Bridgestone REGNO

REGNO(レグノ)」といえばブリヂストンの誇るプレミアムタイヤだが、先日、その乗用車用「REGNO GR-XI(レグノ ジーアール・クロスアイ)」と、ミニバン専用「REGNO GRVⅡ(レグノ ジーアールブイ ツー)」の発売が発表された。

Bridgestone REGNO
REGNO GR-XI(レグノ ジーアール・クロスアイ)
Bridgestone
REGNO GRVⅡ(レグノ ジーアールブイ ツー)

・・・って言われてもよくわかんねーし、と思う人はいるかもしれない。クルマにこだわりまくっていても、意外にタイヤなんてどこのも一緒でしょ、と思考もまだありそうな気もする。特にこういうプレミアムタイヤ系はお値段そこそこするくせに、試乗して選べないのがまた悩ましい。例えば田舎の農機具小屋なんかに打ち捨てられていた、年代ものの履き古しタイヤからこういうプレミアムタイヤに乗り換えたりしたら、そりゃ誰もがその差を感じて然りだろうが、それもまた極端すぎる例である。
じゃあここは一丁、張り切ってレポートしましょう。この度、この2種類の新製品の他に、先代モデルと比較検討できる場を与えて頂いたのだ。

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REGNOは1981年の発売開始以来、実に30年以上に渡って同社の最上級コンフォートタイヤとして進化してきた。モデルチェンジは今回10回目となる。
日本の顧客はウエット、ドライ両方での走る・曲がる・止まるといった基本性能に加えて、特に静粛性を重視する傾向にある。この価値観は世界的に見ても稀なのだが、日本生まれ日本育ちのREGNOはこの静粛性と走行性能を高い次元でクロスさせてきた。
近頃はクルマがどんどん静かになってきている。ハイブリッドカーなんてその最たるもので、デートの時はオーディオでもかけないと唾を飲む音さえも聞こえかねない有様だ。こんだけクルマ自体が静かになってしまったら、後は正直タイヤが頑張るしかない。

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REGNOは東京大学生産技術研究所 音響工学研究室(名前長いね)との共同研究により、今回、静粛性への技術を更に高めた。
ゴーとかガーとかいう音、これは荒れた路面の凹凸によってタイヤの構造内部が震えてしまう為に起こる中・低周波ノイズなのだが、これには"ノイズ吸収シートⅡ"というものを採用した。ちなみにⅡというからにはⅠもあった訳で、Ⅱになってからは振動特性がセダンとコンパクトカーで違うことから、カーサイズごとにシートを最適化して導入する。ちなみにGR-XIで先代モデルGR-XTに比べノイズは5%低減している。

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更に滑らかな路面を走行中に感じるヒューとかシャーとかいう高周波音は、タイヤの溝と路面間の摩擦から生まれる高周波パタンノイズだ。これには新開発の"ダブルブランチ型消音器"が採用された。従来は1本の溝に一つの消音器を持ってい為、共鳴音こそ軽減したものの、パターン剛性の面でやや不利だった。今回は2本の溝で一つの消音器を共有する為、パターン剛性を向上することが出来たという。こちらはなんと先代比15%で、かなり静かになった。

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先述のパターン剛性向上の例からもお分かり頂ける様に、操縦安定性に関しても進化をしている。
タイヤのイン側・アウト側でそれぞれ違った働きをさせ、タイヤの総合的な守備範囲を向上させる為に左右非対称パターンや、イン側とアウト側でサイド形状が違う非対称タイヤ形式を採用した。
もちろんミニバン用のREGNO GRVⅡも同じで、GR-XIとの差異はIN側に剛性や編摩耗に有効なパターンを施しているところと、サイドにはフラつきなどミニバン特有の挙動に効果的なチューニングを施しているという点。装着するクルマの特性に合わせただけで、考え方は変わらない。ちなみに静粛性に関してだが、特に車内空間が広いミニバン系はノイズが反響することが多いため、パタンノイズには更に腐心している。前席で11%、後席で19%のノイズを低減した。
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それを踏まえて、試乗に出た。
試乗コースとなった西湘バイパスから小田原西ICを経由して小田原厚木道を走るルートは、海を西に箱根を東に臨む絶景ドライブを楽しめるのだが、意外にもクルマにはシビアな道路だ。特に西湘バイパスは波打ち際の真上を高架上に作られた道路で等間隔に継ぎ目が出現するうえ、大型トラックなども多く走るため路面は結構荒れている。

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しかし、試乗車となったクラウンハイブリッド、メルセデス・ベンツE300、どちらも静粛性は驚くほどだった。件の継ぎ目を越えるときにはコツン、コツンと金属的なインフォメーションが入るが、それも角が丸められたようにくぐもって聞こえる。まるで車内の気密性が一段上がったかのようなやさしい静寂だ。個人的にはE300との相性がとてもよかったように思う。車両の性格ともよくマッチして、Eクラスのアシがよりコンフォートに感じられた。

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ミニバン用GRVⅡにはアルファードが用意されていたのだが、こちらも静粛性は上々。GR-XIほどの感動はないにしても、それでも充分静かである。走り出しよりも高速で走行を始めたときに、その恩恵を感じられやすいと感じた。普段から移動距離の長い人は、これで随分疲労が軽減されると思う。また、運動性能で言えばレーンチェンジからの車体の揺れに対する収まりの速さと、ハンドルを切り始めた時の応答性の良さはスッキリしていて気持ちいい。

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さらにその運動性能をクローズドコースに設置されたスラローム路やフルブレーキング、またマットのような人工的な障害物を乗り越える波状路で試した。
用意されたのはホンダのフィットハイブリッドとクラウンハイブリッドだったが、どちらに装着してもこれは単純明快。その性能の差は見事に実感できるものだった。

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パイロンスラロームでは先代よりもより小さい半径でするするとパイロンに近いラインをなぞることが出来るのだが、これは切り始めの反応の良さと揺り返しからの収束の速さがポイントになっている。波状路でもシートに座ったお尻はもちろんのこと、ハンドルを握る掌にまで伝わるその振動が明らかに軽減されていて唸った。
特に効果が顕著だったのがフィットハイブリッドだったのだが、クラウンハイブリッドのように電子的にバネ上制振制御が入っているクルマでさえ効果を感じられるとは、改めてREGNOの実力を見せつけられた感じだ。

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今回の新型、特に乗用車用のGR-XIはそう、フィットハイブリッドにも対応するような、コンパクトカーへのサイズ展開がなされている。これまで高級タイヤといえば大径モノというのがセオリーだったが、ここのところ好調なコンパクトカーの販売台数に呼応する形でサイズを拡大した。

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...と聞いて、「いやフィットにREGNOはオーバークオリティやろ」とは正直思ったのだが、今回REGNOがフィットハイブリッドの雑味やネガをサラっと軽減しているのを身を以て感じ、ちょっと考え方が変わった。"コンパクトカー×エエタイヤ"、アリかもしれない。
もちろん何が何でも燃費!燃費が一番やねん!という方もおられよう。そういう人には無理にとは言わない。しかし、エコノミーな意味合い以外、たとえば取り回しの良さやスタイリングに惚れ込んで、ということでコンパクトカーを選ばれている皆さん、サスペンション変えるよりももしかしたらタイヤを変えたほうが、安く簡単に上がる乗り味向上計画かもしれませんよ。

■ブリヂストン 公式サイト
http://www.bridgestone.co.jp