。ダークなエクステリア・パーツを装備する「20X HYBRID ブラック エクストリーマーX "エマージェンシーブレーキパッケージ"」が324万円(4WD)。環境性能の高いSUVとしては、マツダのディーゼル・エンジンを積む「CX-5」や、スバル「XV」のハイブリッドが価格帯では競合するが、ライバルに対するエクストレイルの魅力はハイブリッドになっても基本的には変わらない。都会の生活よりもそこを抜け出す時のことを常に意識したタフな精神性と、その拠り所となる4輪駆動システムやシャシー制御技術による走破性能の高さだろう。さらに詳しい情報は、以下のリンクから公式サイトをご覧いただきたい。


日産自動車 公式サイト:「エクストレイル ハイブリッド」
http://www.nissan.co.jp/SP/X-TRAIL/HYBRID/